法門無尽 福井孝典ホームページ

4月


│ FORUM2-7 第1号  4月8日(月) │
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はじめまして!
 今年度2年7組を担任することになりました福井です。
 福井孝典と申します。昨年度3年6組の担任で、卒業生を送り出して間も無く、まだ彼らの残像が瞼に焼き付いています。この学年には途中で割り込むような形になりました。どうせなら、スキー教室、一緒に行きたかった! スキーは私の大好きなスポーツです。厳しい自然に包まれながら、少しずつ自分の技量を高めて行く。その進歩が手に取るように判る。自分がすべきことが判り、それをしないとうまく滑れない。すべきことを頭に描いて、実際その通りに出来た時、後ろには綺麗なシュプールが残っている。その嬉しさ! 現2年生はそういう喜びの第一歩を味わったのでしょう。全然うまくいかなかったという人もいるかもしれませんが……。まあ、時間をかけてチャレンジしてみてください。
余談はさておき、と書こうとして気が付きました。
余談です。余談。……全部。
何を言っているのでしょうか?
説明は、先ずこの紙のタイトルから始めなければなりません。
FORUM:ふぉおらむ?? これはコンピューターのネットワークの上にある一種の社交場のような空間の呼び名です。電子会議室・電子掲示板・データーライブラリー等から成っていて、好きなことを雑記帳のように書いたり、意見を交換したりするのです。書き言葉というよりも会話するというような感覚でお互いに発信します。 
このプリントはそういうようなものとして設定しました。
 2年7組の学級担任と親達のPTAフォーラム紙です。
余談を含め、思うことなどを自由に書きますので、親御さんの方も何でもこちらへ寄せていただければ幸いです。担任が何を考えているのか、どんな人間なのかを知るのも無意味なことではないでしょう。同様に、家族であったこと、子供の小さい頃の話、家庭での問題行動、学校教育に対する御意見、
お父さんお母さんのエピソード、最近読んだ本や観た映画の話、社会事情や今後の日本に対する御意見、趣味のこと等々、なんでも述べて戴きたいと思います。情報を伝え合うことは子育ての参考になることも多いと思います。お互い、子供の成長と幸福を願っているのですから、みんな目標は同じです。思っていることを自由に出し合えるネットワークを築きましょう。
 ですから、これは生徒への連絡事項を伝えるものではありません。生徒には必要な事は全て教室で伝えますので、お子さんに話を聞いてください。人の話をしっかり聞くということはとても大切な事だと思いますので、学校でも先ずそういう指導をしたいと思っています。それから、保護者に向けての連絡事項は基本的には全てプリントが出ることになっていますので、それをご覧ください。とは言っても、プリントが親の手に届かないということがあるようです。2年7組の生徒にはそおいう子は一人もいないと思いますが、念のため、どういうプリントをお配りしたかを、このフォーラムにざっとメモするようにしたいと思います。
それでは、2年7組96年度号の出帆です。
乗組員は次の39名です。
=省略=
応援、よろしくお願いします!


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│ FORUM2-7 第2号 4月9日(火) │
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 先ずはお約束の、配布したプリントメモを載せます。
=省略=
 洪水のようにお渡しした訳です。
  提出をお願いしているものもありますので宜しくお願いいたします。

 さて学校では始業式・入学式・対面式、そして11人の先生方の離任式を次々と済ませながら、同時に新しいクラスの体制づくりを進めています。
  2ー7は9日現在、背の順並び順決定・ロッカー下駄箱決定・机の決定・全員の自己紹介・学級委員各活動委員の選出・席決め・班決め・班長副班長 決定・係り活動割当・清掃順決定・時間割等紹介・クラス目標決定・教科係り選出・個人写真撮影を終了し、新学年を迎えての抱負作文を書き、既に2時間の授業を受けています。
 まあまあ忙しい毎日だとつくづく思います。
  しかしこれも新しい学年で勉強する為の必要な作業です。
 活動委員のほとんどは立候補で決まりました。なかなか積極的で良い傾向だと思います。

  所で、桜が満開ですねえ!
 学校からの帰り道、薄暗くなった空に白く映える霞のような花を眺め、  何処か夢の世界に紛れ込んだような気に、一瞬なりました。
 それで家族を誘って近くの塚山公園まで夜桜見物に行きました。しかし安針塚の頂上は少し寒いせいかまだ七分咲きで、照明設備も余り整っておらず、予想に反してどちらかというとひっそりとしていました。それでも何組か桜の下で席を設けて酒など飲んでいましたので、私達もその近くで食事をしました。ほっかほっか弁当は、とても美味に感じました。帰りは懐中電灯を頼りに真っ暗な山道を四人寄り添って下って来ました。
 花見というのは、勿論花を見に出かけるのですけれど、同時に春の空気を吸いに行くのではないかと思いました。星の下で横須賀港の夜景を眺めながら嗅いだ空気の匂いは爽やかでした。少し前までの寒さとは打って変わって 空気はどんどん春めいて来ています。いや、今、春真っ盛りなのかもしれません。新芽が開き、樹葉が輝き、鳥がさえずる。地上のあらゆる所にその息吹を感じるではありませんか。
 そういう空気を身体いっぱい、まんまんと吸い込んで、その伸びて行く喜びを一緒に分け持って生きたいという気になるではありませんか。
  どんな季節も好きですが、やっぱり春はいいなあ!と思います。
若い頃は「春眠暁を覚えず」という言葉がぴったり感覚に合うような時もありましたが、今は少しでも早く起きて、朝の輝きに浸っていたいと思うような次第です。(年かな……。)


