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2011年01月11日
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何もかかれていない空白の本?
オックスフォードの図書館で少年ブレークは不思議な古書を発見する。やがて浮かび上がる謎掛の詩、迫り来る追跡者。一方、15世紀のドイツでは、印刷機の発明家グーテンベルクの元で修行する少年縁デュミオンが旅に出た。全世界を支配できるその本を守る為。
時空を超えたファンタジー。『エンデュミオン・スプリング』改題。

【あとがきより】

 黄金時代といわれる児童文学界にまたまたすばらしい新星が現われました。この『エンデュミオンと叡智の書』をひっさげて鳴り物入りでデビューした、イギリスの作家マシュー・スケルトンです。
 話題の新人マシュー・スケルトンは、まるで現代のおとぎばなしのようなデビューをしました。イギリスのオックスフォードで無一文に近い暮らしをしながら、この作品の原型となるものを書き上げました。

 中世の物語の舞台となるのは、十五世紀のドイツのマインツです。マインツはドイツ中西部、ライン川とマイン川の合流点にある河川交通の要所の港市で、グーテンベルクの生誕地として知られ、ヨハン・グーテンベルクは勿論フストもシェーファーも実在の人物で、史実に基づいて描かれてます。

”ルネサンスの三大発明”は、火薬、羅針盤、活版印刷術(金属活版印刷) と言われますが、グーテンベルクはそのひとつ、活版印刷の発明者です。その生涯は実は詳しく分かっていないのですが、およそ一四OO年頃マインツに生まれ、一四OO年頃に活版印刷を実用化し、一四五O年代に『四十二行聖書』(『グーテンベルク聖書』と知られ、活版印刷術によってつくられた最初の書物で、世界で最も美しい印刷物と言われています)を印刷し、一四六八年に亡くなっています。グーテンベルク以前は、本と言えば写本で、 ウンベルト・エーコ著『薔薇の名前』 などにも描かれているように写字生がペンで一冊一冊書き写すしかなかったので、十五世紀半ばのヨーロッパには、10万冊たらずの本しかありませんでした。それが活版印刷術の発明により、本が一挙に安価になって普及し、十五世紀末には九百万冊にも達したといわれます、それが知識の一般化を助け、のちの宗教革命などに大きな影響を与えた事はいうまでもありません。

 少年が一冊の本との出会いをきっかけに運命を変えるという小説は、 ミヒャエル・エンデ著『はてしない物語』(映画『ネバーエンディング・ストーリー』)が有名ですが、『はてしない物語』 の場合、主人公の少年は本を通路として別世界へと旅立ちます。そこでの本は <ナルニア国ものがたり> の衣装ダンスと同じく、別世界への入口であり、典型的な通路型ファンタジーです。しかし、『エンデュミオンと叡智の書』はそれとはまた違い、少年は現実世界にとどまりながら、非日常的で不思議な体験を重ねます。たとえば、無欲でピュアなブレークにしか見えない、空白の本に浮かび上がる暗号のような例的な言葉。空白の本を手に入れようと迫りくくる邪悪な影。 J・R・R・トールキン著<指輪物語>(映画『ロード・オブ・ザ・リング』) の世界を統べる指輪にも匹敵するような、強大な力を秘めた一冊の空白の本が、過去と言う別世界と、ブレークのいる現実世界を緊密に結びつけていくのです。

 作者のマシュー・スケルトンは、一九七一年にイギリスのサウサンプトンで生まれましたが、四歳のときにカナダに引越し、子供時代のほとんどをアルバータ州エドモントンですごしました。アルバータ大学の英文科を卒業後、一九九六年、二十五歳の時にオックスフォードにやってきて、二OOO年に、オックスフォード大学のサマービル学寮で、H・G・ウェルズの出版史の研究中に児童文学を何冊か読んだ時に、自分が本当にやりたいことは小説を書くことだと思い出したためだといいます。とりわけ、同じオックスフォード出身のフィリップ・プルマンの <ライラの冒険>シリーズ 『神秘の短剣』 に大きな刺激を受けたそうです。そしてある日、この『エデュミオンと叡智の書』のラストシーンを夢に見たのですが、それが、創作のヒントになりました。オックスフォードで埃を払う仕事をしたあと、ドイツのマインツ大学でジョシュとして働きながら、『エデュミオンと叡智の書』を書き始めましたが、途中で行きづまり、一年ほどブランクがありました。オックスフォードにもどると、大学関係の仕事を探しましたが採用されず、主人公のブレークのために作品を書き終えるほかなくなり、自身がないながらもそれを出版エージェントに送ったというのが、冒頭のエピソードです。


【感想】

不思議な本が、物語の核となる。
国内外で、こういうのいろいろありますよね。 『風の影』カルロス・ルイス・サフォン 『英雄の書』宮部みゆき とか 『魔法の声』コーネリア・フンケ とか。。

あとがきを読んで、活版印刷を発明したのが登場人物のグーテンベルクという人物だったことや、この発明で本が世界に広く活用されるようになり、きっと人類の知識が、ぐーんと広まったんだろうというのがわかりました。今こんなに気楽に本を楽しめる時代がきたのも、この発明のおかげと思うと、ありがたやありがたや・・・と思います。

それにしても、あとがきに、児童文学の大御所たちの作品名がズラリ。
そんなに、この本は凄いのか?


フストは、一緒に旅に来れば娘との結婚を認めるなど、好条件を提示してペーターを同行させ、重要な荷持を積んだ重いソリを引かせてます。ボロボロの服に凍えるペーター。
場面が転じ、グーテンベルクと口のきけない徒弟が、作業場で仕事しているところに、フストとペーターが入ってきます。
てっきり、ペーターが主人公かな~と思っていたのですが、その後はエンデュミオンという本書の題名になっている子が中心にはなしは進みます。
フストがどうしてエンデュミオンに目をつけたのか、ペーターはどうしてフストよりエンデュミオンを助けてくれるようになるのか、フストの娘もまた、父よりエンデュミオンを助けるのは何故なのか。親方のグーテンベルグは、最初のフストの交渉以外は、ほとんど登場無しです。細かい心理は省かれ、噺がどんどん進むのは読みやすく面倒がないのですが、なんとなくものたりなく思いました。そういうのを膨らませると読み応えが出るだろうな、と思いましたが、児童文学だからいいのかな。









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最終更新日  2011年01月11日 20時14分19秒


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