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December 29, 2008
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カテゴリ: 本・CD

司馬遼太郎の新史・太閤記 天下無双の人蕩し藤吉郎が行く・・・

新史太閤記.jpg

新史太閤記の上巻は、国盗り物語と時代が重複しますが、描かれる視点が、国盗り物語(織田信長編)では、織田信長、明智光秀であるのに対して、新史太閤記では、"猿"こと秀吉に変わりますのでまた違った趣の作品として楽しめます。

特に、何事に対しても合理的な思考で捉え、人間を道具として愛するという信長との主従関係や、信長と交わす会話、対面時の秀吉の身振り手振りなどの挙措の描かれ方は、組織の中での人間関係の真髄を端的に表現しているとも感じられ、なかなか奥深いと思われるのです。

さて、今読んでいる上巻は、尾張国愛知郡中村の農家生まれの藤吉郎が、立身出生し筑前守羽柴秀吉となって、中国地方の盟主毛利軍と激しく播州攻略戦を行うあたりまでが描かれます。この辺りから、秀吉の参謀も竹中半兵衛から黒田官兵衛へと移り変わっていきます。

黒田官兵衛に対して秀吉は、「才覚や機略があるというだけのことならたいしたことはない。世の詐術師もそうである。官兵衛のおそろしさはそれに加えて誠実なことだ。」と蜂須賀小六に洩らします。他人への誠実さこそ命がけの策謀であると知り抜いている秀吉だからこそ、官兵衛という人間の本質を見抜いていたと描かれています。

秀吉という男の単なる出世物語だけでなく、登場人物の描写や分析、人間関係、組織論など実に奥深く読ませる内容がふんだんに織り込まれた作品です。いよいよ下巻は、主の信長が光秀に討たれて、天下人への道が開かれるわけですが、下巻で秀吉がどのように変貌していくのか今から楽しみです。それではまた~。



新史太閤記(上) 新史太閤記(下)


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Last updated  April 4, 2009 10:02:43 AM
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