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│ FORUM2-7 第3号  4月15日(月) │
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 12日、第1回目の授業参観・学級懇談会が持たれました。お忙しい中にもかかわらず、23名の方に参加していただきました。ありがとうございます。
今回はその特集号といたします。
都合で参加出来なかった方、全部参加出来なかった方の為に、先ず簡単にご報告を致します。
5時間目の授業は英語で、担任の授業でした。特に参観者の方を意識した授業の組立では無かったので、観ている方には或いは多少退屈であったかもしれませんが、生徒達の、よく集中して挙手も多い、積極的な姿勢が見ていただけたかと思います。
  その後、校長が全校放送で、家庭・学校・地域の協力を訴える挨拶を行い、それを受けて担任が話をいたしました。主な内容は、子供の人間形成に於いて家庭が如何に大きな力を持っているか、学校で果たさねばならない任務は何か等に関する自らの決意を込めたものでした。子供達の健やかな成長は大人達の共通の願いです。よく理解し合い、協力しましょうということです。
ちょっと話に夢中になって時間をかけ過ぎてしまったことに気が付き、慌てゝPTAの委員選出に入りました。生徒達のように立候補でと訴えましたが、そう簡単には行かず、色々話が出ました。結局、吉浦さんと相田さんに立候補していただくことになり、満場の安堵感の中で、お願いすることを決定いたしました。

職員室へ戻ってからも、各クラス、PTAの委員がなかなか決まらず苦労している様子が話に出ていました。思ったよりも難航せず、あっさりと決まったという所もありました。
  しかしPTA委員のなり手がいないという状態は、わが校だけの問題ではなく、どうやら全国的な傾向のようです。
 この問題について考えてみることにしました。
先ず、PTAを無くしてしまったらどうだろう?と考えてみます。
  子供達が長時間を過ごす学校での生活に親が関わらないで良いという訳には行かず、矢張りそういう機関はどうしても必要なのではないかという結論に至ると思います。
 参加しにくくなっているのには理由があります。先ず、以前に比べ働きに出ているお母さんの数が非常に増えたこと、それからこの年代は家で面倒をみなければならないお年寄りを抱えている場合が多いこと、等です。こういう方々は参加したくても、確かになかなか都合が付きにくいかと思います。
 その他にも、色々予定や事情はお有りのことと思います。
そして多分そのいちいちがごもっともなことなんだろうと思います。
  そして或いは、自分がやらなくても(もっと手の空いている)誰か他の人がやってくれるのではと願っているかもしれません。
しかし私は、委員を引き受けてくださっている方が必ずしも手の空いている方だとは決して思っていません。……優先順位の問題なのではないかと思います。
 当たり前ですが、子育ては暇だからやるのではありません。又、教員や保母のように、それを職業にしそれで給料を貰っている者達だけに任せておいて良いというものではありません。それは自分の人生と同一のものだと思います。親と子はそれぞれ別個の人格を持つ互いに独立した存在ではありますが、自然界の営みからしても感情世界からしても、子は親の生まれ変わりのような存在なんだと、私は思っています。
 そんなことは判っている! それとこれとは話が別のことだと言われるかもしれません。ごもっともです。
  大人には大人の、やらねばならないことがたくさんあるのだと言われるかもしれません。その通りです。それを子ども達に知らさねばなりません。
  いずれにせよ、吉浦さん、相田さん、本当にあ りがとうございました。1年間よろしくお願いいたします。


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│ FORUM2-7 第4号 4月16日(火) │
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 先日、社会科の先生がお休みだったので、補欠で7組に行きました。たまたま私は、今年度教員の人数の関係で、社会科も教えていますので、補講を行いました。
本校に来る前、サウジアラビア王国のジェッダ市にある日本人学校に文部省派遣で3年おりましたが、そこでは教員の数が少ないので英語の他に社会科や体育も教えていました。それで、要領は大体判っているのですが、矢張り専門外の教科を教えるのは大変です。授業の準備に英語の数倍かかります。
7組の補講は、歴史の一番最初の所をやりました。
歴史学習の一つの目的に、自分が一体どういう存在であるのかを知るということがあると思います。そういう意味では最初の「人類の誕生」という単元は一番その目的に合致している内容です。
次のようなことをお話しました。

