ある内科医の独り言

ある内科医の独り言

PR

プロフィール

どくちる

どくちる

カレンダー

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2006.05.17
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
最近、あちこちの ブログ 当面の医師確保対策(案)について 」だが、卒業を前倒しにするだの、医学部の定員を増やすだの様々な議論が交わされている。また、かの medtoolz先生 はこうした意見の是非はともかく、「どれだけ大きな反響を作ったか」が重要であり、昨今の情報発信技術の進歩に言及されている。

さてさて、ここからは僕の独り言。

医者の数が多いか少ないか、そんなことは現場の人間にはわからないのが本音だ。確かに「もう少し医者がたくさんいればなぁ…」と思う場面は少なくない。しかし、毎年同じ程度の医籍登録者があり、引退する年限も決まっていない訳だから現状では決して医師数が減っているというわけではないだろう。厚生労働省でもこうした 議論 は当然のことながら尽くされているのだが、あくまでも切り口は狭く、本質にはたどり着けていない。

統計的にみれば医師数は決して少なくないらしい。しかし、現場の感覚はとても医師数が多いとは思えない。このギャップはやはり仕事の内容が加味されていないことから生じているものだと思われる。

楽な仕事であれば働く医師数はそれほど必要ないだろう。逆に厳しい仕事であれば今以上に医師数が必要となる。昨今医師不足が叫ばれている背景の一つにはこうした必要以上の激務があるのではないだろうか。医師数を増やすべきなのか、それとも仕事の負担を軽減すべきなのか、いずれにせよ今すぐに解決できる問題とはとても思えない。



さらに、異常とも思える医師への訴追なども一因としてあるのかもしれない。

しかし、その結果必要のない受診者が増えたり、逆に必要な患者さんが受診できなかったりと弊害も起こっていることは事実だろう。「患者さんは素人」だからこちらとしても強くは言えない。でもちょっとした発熱や感冒症状だけで中規模以上の病院を受診しなければならない理由はない。

せっかくこれほどまでに情報発信技術が進歩しているのなら、受診について改めて考えさせる情報がもっとあふれてもいいと思うのだ。

単に数が多い・少ないといった算数的な議論ではなく、その背景にいったい何があるのかをちょっと立ち止まって考えるだけでもずいぶん変わるのではないかと思う。もし不必要な受診のために現場の医療者たちが悲鳴を上げているのなら、負担軽減だけで名実ともに医師数は充足することになると思うのだが…どうだろう?

人気blogランキングへ


http://ranking-blog.net/dr/rl_out.cgi?id=dr011&url=http://ranking-blog.net/dr/html/index.html





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.05.17 11:59:24 コメント(10) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

お気に入りブログ

前向きに生きよう! ちぇりー1121さん
ココロツブヤキ ごまな=manaさん
人間について研究中  セルフケアキネシオロジーさん
スマイル上原の泣き… スマイル上原さん
尾張西クリニック … 尾張西クリニック院長さん
人気整体師の患者へ… タッチフォーヘルス・バランス調整法さん
グリザベラの館 グリザベラ4163さん
お気楽専業主婦~怒… キティ7171さん
ママのひとりごと bouge-tsuさん

コメント新着

坪野和子@ Re:コンサバ(08/13) 海外からの退院証明書の翻訳ボランティア…
一般人@ Re:55歳で医学部受験、その先には……(07/02) その年齢で受かった方が社会にはマイナス…
しろ(人間・♀) @ 電子カルテ はじめまして。 昨日より、私の職場は電…
腰痛アドバイザー@ 腰が痛いのは、辛いですね。 腰が痛いのは辛いものです。 私も14…
医者の娘@ Re:医師過剰は本当なのか(05/17) 私の父も風邪は病気のうちに入らないとい…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: