《櫻井ジャーナル》

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2013.09.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 12年前の9月11日、ニューヨークの世界貿易センターに並んでそびえていた二つの超高層ビルに航空機が突入、爆破解体のように崩壊、さらに別のビルも同じように壊れた。同じ頃、バージニア州アーリントン郡にある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)も攻撃されている。

 当時のジョージ・W・ブッシュ政権は実行者を「アル・カイダ」だと即座に断定、「テロとの戦争」を始めた。アル・カイダの象徴はサウジアラビアの富豪一族に属すオサマ・ビン・ラディンだったが、このビン・ラディンを匿っていると称し、アメリカ企業と石油利権で対立していたアフガニスタンを攻撃、ついでアメリカ軍の反対を押し切り、アル・カイダを激しく弾圧していたイラクを先制攻撃した。

 イラクを攻撃する際、「大量破壊兵器」が口実に使われたが、この主張が嘘だと言うことは開戦の前から指摘されていた。また、アル・カイダがアメリカで何らかの破壊工作を計画していることも、事前に外国政府から警告され、アメリカの機関も同じ判断をしていたことがわかっている。

ウェズリー・クラーク 元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、湾岸戦争でジョージ・H・W・ブッシュ(ジョージ・Wの父親)大統領がサダム・フセインを排除しなかったことに不満を抱くネオコン(親イスラエル派)のポール・ウォルフォウィッツ国防次官は、1991年の段階でシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していた。

 「911」の直後、ブッシュ・ジュニアは イラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画 をたて、2007年にシーモア・ハーシュが書いた記事によると、アメリカ政府はサウジアラビアやイスラエルと共同で シリアやイランをターゲットにした秘密工作 を開始した。

 こうした軍事作戦を正当化するためにアル・カイダは利用されてきた。つまり、アル・カイダはアメリカの敵なはずなのだが、リビアやシリアの体制転覆プロジェクトでは、そのアル・カイダと手を組んでいる。現在、シリアで劣勢のアル・カイダを助けるため、ネオコンはフランスを引き連れ、空爆しようと必死だ。(イギリスは離脱した。)



 こうした勢力によるリビアやシリアに対する支援は重大な問題を提起している。アル・カイダとは何者なのか、ということだ。1970年代の後半にズビグネフ・ブレジンスキー米大統領補佐官のプランに従ってイスラム武装勢力は組織され、その中からアル・カイダは生まれた。そのアル・カイダが実行したとされる「911」を口実にして、アル・カイダと対立していたイラク、リビア、シリアが攻撃され、すでにイラクとリビアの体制は倒された。

 今、シリアに対する直接的な軍事介入を巡り、ロシアや中国など軍事介入に反対する勢力は、ネオコン/イスラエル、フランス、サウジアラビアなど早く攻撃すべきだとする勢力とつばぜり合いをしている。この対立を考える時、「アル・カイダ」はキーワードだ。敵だったはずのアル・カイダをなぜ支援しているのか、ということだ。

 今、2001年9月11日のことを思い出している人は少なくないだろう。あの時、実行犯だけでなく、イスラエルとサウジアラビアの動きが話題になっていた。そうした指摘をアメリカの政府や「西側」のメディアは「陰謀史観」という呪文で封印したが、この封印が解けてきている。

 当然、リビアやシリアの情勢を伝える報道にもアル・カイダ、イスラエル、サウジアラビアという名詞の出てこなければならない。出てこないなら、メディアの編集者や記者が無能なのか、事実を隠そうとする意思が働いているとしか考えられない。隠そうとしているなら、彼らも共謀犯だということになる。





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最終更新日  2013.09.12 17:13:12


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