森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.02.09
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柔順と盲従は大違いです。

20歳の水谷先生が入院中の時、森田先生が、「今ここで三べん回って、わしにおじぎをして見給え」といわれた。女中さんなどみんなが見ている前で、犬のような真似をするのは、いくらなんでも恥ずかしい。しばらくためらったが、私は思い切って、不格好にもぐるぐると三べん回って、先生の前に頭を下げた。

森田先生は苦笑いしていわれた。「それは柔順ではなくて、盲従というものだ。君は、わしが言ったことを取り違えている。柔順な人は、自分の心に対しても柔順なものだ。君はいま、こんなことをするのは恥ずかしい、という気持ちが起こっただろう。それが君の正直な気持ちだ。そして、その正直な気持ちを押しつぶすようにして、ええい、やっつけろ、という気でぐるぐるまわりをしただろう。」
まったく図星で、返す言葉もない。

「こんな場合、ほんとうに柔順な人であったら、困ってもじもじするか、あるいはそいつはどうもとかいって、頭をかくだろう。いくら柔順に実行するといっても、ばかげきったことで、先生の言葉に従う必要はない。」

森田先生は意に沿わないながらも、運命に従って力を尽くすことを境遇に柔順といっておられます。
盲従というのは意に沿わないのを押し殺してしまうことです。押し殺す必要はないのです。むしろ反発して心の中は煮えかえるような気持を持ったまま、運命に従う。これが大事なのです。
これは精神拮抗作用のことを説明しておられます。精神拮抗作用は真ん中ということではありません。どちらか一方に偏ってしまうことがまずいいのです。状況に応じて右へ行ったり左へ行ったりすることがよいのです。





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Last updated  2013.02.10 08:26:52
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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