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2007年03月22日
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テーマ: お勧めの本(7418)
カテゴリ: カテゴリ未分類
カニグズバーグ ティーパーティーの謎 

6年生のノア、ナディア、イーサン、ジュリアンは大の仲よし。複雑な家庭の事情をかかえている子どもたちの生活を描きながら、どうやって4人が親友になったのか、その謎を語る。カニズバーグ2度目のニューベリー賞受賞作品。



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最終更新日  2007年03月23日 00時46分23秒


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4人の子どもの話と1人の大人の話が、それぞれ色の違う糸のようにからまって、ついには美しいタペストリーを織り上げていく,,という構成の物語。4つの短篇小説といってもいいようなプロットが、最後に一つのうねりに収束していく。「モーツァルトの交響曲」のごとくに。(あとがきに著者が音楽に影響を受けたことが記述)

●ノアのはなし ~センチュリー・ビレッジへの旅~

自分の祖父母の家に泊まりに行き、そこは年寄り向けテーマパークのような場所だった。 そして、祖父母の友人の結婚式を、皆で開くとことになりノアは、大いに奮闘?する。はじめは渋々そうだが、準備に否応なく引きずり込まれていて、最後はパーティーで、結構いい感じだし、いい拍手を貰ってましたね。

この結婚式の新郎イジーは、ナディアのおじいちゃん。新婦マーガレットは、イーサンのおばあちゃん。

●ナディアのはなし ~サルガッソー海への旅

両親が離婚、祖父が再婚。夏休み、父の元ですごしにフロリダにやって来た。父と娘はギクシャク。近くに住む再婚したばかりの祖父とマーガレットが一緒に過ごそうと誘ってくれる。 サルガッソー海とは、浜辺で産卵するカメの保護に関する海。 ナディアが、旅を終えるのに、カメがけっこう 利いてます。

●イーサンのはなし ~スクールバスでの旅

イーサンは、学期のはじめ、スクールバスの一番うしろの二人がけに ひとりで座りたがっている。周りと距離を置きたがる?そこへジュリアンが転校してきて、イーサンと仲良くしたいようなのだが、イーサンはそれに気づかないフリをする。。やがてジュリアンが、学年内でからかわれるようになる。


●ジュリアンのはなし ~船暮らしからスクールバス

これは最後に、シンさん(ジュリアンの父で客船のシェフだった)がオリンスキー先生と話し合う中で出てくることで、とっても良いはなしだと思います。



本作は、翻訳に問題ありとされた作品数点のうちのひとつだそうですね。
昔、愛読書 <ローラ・インガルス>シリーズ の、岩波文庫版「長い冬」などの、《ローラの物語後半》5冊が、そうでした。翻訳文があまりにも、それまでの福音館版と違いました。ひどい田舎者のような会話を交わしているローラ一家に、はじめて読んだときは、悲しい思いをした覚えがありますね~。でも、その頃は翻訳が粗いとか、粗雑とか、思いつきませんでしたね。こどもでしたから、そして、ローラの成長していく話がすきだったから、どうしても彼女の人生を読みたかったし、何度も追体験したかった。田舎臭い言葉つかいに我慢して何度も読んでいましたよ。書店が違うとこんなに翻訳も違う、翻訳が違うと、話自体がガラッと違ってしまうのだということを、あの頃に 学んだのですね~。それに、田舎弁にも、味が感じられた?いや、、でも、ローラのかあさんは いつも娘達に淑女としてのマナーを厳しくしつけていたし、たとえ場所が草原で、周りは動物だけでも、白いクロスで食事をする、、なんていうこだわりの”かあさん”が ”かあちゃん”と呼ばれることは耐えられないことでした。 頭のなかで、”かあさん”と、文章を美しいものに置き換えて読んでた時期もありましたよ。

あの頃身につけたテク、翻訳文の拙さを流して、本筋のおもしろさ、本筋の放つオーラだけを掴みとる、という技、今も生きているようです。
(こんな読み方はよくないのかもしれないですが。日本人なんだから”言の葉”コトノハを大切にしないといけないですよね。。)


、、というようなことで、この『ティーパーティーの謎』は、翻訳は拙いのだろうけど、けっこう おもしろく読めました。のちに刊行されている『カニングズバーグ作品集』では、改訳がされていますね。


イーサンのジュリアンを避ける心理が面白かった。好意を示してくる相手をなんとなくうざく?感じるというこの微妙さ。それでいて、ジュリアンが苦境に立つと手を差し伸べずにいられない。さらに、ジュリアンが仲間を手繰り寄せる苦肉の策(笑)。こんな風にされたら、自分もティーパーティーにいきたくなるよね~、とおもいました。対照的なハム少年。一見、教師の目を惹く資質をもっている。友達も多く、リーダーシップもあり、で、言うなればガキ大将タイプ、分かり易い元気な男の子。「博学競技大会」のメンバーに入れようか、どうか先生が悩む。しかし、結局、カニグスバーグは、この手のタイプの子には冷たい処遇をくだしちゃってます。「魔女のジェニファーとわたし」でも、かわいらしいけど大人の前でだけいい顔をする女の子を バッサリ。表面はなんの問題も無さそうな子は、ストーリには関係ない。心に葛藤を抱えそこから抜け出そう、何か掴もうとするこどもの、心の動きが生き生き描かれてました。人と人との真に出会うこと、自分の居場所と感じれること、そこに関わる素敵な大人、。 S・キングの「スタンド・バイ・ミー」やマキャモンの「少年時代」のようなFT系ではない、現実のこどものこころの旅。


カニグスバーグ作品に必ず登場する 内的基準を達成している大人は今回、身障者の先生ではなく、ジュリアンの父、シンさんだそうです。彼の言動や佇まいを読むと、デンゼル・ワシントンがモーガン・フリーマンを思い浮かべます。そう、ジュリアンは黒人少年です。民族の多様性、マイノリティのハンディを持ちつつ、彼はこのグループの求心力。

「博学競技大会」は、ようするに「全国高校生クイズ選手権」のようなノリ?でしょうね。



カニグスバーグ 本.GIF
岩波少年文庫6作品
『クローディアの秘密』
『ティーパーティの謎』
『エリコの丘から』『800番への旅』
『魔女ジェニファとわたし』
『ベーグル・チームの作戦 』

*内、数作品は邦訳問題で、改訂されているようです。



単行本として、下のように、一冊2000程の作品も出ています。





  本体 26,600円 岩波書店

カニグズバーグ作品集 全巻画像1 クローディアの秘密 ほんとうはひとつの話
2 魔女ジェニファとわたし ベーグル・チームの作戦
3 ぼくと〈ジョージ〉 ドラゴンをさがせ
4 誇り高き王妃 ジョコンダ夫人の肖像
5 なぞの娘キャロライン 800番への旅
6 エリコの丘から
7 Tバック戦争 影-小さな5つの話
8 ティーパーティーの謎
9 13歳の沈黙
別巻 トーク・トーク


/ カニグズバーグ作品









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