《櫻井ジャーナル》

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2010.07.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イスラエルとアメリカ、両国で朝鮮に関する興味深い報道があった。イスラエル政府が朝鮮を攻撃しているのに対し、アメリカでは逆の報道があったのだ。

 イスラエルのハーレツによると、イスラエルは国連の安全保障理事会に対し、朝鮮による弾道ミサイルの拡散は中東を不安定化させているとした上で、そうした行為を止めさせるように求めたという。

 1980年代にはカチューシャ・ロケット弾をイスラエルは朝鮮から大量に買い付け、イランへ転売して大儲けしている。つまり、イスラエルと朝鮮はビジネス・パートナーだったのだが、今は敵対関係にあるようだ。

 昨年12月にタイで拿捕された朝鮮の船は、ガザのハマスやレバノンのヒズボラに引き渡す武器を積んでいたとされているのだが、イスラエルのアビグドル・リーバーマン外相は5月、朝鮮はシリアやイランのミサイル計画を支援していると非難している。

 しかし、イスラエルはアメリカから莫大な資金を供給され、高性能兵器を提供され、核兵器の開発と保有を擁護されてきた。その軍事力はイスラム諸国の比ではない。中東を不安定化している最大の要因がイスラエルだということは、間違いないのであり、リーバーマン外相に他国を批判することはできない。

 リーバーマン外相のようなイスラエルの軍事強硬派と一心同体の関係にあるのがアメリカのネオコン(新保守)。1990年代から潜在的ライバルとして東アジアを警戒、成長の芽を摘もうとしている。つまり、ネオコンが「第二次朝鮮戦争」を目論んでいるひとつの理由はそこにあると考えるべきだろう。もし開戦に成功すれば、日本列島はアメリカ(ネオコン)軍の橋頭堡、つまり侵略の拠点になる。

 日本には東アジアの発展をライバルの出現として警戒する人たちがいる。かつて、韓国のメディア幹部(おそらく、情報機関の高官)から、日本政府は表や裏で朝鮮統一を妨害してきたと聞かされたこともある。

 しかし、現在、日本の大企業は中国で儲けているのが実態。アメリカの大企業も東アジアに多額の投資をしている。戦乱は彼らにとって好ましくない。よほどの事件が起こらないかぎり、中国を戦乱に巻き込んで破壊、あるいは分裂させることは難しいだろう。

 勿論、東アジアを不安定化させる動きもある。3月に沈没した韓国軍の哨戒艦は朝鮮軍が魚雷で撃沈したと韓国政府は発表、アメリカ政府も同調し、朝鮮半島の軍事的な緊張が高まっているのである。イスラエルやネオコン、あるいは日本の一部勢力にとっては好ましい展開になっているのだが、ここにきて新たな動きがアメリカで見られる。調査結果に異を唱える人々の主張をアメリカのロサンゼルス・タイムズが紹介したのだ。



 同紙によると、現場から「発見」された物体にハングルが書かれていたことを「朝鮮犯行説」の証拠だとする主張を、iPhoneにハングルを書き込んで「朝鮮製だ」と言うようなものだとバージニア大学のイ・セウングン教授は一笑に付しているという。まったく、その通りである。

 韓国国内では、約20%の人が「朝鮮犯行説」を信じていないというが、当然だろう。調べれば調べるほど疑惑が深まるのである。アメリカでは、ネオコンに対する反撃の突破口としてこの事件が使われる可能性も出てきた。





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最終更新日  2010.07.25 00:10:04


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