《櫻井ジャーナル》

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2010.10.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中国の反体制派、劉暁波にノーベル平和賞が授与されるのだという。「中国での基本的人権を求める非暴力の闘い」を評価、世界第2位の経済大国になった中国に対し、そうした立場に見合った「責任」をノーベル賞委員会は求めていると伝えられている。

 確かに、中国が人権を尊重する国だとは思えないが、そうしたことは、世界第1位の経済大国であるアメリカ、そして中国と並ぶ経済大国の日本でも同じことが言える。特にアメリカの場合、国際条約や自国の憲法を無視して拉致、拘束、拷問が実行されてきた。それだけでなく、アメリカ政府は暗殺も認めている。

 過去を振り返ると、アメリカは自国を支配する巨大資本のカネ儲けを助けるため、少なからぬ国で軍事クーデターを演出し、軍事政権を作り上げてきた。その犠牲者は膨大な数にのぼる。人権を尊重する国のできることではない。

 考えてみれば、核武装を考えていた佐藤栄作、チリやカンボジアにおける大量殺戮で黒幕的な役割を果たしたヘンリー・キッシンジャー、イルグンという「テロ組織」のリーダーだったイスラエルのメナヘム・ベギンも受賞している。ジョージ・W・ブッシュ政権が始めた人権を否定する政策を維持しているバラク・オバマもノーベル平和賞を受賞した。人権とか平和でなく、政治的な理由から受賞者は決められていると言わざるをえない。

 裏の事情はともかく、アメリカが特別扱いしているイスラエルは、パレスチナ人の人権を無視してきた。ガザへの軍事侵攻にしろ、ガザ支援船の公海上での襲撃にしろ、国際的に批判が高まっているのだが、アメリカ政府は必死に擁護している。イスラエルによる破壊と殺戮に対し、アメリカ議会は政府よりも寛容な姿勢を見せている。

 こうしたアメリカの姿勢を批判する「非暴力の活動家」は少なくない。しかも、アメリカの捜査機関や情報機関から敵視され、監視され、時には襲撃されてきた。こうした人々に対し、ノーベル賞委員会がどのような姿勢を見せるのか、興味深いところだ。





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最終更新日  2010.10.09 12:31:22


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