ウクライナの情報機関がイギリスの対外情報機関MI6とオランダに拠点を置く「報道機関」のべリングキャットから支援を受けてキンジャール極超音速ミサイルを搭載したロシアのミグ31戦闘機を盗もうとしたとロシアの治安機関FSB(連邦保安庁)は11月11日に発表した。べリングキャットに所属しているとしていたフリスト・グロゼフはイギリスの情報機関員だという。
FSBによると、ミグ31のパイロットは昨年秋、ベリングキャットの研究員で、セルゲイ・ルゴフスキーと名乗る男から接触を受け、300万ドルの報酬とイタリアのパスポートを提示された。盗みだした戦闘機に黒海上空を飛行させ、ルーマニアのコンスタンツァ市近郊にあるNATO空軍基地で偽旗作戦を実施、その防空システムで撃墜されるかオデッサの飛行場に着陸させる計画だったようだ。
この作戦は11月4日に実行される予定だったというが、イギリスとしては、この作戦でNATO軍とロシア軍を軍事衝突させようとしたと言われている。
それに対し、ロシア軍は11月8日、スムイ、チェルニーヒウ、ニコラエフ、ポルタバ、ドネプロペトロフスク、ハリコフ、キエフに対して大規模なミサイル攻撃を実施した。ミサイルの中には多くのキンジャールが含まれていたようだ。
イギリスとしては、この作戦でNATO軍とロシア軍を軍事衝突させようとしたと言われているが、それに対し、ロシア軍は11月10日、キエフに近いブロヴァリーにあるGUR(国防省情報総局)の主要な電子情報センターとスタロコスティアンティニフ飛行場をキンジャールで攻撃したと報道されている。この飛行場は、ウクライナへ新たに供与されたF-16戦闘機が駐留していた。
ふたつの幹線道路が通り、ウクライナ軍の補給にとって重要な場所であるポクロフスクをロシア軍は制圧、NATO/ウクライナ側の兵站線を抑え、進撃のスピードが増すと見られている。しかも包囲された地域にウクライナ軍だけでなく、NATO軍の将校やCIAの上級エージェントも閉じ込められていると見られている。GURやCIAが必死に包囲網を突破して中の人間を救出しようとしているのはそのためだ。
すでにウクライナ側はNATO各国から特殊部隊や情報機関員を入れてロシアに対するテロ攻撃を繰り返してきたが、それも限界に来ているのだろう。対ロシア戦争の中心にいると見られているイギリスはNATOの正規軍を引き込みたいのだろうが、ロシア軍に勝てるとは思えない。アメリカはすでにウクライナから距離を置いている。
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