2004年04月30日
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 盛大な食事と、十分なお茶と、それからベスには薬が運ばれてきた。時がたつにつれ窓のないこの部屋は、暑くなりムンムンしてきた。

 立ち上がって車に移動せよと言われたときは、みんなほっとした。私たちは別の家に連れて行かれようとしていた。もう暗くなっていて、ファルージャの町の通りを抜けるとき、星がいっぱいの空を何度か目にした。それは驚くほどみごとだった。

 着いた家に入る前、できるだけ空を眺めていたくて、ゆっくりゆっくりと歩いた。私の先生から教わった大好きな言葉を想いながら、心の中で微笑んだ。

「明日のことを心配するな。明日のことは、明日が心配してくれる。」と言うのだ。

「野のユリや、空の生き物のことを考えなさい…」

 言葉を変えれば、不安なときには、美しいものを見つめるのです。自然の驚異によく思いを凝らしなさい。

 その夜、彼が私に見つめるべき星空の美を与えてくれたのであり、そのことに私は感謝した。

 今度の新しい家では、女たちは同じ部屋に入れられたがデービッドだけは別だった。1時間ほどしてドアにノックがあった。男がメッセージを持ってきた。「あなた方は明日解放されてバグダッドに連れて行かれる

「そこまであなた方を連れて行くのに、誰かを手配しないといけない」と彼は言った。「道は危険で誘拐されるかもしれない」



 彼がドアを閉めたとき、ほかのみんなは歓声を上げ、それから全員で抱き合った。私は、いずれにせよ明日には解放されるだろうと思っていたものの、こうして確証をもらうのはありがたいことだった。

 夜明けの最初の祈りのあと出発する、と彼は告げた。夕食が出され、お茶とビスケットもさらに来た。私たちはドアを閉ざされた部屋の中で、その日のことをたくさん話し合い、デービッドのことを案じた。全員銃を抱えた男たちと一人だけで一緒にいるのは楽ではないだろう。デービッドもあとで、自分は男たちに殺されるのではないか、これが「最後の晩餐」になるのかと思っていたと語った。

 その夜は眠りづらかった。たんに暑さや、がたがたいう扇風機や、異様な環境のせいばかりではなかった。あたり一面で何時間も続いた爆撃が激しかったからだ。大きな爆音に家が揺れた。私は、その夜の半ばを、胃を締めつけられて過ごした。

 朝になって、前夜のことを話し合っていると、奇妙な爆音が聞こえたね、と皆が言った。私たちの経験では、それはクラスター爆弾の音のようだった。この爆弾は、大きな爆音で着弾し、ぐるぐると回るような音をあげ、一連の爆発音とともに子爆弾が拡散して、イラクの子供たちが拾い上げて遊ぶのを待ち受ける。

 クラスター爆弾のおかげで、何百人ものイラクの子供が腕や脚を吹き飛ばされた。子供らが草原に転がるこの爆弾を見たとき、子供らの興味を引くように色と形がデザインされている。この爆弾は悪魔の怪奇爆弾である。ただ人類を殺し、不具にするためにだけの設計になっている。

 もし私たちが聞いたのがクラスター爆弾なら、ファルージャの戦闘がいつ終わろうとも、1、2年あるいはそれ以上、罪もない人々を殺しつづけることになるのは間違いない。

 もう夜明けはとっくに過ぎていたので、私はバグダッドへの旅は本当に始まるのだろうかと密かに訝っていた。

 ついにドアにノックがあり、急ぐようにと言われた。私たちは荷物を持って2台の車に乗せられた。私の車を運転したのはイスラム教の導師、後ろの車はその友人だった。

 ファルージャ郊外の道に近づくと、何百台もの車が並んで列を作っていて、まったく動いていなかった。私たちの心は沈んだ。アクラはパニックになった。もう一晩、留め置かれるのだろうか?

 車の間を縫うようにして行列の先頭まで行ってみた。そこにいた人たちの説明では、アメリカ軍が道路を封鎖していてだれも通さないというのだ。1台が道路を進もうとしたら撃ってきたというのだ。

 ひとりの女性が、子どもたちをぎっしり乗せた自分の車を指し示して、言った「子どもたちを、殺されないうちに避難させたいんですよ。どうして通してくれないの?」



 私には、安全圏に逃げようとする人々を米軍が通さないなんて信じがたいことだった。

「なんとかしてもらえますか?」と、私たちは聞かれた。

 私たちは顔を見合わせ、先日と同じ冒険をまたしなければならないと覚悟を決めた。車を降りて身支度を整えた。車の群と兵士たちの間には、長い空っぽの道が無人地帯のように伸びていた。私たちは手を上げ、拡声器を握り締め、兵士たちがいるコンクリートとレザーワイヤーの場所に向かって、無人地帯となった人のいない道を歩き始めた(訳者註:レザーワイヤー:剃刀状の四角い小鉄片のついた鉄条網)

 パスポートについている血を見て、私はこの前のときのことを思い出した。今回はもっといい結果になればと私たちは願った。

あなたの巡礼者より



追伸:
つづく。

追追伸:
バグダッドからのグッドニュース、聞きたい?? 次は新プロジェクトの報告、それに写真。今、強力に進めています、たくさんの幸せそうな子供たち!!!

追追追伸:
過去の話は http://groups.yahoo.com/group/thepilgrim でね。

追追追追伸:
「親切心を示すのに、本当に国境となるようなものはない」――友人、ニルシ

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

原文 http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/82






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最終更新日  2004年09月15日 01時27分43秒
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