森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.02.28
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加島祥造さんは大学で英米文学を教えておられたが、1995年より一人で信州の伊那谷に転居された。そして毎日詩作や墨彩画を行っているという。

どうして冬しんしんと冷え込む寒いところに移り住まれたのだろうか。
加島さんによると、欲望を求め続けると、欲望が暴走してしまうといわれる。
ここでいう欲望とは、お金儲け、物欲、地位、名誉のことだ。
現代人はそれらがパンパンに張った状態を目指している。
それでも飽き足らず、さらに加速して追い求めるようになっている。
欲望が暴走すると歯止めが効かなくなる。
自重したくても、自分の意思でコントロールできない。
鍋に飛び込んだカエルが温泉気分で温まっているうちに、いつの間にか茹で上がって命を失ってしまうようなものだ。


森田理論では人間には「精神拮抗作用」が備わっているという。
欲求や欲望が生まれてくると、それを制御する感情も同時に湧き上がってくる。
それが不安、恐怖、違和感、不快感といったものです。
それらを活用して欲求や欲望の暴走を制御することが肝心であるという。
車のアクセルとブレーキの関係と同じだ。
サーカスの綱渡りのようにバランスを意識することが大切になる。
宇宙の森羅万象をつぶさに観察すると、すべてはバランスの上に成り立っている。人間の心身もバランスをとることで存在が許されている。

欲望が暴走すると、猪突猛進で双極性障害の躁状態に追い込まれる。
なんでも人間の思い通りにコントロールできるかのような錯覚に陥る。
実際はそんなことはない。
もしそう思っているとすれば、人間の思い上がりである。

飛行機が離陸するとき、ある一定の速度に達すると、途中でやり直すことは不可能になるという。そのままの状態で飛び立たないと滑走路を飛び出して大惨事が起きる。人間の欲望の暴走もそれと同じことが起きるということだ。
その結果、人類そのものが延命できなくなる。

加島さんの生き方は、欲望の暴走の危険性を指摘されているのだと思う。
欲望は常に不安を活用して抑止する必要がある。
バランスや調和を意識する必要がある。


加島祥造氏の「求めない」「老子と生きる谷の暮らし」「タオ 老子」などの本を読むとそのことがよく分かる。

私たちもせっかく森田理論で精神拮抗作用のからくりを学習したのですから、これを実生活の場で活用しないといけないと思います。
その方向が人類が延命できる道につながります。
森田理論の考え方は普遍的な考え方です。
世界中の人が学んで実行しなければなりません。





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Last updated  2022.02.28 06:33:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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