森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.17
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そのために森田理論では、大きく分けて2つのことを提案しています。

1、不安などの注意をそらす、分散させるということです。新しい実践や行動を起こすことによって、新しい感情が養成されます。古い嫌な感情に上に、新しい感情が積み重ねられますと、古い感情の比重は低下してきます。高い目標や、大きな夢、ライバルをもって競争心を駆り立てて積極的に行動できるようになれば、症状は割合早く軽減されてくるでしょう。森田では精神交互作用の打破と言います。

2、「なりきる」ということです。ここでいう「なりきる」とは、何かに集中するということではありません。不安などを邪魔者扱いしないということです。
例えば平行して走る電車の片方にのって別の電車を見ているとします。二台の電車が同じ速度の時、電車が全く動いていないような錯覚に陥ることがあります。実際には動いているのですが、向かいの電車と同化しているために、動きを感じないのです。
感情も同じように溶け込む、同一化する、反発しない、仲よくするということになれば、あるにはあるが意識化しない状態となります。
実際には感情をよく見て味わう、受け入れる。さらに気に入らない自分も他人もそのままに受け入れる。
理不尽な自然災害などもそのままに受け入れる。ということになりますと、注意が意識化された状態から、無意識化された状態に転化してくるのです。森田では事実に服従して生きるといいます。事実唯真の考え方です。

この二つの方向を森田理論は目指しているのです。それが森田理論に沿った一番安楽な道です。本来の人間の生きる道といってもよいでしょう。
このように森田理論はスッキリしているのですが、実際には注意を無意識化できなくて、反対にますます意識化の方法に向かって苦しみを増している人が多いのです。


反対にプレッシャーや不安をエネルギーに変えることができる人は、プレッシャーや不安を「味方」として認識しています。この対応は正反対です。

入学試験などを受ける時のことを考えてみましょう。ほとんどの人は程度の差はあれ学習を積んで試験に臨んでいます。でも試験前はとても緊張します。合格できるだろうか。1年の成果が一発ででるわけですから気にしない人はいません。全員不安の極致に達しています。

でもプレッシャーや不安を「味方」として認識している人は、試験が始まると開き直ることができます。一心不乱に問題と格闘します。
ところが、プレッシャーや不安を最初から「敵」とみなしている人は、頭が真っ白になり、どこから手をつけようか迷っています。口の中がからから。暗記したことも度忘れ。隣の人の鉛筆の音が気になって仕方ない。そしてあと10分です。と言われたころにまだ半分しかできていない。もう駄目だ。自分のすべてを否定して、パニックに陥ってしまうのです。

またプレッシャーや不安に押しつぶされる人は、失敗するということをとても恐れています。
本来失敗することによって成功の足がかりをつかむものなのに、失敗する自分は許すことができないのです。
失敗を経験しないで成功したいと思うために、目の前に立ちはだかる壁がとてつもなく大きく見えるのです。一度でも失敗すると自分の全存在を否定してかかる人もいるのです。

プレッシャーや不安をエネルギーに変えることができる人は、「失敗は成功するために階段を上っているようなもの」というふうに考えます。小さい失敗を数多く積み重ねると、しだいに成功に近づくとみなします。失敗に学んで成功の足がかりを着実に積み重ねていけるのです。






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Last updated  2013.08.17 07:08:41
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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