2004年10月14日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類




 劣化ウランの危険性について何のためらいもなく「人体には影響がない」と言い切る米軍の体質は、劣化ウラン以外の放射性同位元素についても「首尾一貫」しているようだ。
 核実験で世界中にストロンチウム90やセシウム137をばらまき続けた国として、そしていまでも大量の核兵器を保有し続けている国として、いまさら「核分裂生成物=フォールアウトは危険だ」と間違っても言えないのであろう。
 しかし現実はそうではない。ストロンチウム90は極めて危険な放射性物質であることは「常識」であるし、その影響を大なり小なり潜在的に世界中の人々は受けている。
 そして今もまた、沖縄の人々の頭上に核分裂生成物=フォールアウトであるストロンチウム90が降り注いだ。いつまで沖縄を破壊し続けるつもりなのか。そして日本政府はいつまでそれに荷担し続けるのか。問われているのは沖縄の外に住む私たちなのだ。
                        TUPメンバー/山崎久隆



沖縄ヘリ墜落事故と放射性物質汚染






 悲劇の墜落事故


 2004年6月30日、一つの追悼会が沖縄県石川市の宮森小学校で開かれました。
 44年前、この宮森小学校に米軍戦闘機F100Dが墜落し、児童11名、教師2名、住民4名が死亡、付近の住民など121人が重軽傷を負う大事件が起きました。その日の記憶を継承し、基地も戦争もない世の中を願っての、平和と追悼の集いでした。

宮森小学校公式ホームページ
http://www6.ocn.ne.jp/~miyamori/
宮森小学校ジェット機墜落事件1959/6/30当時の宮森小学校4年1組の担任・新里律子先生のお話が収録された「シンさんの辺野古日記」
http://diary5.cgiboy.com/2/henokonikki/index.cgi?y=2004&m=8
宮森小学校事件と今回のヘリ事故を比較した琉球朝日放送の特集番組
「検証 動かぬ基地17 “宮森事故”から変らぬ現実」ストリーミングもある
http://www.qab.jp/01nw/04-09-01/index5.html


 その中心に位置するのが、宜野湾市の4分の1を占拠している海兵隊普天間基地と、嘉手納町のほとんどを呑み込んでいる空軍嘉手納基地と嘉手納弾薬庫地区です。
 5月21日に嘉手納町の幼稚園と小学校で、ある「避難訓練」が行われました。対象範囲は「嘉手納基地から300メートル以内」。これは米軍機墜落事故に備えての訓練でした。このような訓練を行っている学校は、日本中を探しても沖縄にしかないと思います。基地から300メートル以内に幼稚園や小学校が存在すること自体が異常事態なのです。

沖縄の米軍基地
http://www.asahi-net.or.jp/~lk5k-oosm/base.html
避難訓練を伝える琉球新報の記事

避難訓練を伝える沖縄タイムスの記事
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200405211700.html


普天間のヘリ墜落


 軍用機墜落の「恐れ」が現実になったのは8月13日でした。午後2時15分頃、普天間基地所属の米海兵隊CH-53Dヘリコプター・シースタリオンが普天間基地に近い沖縄国際大学本館に衝突、墜落炎上するという事件が起きたのです。
 周辺住民への人的被害は、奇跡的にありませんでしたが、米軍は墜落をまるで予見していたかのように、数分で現場に到着し、墜落現場一帯を包囲し、周辺住民はもちろん、当事者の大学関係者、マスコミ、警察までも排除してしまいました。周囲の道路は全面封鎖され、取材していた報道機関のカメラや取材テープまで取り上げようという勢いで、まぎれもなく戒厳令状態に置いたのです。
 そう、明らかにこの場面では日本に主権は無かったのです。
 そうやって完全に現場を封鎖して何をしていたのか。現場を取材していたメディアは異様な光景を目にすることとなります。
 オレンジ色の警戒色の全身防護服と空気呼吸器付きの全面マスクをした兵士が、墜落現場を調査し、一部の部品に液体状の物質をかけたり、表土をはぎ取ったりしていたというのです。このときに使われていた装置はサーベイメーター(放射線測定器)すなわちこの機体には間違いなく放射性物質が搭載されていたのです。
 このシーンは「DAYS JAPAN10月号」にも大きく掲載されています。

琉球朝日放送「ステーションQ」より
http://www.qab.co.jp/01nw/04-08-13/index4.html
琉球朝日放送「緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-1-」
http://www.qab.co.jp/01nw/04-08-16/index3.html
琉球朝日放送「緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-2-」
http://www.qab.co.jp/01nw/04-08-16/index4.html


搭載物は劣化ウラン?


 まず疑われたのが「劣化ウラン弾」でした。海兵隊も劣化ウラン弾を装備しており、沖縄には劣化ウラン弾が貯蔵されていることは公然の事実です。海兵隊がイラクで劣化ウラン弾を使っていることも明らかになっており、沖縄から輸送しているのではないかという疑いももっともな話でした。
 また、ヘリに通常使用されていると考えられる、バランスを取るための錘や回転部分の慣性力を高めるための「ウエイト」として使用されている劣化ウランも疑われました。
 後に米軍は劣化ウラン弾搭載の疑いを否定し、バランス・ウエイトとしては同じく比重が大きいタングステンを使っていると答えていますが、米軍はこれまでにも一貫して「劣化ウランの存在を否定も肯定もしない」という態度を取ってきたことからも、事実関係が解明されたとは言い難いのです。
 劣化ウランについては「疑い」の段階ですが、確実に搭載されたことが判明し、防護服の意味が明らかになったのが、放射性物質「ストロンチウム90」です。
 ストロンチウム90をタバコのフィルター程度の大きさの容器に封入し、凍結防止装置などの部品として使っていたものが合計6個搭載されており、回収作業を行った結果、そのうち1個が行方不明となっているというのです。

軍事アナリストの神浦元彰さんのホームページ「日本軍事情報センター」
http://www.kamiura.com/new.html
ヘリ事故の写真と解説のあるページ
http://www.kamiura.com/new8_2k4.html

沖縄国際大学のヘリ事故ページ
http://www.okiu.ac.jp/urgent.html
放射能汚染調査をしている米軍
http://www.okiu.ac.jp/a004.jpg


ストロンチウム90


 ストロンチウム90とは半減期約28.8年の金属元素で、融点は摂氏777度、沸点は1382度、通常の火災程度でも十分揮発してしまいます。
 ベータ線を出しながらイットリウム90という物質に変わりますが、このイットリウム90も放射性物質で半減期は64.1時間、同じくベータ線を出して安定元素であるジルコニウム90に変わります。
 ベータ線の正体は電子ですから、強い電離作用があります。ベータ線に照射された分子が電離すなわちイオン化することで、様々な化学変化を誘発させます。染色体でそれが起きれば、染色体を切断することで発ガンなどにつながる異常を引き起こします。
 ストロンチウム90が体内に取り込まれると、カルシウムと置き換わる性質があります。そのためチェルノブイリ原発事故や世界中で行われた核実験の際に放出されたストロンチウム90は、多くの人々に骨ガン、白血病などを引き起こしたと推定されています。
 そういう物質が、米軍発表で「500マイクロキュリー」放出されたのです。回収されなかった放射線源1個は、炎上した時に蒸発し環境中に拡散したのです。

琉球新報ヘリ事故特集ページ
http://www.ryukyushimpo.co.jp/cgi-bin/helicrash/index.cgi
このうちストロンチウム90を積んでいたことを報ずる琉球新報記事
http://www.ryukyushimpo.co.jp/cgi-bin/helicrash/index.cgi/news/20040904t02.htm
ストロンチウム90を積んでいたことに関する米国大使館の説明
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20040903-61.html


「500マイクロキュリー」にはどんな意味があるか


 米軍発表で「500マイクロキュリー」は、現在の放射線の単位(SI国際単位系)では1850万ベクレルに相当します。これは別の言い方をすれば「18.5メガベクレル」になります。
 同じ程度のストロンチウム90は、どの程度の危険性があるかを端的に示すデータが公表されています。
 オランダで2001年7月3日に発生した「遮蔽されていないストロンチウム90放射線源が廃品置き場でみつかる」という事件の報告書から引用すると、「放射線源は16プラスマイナス1 メガベクレルのストロンチウム90線源であると判明した。(中略)50センチメートル離れたところでのベータ線量は350マイクロシーベルト/時であった。」「1センチメートルの距離で1シーベルト/時という近傍での高被曝線量のため、本事象では(国際評価尺度)INESレベル2とされた。本放射線源はたとえば、ポケットに入れたような場合、数時間内に火傷を起こす可能性がある」(括弧書きと単位のカナ表記は筆者により変更しました)
 沖縄の放射線源とほぼ同じ線量を持つ、米軍の言う「低レベルの放射線」源の実態はこういうものなのです。
 この線源がまとまって存在せず火災とともに蒸発拡散したことから、一人当たりの被曝線量が少ないと思われるから「レントゲン検査の時に浴びる放射線よりも少ない」などという表現をしているのだと考えられますが、この説明自体がウソです。レントゲン検査で「火傷を負う」人はいませんし、ストロンチウム90の怖さは外部からのベータ線皮膚表面被曝だけではなく、体内に取り込まれることによる内部被曝も、なのです。
 日本の国内法では、これだけの放射線量を有するストロンチウム90は厳しい管理を要求されます。電離放射線障害防止規則、労働安全衛生法などで、3.7キロベクレル以上のストロンチウム90は厳しく管理し、事故の際も放射線管理区域外への拡散を防止する必要がるのです。今回の事故では、その数千倍が放出されたのです。また、放射性物質を扱う資格を有する労働者でも、15ミリシーベルト以上の被曝の危険性があれば退避しなければなりません。
 つまり「500マイクロキュリー」の放射線源とは、日本の国内法からも、現場を立ち入り禁止にした状態で汚染調査を行い、汚染が見つかれば表土をはぎ取り、葉などに付着していることを考慮して周辺樹木を伐採、隔離処分にするなどし、汚染拡散を防止する措置を緊急に行う必要があります。また、風下を中心に周辺住民の避難を行うべき性質のものです。
 米軍はそれに似たことをしました。しかし住民はもちろん、日本政府、沖縄県、宜野湾市に対してさえ一切現場での状況説明はもちろん、放射線源の種類、量、拡散可能性についても事実を隠して行動したのです。これでは全く「似て非なる行為」です。

原子力安全基盤機構によるトラブル情報より「しゃへいされていないストロンチウム-90放射線源が廃品置場でみつかる」
http://www2.jnes.go.jp/atom-db/jp/trouble/break/f_info/2001/kj010010.html

(財)原子力安全研究協会の「緊急被ばく医療情報ネットワーク」より「表面汚染の法令上の意味合いと緊急時における適用」について
http://www.remnet.jp/newsletter/01/column.html






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年10月15日 23時38分08秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Sheel

Sheel

コメント新着

王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
チリチリ@ 次は庭で全裸予定w <small> <a href="http://kuri.backblac…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
ダル伊藤@ ズ ル ム ケ自慢の奴涙目w 包.茎の方がピストンしてる時に、皮がこ…
ディック橋本@ ギリ3人です(笑) <small> <a href="http://iikoto.chorie…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: