森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.06.07
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帚木蓬生氏が、「タイム」誌に紹介された興味深い話を紹介されている。
それは、親は普通ですが、生まれた子供がすべてそれぞれの道で大成功をおさめている9家族の分析記事です。

1、ほとんど他国からの移民でした。
移住者はそれだけで、本国人に比べてすべての面でハンディキャップを負います。
しかしこのハンディが、子供たちに負けてなるものかという向上心と忍耐強さを与えていました。

2、両親は子供の小さい頃、教育熱心でした。
0歳から5歳までの学校教育以前の早い時期に、子供たちにさまざまなことを学ばせていました。
つまり学ぶ心を、就学以前に植えつけていた。

3、親が社会活動家であり、世の中をよりよく変えていくための運動をしていました。

いわばこうして自分を取り巻く世界の理解を深めたのです。

4、家庭の中が決して平穏ではなく、両親の言い争い、兄弟喧嘩と無縁ではなかった点です。
といっても両親の争いは決して暴力沙汰ではなく、社会の見方の違いからの意見の突合せのようなものです。
不登校や万引、喫煙、殴り合いの喧嘩も、子供たちは10代の頃経験しています。
移民の子としていじめられた子供もいますが、これが却って「なにくそ」という精神力を培っていました。

5、子供時代に人の死を何度も見て、生きていることの貴重さを学んでいる点です。
人の死を知ることは、自分の人生の限界を知ることに直結します。
だからこそ、生きているうちに自らのやりたいことを成し遂げる馬力も生まれてくるのでしょう。

6、丁寧な幼児教育のあとの、放任主義です。すべての子供が、何をしても許されたといいます。
すべてを自分自身の責任に任せられると、逆に子供は野放図なことはできません。
「お前たちは、他人のゴールには絶対たどり着けない。お前がテープを切れるのはお前のゴールだけだ」と言われたのです。


親が敷いたレールに子供を乗せ、猛スピードで後ろから押して行く方法とは好対照です。
(ネガティブ・ケイパビリティ 帚木蓬生 朝日新聞出版 197ページ)

この話を聞いて、子供の成長にとって、さまざまな雑多な社会体験が欠かせないと思いました。
それは良い体験だけではなく、不都合な体験や逃げ出したくなるような体験、目をそむけたくなるような体験を含めてです。
その事実を素直に認めて、受け入れるようにする。


そのためには親はできるだけ子どもたちに寄り添い、さまざまな経験をさせてあげることが肝心です。
その時にモンテッソーリ教育が大いに参考になると思います。
モンテッソーリ教育は森田先生も大いに評価されています。
モンテッソーリ教育では、子どもの成長過程には「敏感期」があるという。
「敏感期」とは、人間が成長する過程でさまざまな技術や能力を身につけますが、習得できる期間は一時期に限られていて、その時期を逸してしまうとあとから身に着けようとしても難しくなるということです。

子育てというのは、誰でもぶっつけ本番です。
しかも自分の人生観が確立していない時に取り組むことが多い。
最近は夫婦だけで子育てをしている場合がほとんどです。
同じ子育てをしている者同士が子育ての勉強会などに参加して、情報交換をして助け合うことが大事になってくると思います。
集談会という自助組織がその受け皿となればよいと思っております。





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Last updated  2025.06.07 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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