森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.16
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森田先生のお話です。

僕は喧嘩はしたことがないから、喧嘩の話はよくできない。
しかし、喧嘩すなわち自分の思うとおりにならぬじれったさから、相手を一挙にやっつけようとする心、その心の態度は、自分にも、平常しばしばあるのを自覚していることです。
僕が昔、柔術やその他の武道をやったのも、みな喧嘩の準備であった。
こちらから進んで喧嘩を仕掛けるのは非常に損であるから、それは決してやったことはないが、もし喧嘩を仕掛けられれば、いつでもこれを辞さないという心構えは今でも常に持っている。
この態度は、相手にも直ちに感ぜられることであるから、相手も決して手を出さない。その結果、すなわち喧嘩は起こらないで平和である。

今日の世界の状態でも、日本の兵力その他の実力が強ければ、他国からの侮りを受けないで平和になる。
兵法の極意の「戦わずして勝つ」というのも、そのことではないかと思う。
今日世界の武力制限問題も、外向的に表面ではこれを承知しながら、内面には武力の充実と士気の緊張とを、決して揺るがせにしてはならない。

実際には、「戦わずして勝つ」の平和でなくてはならない。
(森田全集 第5巻 539ページ)

森田先生は、人間関係のコツはお互いの力のバランスがとれていることだと言われている。
力のバランスが崩れると、支配・被支配の人間関係になる。
支配・被支配の縦の人間関係は極力避ける必要がある。
これはアドラー心理学と同じことです。
アドラーはタテの人間関係をヨコの人間関係に変えていく必要があると言っています。

それ為には力の均衡を意識して努力精進していく必要がある。
まずは1対1の場合、対等の力関係を作り上げる。人間関係の基本である。
相手の考え、欲求、気持ちをよく聞いて、その上で自分の考え、欲求、気持ちを相手に伝える。
次に双方の相違点を確認する。相違点は話し合いによって解決する。


力の強い人は分断工作をしてくるだろうが、安易に白旗をあげてはまずい。
一旦支配・被支配の人間関係に陥ってしまえば、辛い人生が待っている。
そういう意味では対等の人間関係を作り上げて維持するためにはお互いに普段の努力が必要になる。
人間関係作りは、精神的には絶えず緊張の連続である。

但し力の均衡がとれても相手と戦闘状態に入ることは避けなければならない。

戦うことは百害あって一利なしである。
力の均衡がとれてきたら、後は話し合いによって問題解決を図るようにする。
つまり、兵法でいう「戦わずして勝つ」という戦法以上のものはない。
人間関係で躓いている人は、相手の考え、欲求、気持ちを無視してしまう自己中心的な人が多い。
人間関係を改善しようと思ったら、相手には相手の考えや意志があるはずだから、自分の思いどおりに行くはずはないという気持ちを持っておく必要がある。
絶えず妥協点を求めて話し合うという気持ちを持って相手と付き合えば、雨降って地が固まる。





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Last updated  2025.05.16 06:24:56
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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