森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.10.12
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森田先生は、「善悪不離・苦楽共存」と言われています。
(森田全集 第5巻 653ページ)

「善と悪」「苦と楽」はあざなえる縄のように一体のものであり、切り離すことは不可能であるということです。
私たちは別々のものとして区別してしまう傾向が顕著ですが、両面観で両方を見ていかないと正しい判断はできないということになります。

それらを別々のもとして取り扱うと次のようなことが起きます。
苦しいことや嫌なことにとらわれてしまいます。
目の敵にしてなんとかして取り除こうとするか避けるようになります。
精神交互作用で神経症を固着させてしまうことになります。

森田先生によると、人生には苦しみや不安がつきものであり、それを排除しようとすれば、かえって苦しみを増悪する原因になると言われました。

森田先生は、苦しみや不安をあるがままに認めて、その裏にある生の欲望に向かって努力精進する態度が肝心であると言われました。


どうにもならないことに関わりすぎると、疲れ果ててしまい、目の前の「なすべきこと」に取り組む気力・体力が萎えてしまいます。

葛藤や苦しみはイヤなものではありますが、それを抱えたまま必要なことを必要な範囲で取り組んでいくと、観念的悪循環がなくなり、日常生活の好循環が生まれてきます。
森田では善悪や苦楽といった価値評価の枠を乗り越えて、ただひたすら現実の「生命の躍動」そのものになって生きていくことを推奨しています。
森田先生は、「不安心はすなわち用心の安心にして、失敗はすなわち改良の喜びである」と言われています。(森田全集 第5巻 652ページ)

この言葉は、「不安は安心のための用心である」という言葉に言い換えることができます。不安は戦うべき相手ではありません。不安はあなたを強力にサポートしています。
不安は、あなたに危険やリスク、問題や課題を教えてくれているありがたい存在です。
いわば神様が我々に与えてくれた「ギフト(贈りもの)」のようなものです。
解決可能な不安に取り組み、解決すれば小さな成功体験を味わうことできます。
成功体験の積み重ねは、ステップアップした課題や目標への動機づけに繋がります。





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Last updated  2025.10.12 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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