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中東と言えば一般にヨルダン・シリア・レバノンの3国。この3国をまたいで仕事をするようになった昨今、国民性の違いなども以前よりだいぶ理解できるようになりました。レバノン在住となった現在は、もちろんレバノン人と接する機会が数多くあります。
レバノン人は極めて誇り高い国民。これは中東3国の中でもよく知られた事実で、レバノン人=proud、showing off (プライドが高く、目立ちたがり屋) という代名詞が適用されます。 自国をこよなく愛し、何かにつけて自分たちが一番だと考える(誤解する)傾向があります。 レバノン人同士で集まると、何かにつけて「やっぱりレバノンが一番よね~」という会話が何度となく交わされます。
さて、レバノン人の誇りは一体何に根ざしているのでしょう。それは主にその豊かな自然。レバノンは国土の面積がちょうど岐阜県と同じ大きさ。中東の中では一番小さな国ですが、山あり海あり、四季あり、緑あり…というのがどうも大変に自慢らしい。
確かに「中東=砂漠」というイメージ。中東だけではなく、湾岸エリアのサウジやカタールなども砂漠で、きびしい気候であることは確か。
でも…日本をはじめヨーロッパやアメリカなど、世界にはレバノン人が誇りとする四季、海、山、川、緑が豊かに存在する国が数多くあります。しかもレバノンの規模を大いに上回ります。そんな世界に対してレバノンは挑戦しているのです。それはつまり、岐阜県が世界を相手に
「俺様が、俺様 だけ とわめいているようなもの。
私は表向きあえて抵抗しませんが、同意もしません。心の中では「アンタら、世界を知らんやろ」とかなり興ざめしてしまいます。実際、彼らは自分たちが世界の最高峰だと思っているので、ごく隣国のヨルダンのことすら知らないのです。満点の天の川が夜空を彩る月面のような砂漠のことも、そそり立つ薔薇色の岩壁の都市ぺトラのことも、真っ白な塩の結晶とサファイアのような海が織り成すコントラストも見たことがないのです。
日本のことなんてさらに知りません。「日本=アジアの貧しい一国」と思っている人も多いのです。
レバノンの教育の程度は非常に高いです。小さいころから他言語を学び、大学教育は普通のこと。ではこの一般的な無知の理由は? それは彼らのプライドに由来します。「自分たちほど教育を受けている国民はない。自分たちは何でも知っている。自分たちが最高」と思い込んでいるので学ばないのです。人から学びはしないが、人には教えたい。すぐに自己流うんちくをたれたがります。こちらが静かに聞いていると弾丸のように自論を展開し、こちらは疲れ果てます。
プライドは人を無知にする んですね~。危険です。この傾向は若いレバノン人ほど顕著です。全くもって危険!!
さてレバノン人にはいい面もいっぱいあります。例えば非常に寛大で世話好き。でも、プライドの高い人といつも一緒にいるのは気持ちの良いものではない。というわけで、私はレバノンという国もレバノン人もそれほど好きではありません。
とはいえ住んでいる国ですから、ポジティブな面もたくさん見つけていきたいものです。初恋で一目惚れのヨルダンとは異なり、レバノンを愛するには少し時間がかかるかも…。あるいは心からは愛せないかも。1年後の自分の感情を今から楽しみにしています。
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