森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.04.06
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カテゴリ: 行動のポイント
野村克也氏の話です。

「自分がどんなに苦労してきたか」
「どれほど不遇な人生を送ってきたか」
といったことを強調するばかりで、困難な状況から抜け出すための努力を怠っている人のことを、私たちは「苦労人」とは呼ばない。

大切なのは「苦労すること」ではない。
「苦労を経験したことをきっかけとして、そこから自分が何を感じ、どう考え、どんな行動を起こしたかが問われている」
(凡人の強み 野村克也 KKベストセラーズ 42ページより引用)

自分の不遇な境遇をことさら強調する人は周囲にいくらでもいます。
自分の生まれた国、生まれた時代、生まれた環境、生まれた家、生んでくれた両親、配偶者、生まれてきた子ども、会社の人間関係、神経質性格など嘆き悲しみことはたくさんあります。

グチは行動をにぶらせ、仲間を悩ませるだけである と学びました。グチは言っても仕方がないことを、くどくどと相手に訴えることです。
グチは一時の気休めになっても、言えば言うほど自分がみじめになるだけです。
特に症状についてのグチは、注意や意識を症状に集中することになるので、症状を強化することになってしまう。
また、自分がみじめになるだけではなく、グチを聞かされる相手も、不快になり、やがて、それらの人から敬遠されてしまうことになる。
(森田理論学習の実際 生活の発見会発行 40ページより引用)

毎日グチをこぼしながら生活している人は、事実、現実、現状を非難、否定している人です。そこから生み出されるものは、恨みつらみ、嫌悪感だけです。
「かくあるべし」という観念優先の世界に自分の居場所を置いている人です。

NHKに「逆転人生」というテレビ番組があります。
ここに出てくる人は、最悪の人生を味わった人です。
本来なら人生をあきらめても仕方のないような人が多い。
でもその人たちはその最悪の事実を受けいれている。

それを神様がじっと見ているような感じがします。
そしてその真摯な姿勢に対して復活の手助けをしているように見えます。
「捨てる神あれば拾う神あり」という感じです。

森田理論は人間に備わった観念や理性を否定しているわけではありません。
問題のある事実・現実・現状を否定するために使ってはいけない。

あくまでも事実・現実・現状を最優先に取り扱う必要がある。
あるがままに受け入れる態度が肝心であるということです。
その次に観念や理性を働かせて問題解決に向かうことです。
神経症でのたうち回っている人は、優先順序が逆になっているのです。

私は、苦しいときに現実に真摯に向き合っている人を目にすると涙が出てきます。
感動の涙が自然に流れでます。そしてそれは私の生きる勇気に繋がります。
私もそういう生き方をしたいと思っています。
間違っても「かくあるべし」を持ち出して、自分や他人を非難・否定することだけはしないようにしたい気持ちでいっぱいです。
それは自分にも縁のある人にも不幸の種を振りまくことになるように思います。
現実には難しいことですが、その方向で生きていることが大切なのではないでしょうか。





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Last updated  2022.04.06 17:44:00
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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