山口小夜の不思議遊戯

山口小夜の不思議遊戯

PR

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2006年04月16日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

『父と子と』  第二節 ─ン─ 不二角

 その時、私はホテルのレストランでおりしもワイングラスを手にしていたのである──なんということだ。が、息子は即座に答えて言った。

 「ンゴロンゴロ」
 「なんだそれ・・・・」
 「アフリカのタンザニアにある、ライオンが戦っていたりする高原」
 「・・・・・・」
 ともあれ、私は「ロ」を考えた。
 (ロマンス)

 「ロンドン」
 と言ってみたらまたもやっていたのだが、やはり息子は素早く続けた。
 「ンジャメナ」
 「今度はなに」
 「チャドの首都。次は‘ナフタリン’ですか?」
 「ナポレオンだっ!」
 と、私はそう言ってやりたかった。しかし、私は父である。私は言った。
 「な──なんでもない?」
 いつでも私は、息子たちを何を話せばいいのかわからない。

                         ─つづく─


 本日の日記---------------------------------------------



 ということは、皆さまご存じの『鳥取物語』の小夜ちゃんよりもひとつお姉さんになった頃のイメージです。
 髪、つやっつや! 鳥取でも青木でも、小夜は長い髪がトレードマークでした。
 楓のイメージをプレゼントしてくださった、絵の描(えが)キスト @礼さん からの贈り物です。

 これ、私が気づいたことなのですが、 楓の絵

 小夜が「みんなに自己紹介してもらいたい」と言うのを、楓に、
 「自己紹介なんかしなくても、おまえが勝手に相手を知っていけ」
 「自己紹介したくないやつがいたとしたら? おまえそういうやつの気持ちを考えたことがあるのかよ」
 とバッサリやられ、それでも小夜が持ち前の負けん気で、
 「じゃあ、あたしが自己紹介する。あたし、鳥取からきたんだ」と言い募り、
 「だからそんななまってんのな、姉貴サン」
 と楓が返してきたときの場面になるのです・・・・・。

 大切にします。@礼さん、ありがとうございました。


 今回は、 『青木学院物語』の書名について 申し上げたいと思います。

 『青木学院物語』は、副題(サブタイトル)となる予定です。
 しかも、『青木学院』は変更になります。
 舞台となる学習塾の名称については、アルファポリス側が適切な案をくださることになっております。

 私も作品が出版という道を歩き始めた以上、出版社にある程度「おまかせ」する意思がありますので、名称などの重要な変更であっても、よほどのこだわりがないかぎり(この‘こだわり’に関しては後日、申し上げたいと思います)編集部にゆだねているところがあります。なぜならば、編集部は出版のプロなのであり、書名ひとつをとってみても、「ひとつの文章のような書名がいい」「奇をてらったほうがいい」などなど、最近の傾向を知り尽くしていると思うからです。

 けれども、編集部いわく「タイトルは結構、本気で悩んでいます」だそうです。
 『かけがえなき愚行』については、かなり気に入ってくださっているのですが、メインのタイトルにするには少し「カタイ」ようなのです。主力候補ではありますが、まだまだ懸案事項です。

 「装丁を、“夏・青空・青い海・向日葵・さわやか・ブルー”といったかんじで考えているので、それに載せたときにはまるタイトル、です。そして、なんとなく“さわやかな風”をイメージさせるよいタイトルがないかなあ、と悩んでいます」

 とのことなので、私めも少し考えてメールしてみました。
 『遥かなる空に描く‘君’という字を』
 『あの青の中に行け』
 『放課後の少年』

 全ボツでした・・・・・

 担当の方いわく(この神さまのような担当の女性についても後日ご紹介させていただきます)
 「なにか思いついたらそれをいくつでも、お知らせくださいね。そのなかからぴったりなものがあればもちろんそれで。また、ちょっと変えていけるものがあればそれに、という方向で、検討しています。なにか“はまる”ものがあるといいんですよね~」とのことですが、

 皆さま、なにか素敵なアイディアはお持ちですか?
 今すぐに、というわけではもちろんありません。
 変更は6月はじめまでなら可能です。

 どうかこれから初夏に向かう季節の中で、頭の中に素敵なフレーズが浮かんだとき、小夜子の耳に囁いてください。
 みくまりが小夜に新しい名前を授けてくれたように、『青木学院物語』の名づけ親になってください。
 小夜はそれを授かり、相生村での新しい生を生きはじめました。
 皆さまのお力を、心から、心からお待ちしております。

 『青木学院物語』の宣伝部長を自ら任じていただいている桜さんも 本日の日記 にて、皆さまのお力を絶賛されております。ぜひご確認のほどを!


 【本日の私的物語観】

 作家の才能とは、環境や努力などの後天的な要素で培われるものではないと私は思っています。
 鍛錬で得られるのは、要するにリライトの才能です。記者や編集者向きの才能であって、これについても私からみれば大いなる可能性と偉大さを秘めたものであることは疑う余地もありません。

 けれども、作家に与えられた条件はただ、持って生まれた素質だけです。
 人はみな多かれ少なかれ語り手の素質を供えています。磨けば光る才能です。
 必死に頑張れば到達出来るものが才能ならば、野球をする人は皆イチローになってしまいます。
 作家とそうでない人を分ける素質、それはただひとつ。

 別人になれること。

 これに尽きます。
 小説を書いたことのある方ならば誰もが理解できることですが、登場人物とはどれも自分の投影です。けれども、逆説的な言い方をすれば、登場人物のどれもが自分の投影であり、同時に自分とまったくの別人にすることに成功した人が、真の小説家になれるのだと私は信じています。


 明日は●山口小夜子のPN変更について●です。
 皆さまのお力を、どうか私に。



 ◆お読みいただけたら 人気blogランキングへ
  1日1クリック有効となります。ありがとうございます。励みになります!






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年04月21日 17時42分00秒
コメント(14) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: