森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.03.25
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小林一茶の俳句は芭蕉や蕪村にはない庶民的な味わいがある。

我と来て 遊べや親の ない雀

雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る

名月を とってくれろと 泣く子哉

痩蛙 負けるな一茶 是にあり

春風屋 牛に引かれて 善光寺

やれ打つな 蠅が手を摺り 足をする

やけ土の ほかりほかりや 蚤のみさはぐ

小林一茶の特徴は、普通の人が普段見逃すようなものを捉えていています。
身近にいる小動物などを細かく観察している。
その動物達をこの世をともに生きている友達のように取り扱っている。
川柳のように理想と現実の落差をユーモアというオブラートに包みこんでいる。
小林一茶の世界観はいったいどういうものだったのか興味が湧いてきます。

これらの俳句を味わっていると、つい小林一茶は感性の豊かな人で、善良な目を持ち、小動物にもやさしい心配りを忘れない、多少滑稽な句を作る俳諧師のイメージが湧いてくる。
ところがどっこい事実はかなり違うようである。

小林一茶は1763年信濃国柏原(長野県上水内郡信濃町)で生まれている。

家に居場所がなくなり、父親に説得されて15歳でたまらず江戸に出た。
奉公に出たのだが、奉公先が定まらず転々と放浪している。
その生活ぶりは藤沢周平氏の「一茶」という小説に詳しく紹介されている。

一茶は俳諧師として多少名が売れてからも、その生活は、住む家もなく、米びつに米もなく、豪商・夏目成美の庇護を受け、師匠二六庵竹阿の没後、勝手に「二代目二六庵」を僭称して、その弟子たちの家を訪ね歩き、一宿一飯の世話になったり、路銀を無心するなど、いわば「乞食に毛の生えた」ようなものだったという。

一茶は義理の弟と遺産相続争いにしのぎを削り、悪どいと思われるような手段まで使って、最終的にきちっと遺産の半分を奪取した人だった。
また50歳を過ぎてもらった若妻と、荒淫ともいえる夜夜を過ごす老人であり、句のなかに悪態と自嘲を交互に吐き出さずにはいられない拗ね者の俳人だった。

一茶はある時は欲望をむき出しにして恥じない俗物だった。
貧しくあわれな暮らしもしたが、その貧しさを句の中で誇張してみせ、また自分のみにくさをかばう自己弁護も忘れない、したたかな人間でもあった。

小林一茶は約2万句を残している。
藤沢周平氏は、一茶は慈悲心があるとか、小動物をかわいがる心があるとか言われますが、そうではないと分析されている。
彼はエキセントリックな性格であり、小さなものに執着する風変わりな人物であったと指摘されています。


どんな人でも、人格者と言われる人も、内面には猥雑なもの、醜いもの、汚いもの、好色なもの、意外と稚拙なもの、狡猾なものを持っている。
両面観で見ていかないと、その人を理解したことにならない。
(生活の発見誌 1993年6月号)

「天は二物を与えず」という言葉があるが、長所があれば欠点も備えているのが人間である。
自分を破滅させるような問題行動を抑制して、自分の得意な面を前面に出して生活できれば心穏やかな晩年を迎えることができるように思いますが如何でしょうか。

反対に好奇心が強い、興味や関心の範囲が広い、探究心や分析力が強い面があります。このブログが続いているのはプラスの面が発揮できているのだと思います。
欠点がいくらあっても、プラスの面を発揮して生活できればこのうえない幸せだと思っております。





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Last updated  2025.03.25 06:36:17
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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