2004年04月22日
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《ドナのファルージャ拘束報告No2》

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 イラクのファルージャでは、米軍の包囲網作戦が2004年4月5日から、4月の末に米軍が複数の陣地から撤退し始めるまで続いていました。11日には「一時停戦」が成立したとはいわれたものの、実際には激しい戦闘が行われていました。そんな中、オーストラリア人女性ドナ・マルハーンさんは、4月13日に3人の外国人同行者と共に、戦火の中、救援活動のためバグダッドからファルージャに向かいました。その帰り道、ファルージャ郊外で地元ムジャヒディンに20数時間拘束されました。その顛末を、8本のメールにしたためたマルハーンさんの文章を紹介します。本稿は、その2本目です。戦争とはどんなものなのかを知る手がかりになればと思います。

     翻訳 TUP/福永克紀 (翻訳・再配布了承済み)

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ファルージャ2:声なき犠牲者/うるさい一時停戦

ドナ・マルハーン
2004年4月22日
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 診療所に戻った私たちは、今起こったこと――もし私の両手に擦り傷と出血が残っていなければ到底信じられないことに戸惑いながらも、救急車から荷物を降ろした。

 それでも日没までの数時間、そこにいる人たちの手助けをしようとして数時間を過ごした。土地の人からは好奇心たっぷりの目で見られることもあったが、その反応は暖かく親しげだった。

 そこで何をしているのかと聞くので説明すると、たちまち顔に笑みがあふれ、穏やかに「シュクラン」(ありがとう)と返ってくる。これが、何にもまして私たちがやるべきことの大半だと思う――孤立し痛みを味わっている人にただ単に連帯を示すこと。ひとりじゃないって、だれかが気遣ってるって伝えること。

 援助物資を届けることもそのひとつ、でも平和と友好のメッセージを送るのもやっぱり大切なこと。

 その日の午後、診療所の外の歩道で戦争の一番悲しい一面を見た。10歳ぐらいの小さな少年だった。いつも負傷者や死人を運んでくるバンから、彼が飛び出してきたのである。心を乱すのはその子が負傷していたことではなく、その反対だ――その子がバンを運転して負傷者を連れてきたのである! 彼は負傷者たちをおろし、医者や周りの者に事情を報告し、あれこれと指示を与えながらカラシニコフ自動小銃を手に持ち、まるでクリケットのバットのように何気なくあつかっていた。しかし、それは銃なのであって、クリケットのバットではないのである。でも本当はクリケットのバットじゃなきゃいけないと思わずにはいられなかった。首にスカーフを巻き、強靭な顔つきと自信あふれるその態度から、この子は経験豊かな兵士なのだと分かる。ビー球のかわりに弾丸で遊ぶこの小さな少年、今や小さな「ムジャヒディン」のことを思うと心が沈んだ。住民によると、射撃の腕はいいそうだ。

 さらに悪いものを見た。おさげ髪で、ピンクのシャツに水玉のスカーフの、やはりカラシニコフを振りかざす10歳ぐらいの小さなかわいい女の子。その銃はその子の背丈ほどもあるものの、難なくあやつっていて、以前にも何回もあつかっていたことがあるのは間違いなかった。実際には使っていないことを願った――ここの絶望的な人たちに団結の証としてポーズを取っているのだと思いたかった。家では人形で遊んでいることを願った。爆撃で負傷しようが殺されようがトラウマを受けようが、それとも成長前に兵士にさせられようが、いつでも子供たちこそが戦争の声なき犠牲者なのである。

 ファルージャに夜がおとずれると、無人の通りに反響する散発的な銃声が、無気味な静けさを破るだけである。

 しかし、おそくなるといわゆる「一時停戦」から交戦に変わってしまい、夜の半分も寝られなかった。

 私たちはモスクの導師の家に泊めてもらっていた。マットレスに寝転んでその日のことを報告しあい、明日の予定を決めた頃には眠りに落ちていた。

 最初は夢かと思った――間違いない、前の庭から迫撃弾が撃たれている、いや実は窓のすぐ外からだ、大きくて深い音、「ドーン、ドーン、ドーン」と響く。毎回お腹にこたえる。醜い音だ。身が縮み上がる。

 それは長く続いた。ロケット砲の打ち合い:まるでボクサーの打ち合いのように地上から空中へ、空中から地上へと。午前3時頃には、モスクもこの騒音に参加してみんなを勇気づける祈祷をと拡声器から呼びかけた。それで耳について離れない導師の歌声と絡み合った爆弾と迫撃砲の音とで、去年の戦争の時に感じたことと同じことを感じた。「この人たちにとって、戦争が終わったなんてとてもいえないようだ」そう考えた。



 爆撃はその後1時間ほど続いた。神よ、一時停戦中は眠りにくいものです。

巡礼者より

ドナ

追伸:
 先週あたりから「The Pilgrim」メーリングリストへの参加者が増えてきました。過去5箇月(それ以前も)私がイラクから書き送った話を読みたい方は、www.groups.yahoo.com/group/thepilgrim でどうぞ。


 次回はファルージャの写真がもっと。

追追追伸:「
 すべての銃の鋳造も、すべての戦艦の進水も、すべてのロケットの発射も、最終的にその意味するところは、食べられもせず飢えている人々や、着るものもなく凍えている人々からの盗みでしかない」 
アイゼンハワー大統領

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原文 http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/76

同行者のジョー・ワイルディングのファルージャ報告
原文 http://www.wildfirejo.org.uk/feature/display/115/index.php
訳文 http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/iraq0404i.html





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最終更新日  2004年09月15日 01時13分44秒
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