森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.04
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
神谷美恵子さんという精神科医がいた。
この人は「こころの旅」、「生きがいについて」等の名著を残されている。
一般的には瀬戸内海の小島、長島愛生園でハンセン氏病の患者と向き合われた事がよく知られている。

この人の考え方は森田理論と合致することが多い。
まず生きがいについて。
「生きがいというものは、人間がいきいきと生きていくために、空気と同じようになくてはならないものである。」
生きがいというのは生きがいを感じる心、つまり生きがい感である。
生きている充実感を感じるような生き方が、生きがい感を持って生き生きと生きることになるのである。

生きがいは幸福観とは違うという。おいしいものを食べて、快適な家に住み、欲しいものがそろっているというのは幸福だが、生きがいとは違う。刹那的な感覚的幸せムードとは違う。それを追い求める生活が自分の生きがいだとすると考え違いをしていることになる。


それは、森田でいう「なりきる」ということによって生まれてくる。
お客さんに少しでもおいしいお茶を飲ませてあげたいという気持ちで工夫していけば、いろいろと気のつくことや改善することが浮かんでくる。
そうすれば感じはどんどん高まり、自主的、積極的、奉仕的行動へと変わっていくことになる。そしてそれが生きがいに昇華していくのである。

ハンセン氏病の人を見ていて気がついたことがある。
比較的軽症の人が病気になったことを嘆き悲しみ、生きがいを喪失している。
はたからみて病気の苦しい人ほど、趣味や勉強に没頭して「いきいき」と生活しているという事実だ。たとえば、重症で目も見えない患者さんが、必死で点字の詩を読み、あるいは詩を作り、その姿が実に生き生きとしている。

ある重症の患者さんは、「ここでの生活・・・かえって生きる味に尊厳さがあり、人間の本質に近づき得る。将来・・・人を愛し、己が生命を大切に、ますますなりたい。これは人間の望みだ、目的だ、と思う」

絶体絶命の立場に立った人はもう後がない。
そうなった時に、初めて病気に対しての恨みが消えて、病気を受け入れることができるのであろうか。森田では「背水の陣」などともいう。絶体絶命の境地に追い込まれた時に初めて開き直ることができるのだろうか。
病気を受け入れることができれば、次にありのままの自分を活かして精一杯のことをやってみようという、出発点に立つことができるのではなかろうか。

ある人が素晴らしい生き方をしている。

自分が「生きがい」を持つことによって、人に「生きがい」の芽を与えるのである。
生きがいは求めて得られるものではない。
「生きがい」というものは、身近な日常の務めを誠実に果たし、その生活をじっくり味わうことによって獲得することができるといわれています。





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Last updated  2013.08.04 07:31:55
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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