森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.30
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野村克也氏のお話です。

投手がいかにいいストレートを持っていても、ストレートだけでは打たれる。
打撃はタイミングだから。そこに遅い球が来るから来るからストレートが生き、ストレートを生かすためには遅い球が必要になる。
圧倒的にみな被害の少ない外角低めでまとめようとするのだが、「外角」をさらに効果的に使おうと思ったら、打者に何とか「内角」を意識させるような手法を考える。
投球とはそういう相対関係でできている。
「内角・外角」でワンペア、「高目・低目」でツーペア、「遅い球・速い球(緩急)」でスリーペア。もう一つ言えば「ストライク・ボール」でフォーペア。
これらをどう組み合わせるか。
プロでも意外に、ストレート、スライダー、フォークなど、一つ一つの球種を孤立させて投げている。
一球一球のつながりを意識し、球と会話しながら投げている投手がどれだけいるか。(私の教え子ベストナイン 野村克也 光文社新書 98ページ)


相手打者を観察しながら、ストレートと変化球を組み合わせて勝負していくしかない。

「内角」で打ち取ろうとすれば「外角」を見せることが肝心である。
「高目」で打ち取ろうとすれば「低目」を見せることが肝心である。
「遅い球」で打ち取ろうとすれば、「速い球」を見せることが有効である。
「ストライク」で打ち取ろうとすれば「ボール球」を見せることが有効である。

野村克也氏のお話は、森田理論でいう「両面観」の考え方をプロ野球を例にとって説明されている。
森田理論の活用や応用を考えてみたときに、「両面観」の考え方を身につけると、生き方や行動が変わります。
「両面観」は、森田理論の活用や応用のポイントになる大事なところです。

森田先生が次のような話をされている。
幼い子供が公衆の面前でダダッ子を言って泣き叫ぶとき、親は子供をなんとかなだめすかしておとなしくさせようとする。
親はどうすればおとなしくさせることができるのか判断ができないにもかかわらず、ただやみくもに思いつくままに手あたり次第の対策を講じているのである。

これは的外れなことが多く、火の中に油を注ぐような結果となり収拾がつかなくなる。

森田に「迷いの内の是非は是非ともに非なり」という言葉がある。
親が子供をおとなしくさせたいと思うのは主観的事実です。
思いつくままに手あたり次第の対策を講じるというのは、主観的事実に基づいてその場を何とか丸く収めようとする行為です。
森田では主観的事実だけを重視した行動は、問題行動となって収拾がつかなくなることが多くなるといいます。

この場合、子供をおとなしくさせたいがどうすればよいのか妙案を思いつかない状態です。これが客観的事実です。
主観的事実よりも客観的事実を重視して、どうしたものかと気をもんで時間の経過に任せているといつの間にか子ども自身で折り合いをつけて泣き止んでいる。
どうすればよいのか分からないときは、安易で短絡的な対策をとらないで、気をもみながら時間の経過に任せて様子を見ていく。
これが主観的事実に振り回されないで、客観的な事実を重視した行動となります。
(森田全集 第5巻 323ページ参照)





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Last updated  2025.08.30 06:37:19
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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