人類の誕生を知る為、必要なことをさかのぼって行くと、宇宙の誕生という所まで思いを馳せることが出来ます。
最近の学説では、今から約150億年前、すさまじいエネルギーの固まりが熱光の爆発のような膨張を開始した時、宇宙は誕生したのです。それは急速な膨張を続け、物質を組成し、空間と時間を産んだのです。時間を、運動する空間と一体のものとして認識したのはアインシュタインの学説だったと思います。時間というものは一定方向に運動する空間があってはじめてその空間の時間があるのです。イギリスの物理学者ホーキング博士によると、宇宙は銀河系等の少宇宙や恒星を表面に乗せたシャボン玉のような状態で拡大しているということです。
そして今から46億年前に地球が誕生しました。その成り立ちはNHKの「地球大紀行」でも映像化されていましたが、それは水を自らの周囲に取り込むに至った特別な星でした。大気圏というバリアに囲まれ、海洋の広がる地球は、その海の中から生物を誕生させたのです。今から20億年前のことです。それは最初ほんの小さな細胞に過ぎませんでしたが、植物となり動物を発生させて進化し、やがて陸に上がり、爬虫類の全盛時代を経、とうとう人類の誕生となったのでした。
  現在発見されている最も古い人類はアウストラルピテクス(南の猿人)で、それは今から300万年前に生存していました。100万年前に氷河期が到来し、それが終わったのは1万年前。その間、人類は原人の時代を経て、原生人類と言われるクロマニヨン人へと発達してきました。
猿が人間へと進化した最初のきっかけは、それが直立歩行をし手が自由になったことだと言われています。その結果、色々な道具を使用することを学習し、同時に脳が発達したのです。その道具の中で特別重要なものは火の使用であり、人間を現在の人間足らしめる画期をなすのが言葉の発明です。最初は怒りや恐怖等の感情表現をする為に用いられていた音声が、狩をする時の合図や信号に用いられ、やがてもっと込み入ったコミュニケーションに用いられるようになりました。そして重大なことは言葉を得ることによって人は思考することが可能になったということです。言葉が無ければ思考は成り立ちません。言葉を得ることによって人間は世界を認識することが可能になったのです。
「私達の意識生活は、こうした地球や人類の長い営みとは余り関係ないような所で動いているようだが、実は私達一人一人が生物の進化の過程をお母さんのお腹の中で追体験してきている。あらゆる物質の運動と存在は宇宙の営みと無縁ではあり得ず、地球の生命体は地球の営みと密接に結びついている。」
少し難しかったかもしれませんが、以上のようなことを語りました。

英語の授業では技能的なことが多く、なかなかこうした世界や人間の成り立ちといった内容をお話する機会はありませんが、社会科ではそういう機会も多そうで、興味も湧いています。
宇宙の始まりまで考察出来るようになった、人間とは凄いものだと思います。働き思考を巡らし進化してきた人間、奇跡の星の奇跡の生物なのかもしれません。



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 │ FORUM2-7 第5号  4月18日(木) │
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 家庭訪問の日程を次のようにいたします。寄せられたご希望には沿った形で組んだつもりです。ただ、時間については、この通りに行くとは限りません。多少早くなったり遅くなったりすることがあろうかと思います。ご容赦ください。
-- 省 略 --

 年度初めに決意した今年度の目標

〈相田浩治〉・遅刻や欠席をしない・勉強が遅れないようにする・クラス目標の[いじめNO! けじめYES!]を守る・忘れ物をしない・悪いことをして先生に怒られないようにする。
〈青山宏人〉・積極的になる・授業で手を上げる・物事に余りこだわらないようにする。
〈石川奈津子〉・成績を上げる・苦手科目の克服・家庭学習をする。
〈稲本静子〉・朝は必ず20分前までに席につく・一生懸命努力して成績を上げる。
〈上杉響子〉・自分のやってみたいことをやる。
〈上村奈美〉・読書をする・部活を頑張る・授業と遊びのけじめをつける・家で勉強する・今自分が何をしなければならないのかを考えて行動する。
〈江藤学〉・授業を真剣に受ける・無駄な話をせずノートをとる・テストで良い点をとる・やると決めたことは最後までやりぬく・色々なことに積極的に取り組む・後輩に優しくする・いじめの無いクラスにする。
〈海老沢智〉・部活と勉強の両立・委員や係りの仕事を責任を持ち積極的に行う・授業は集中しノートを工夫し発言を積極的にする・1年の良い見本になる。
〈遠崎みさき〉・自分に正直に前向きに考える・無理せず焦らず一年間を充実して送る。
〈大井武人〉・後輩の目標になるような先輩になる。
〈荻沼琢哉〉・ねばり強く取り組む。
〈小野信介〉・係り委員会の仕事を責任を持って果たす・字をきれいにする・ノートの取り方を工夫する・サッカーもがんばる。
〈小原由美子〉・授業に集中して予習復習を毎日やる・規則正しい生活を送る・人見知りせず誰とでも気軽に話せるようにする。
〈木谷巖〉・先生の話をよく聞く・授業態度を良くする・後輩に好かれるような先輩になる。
〈齋原信雄〉・何事にも一生懸命に取り組む・何事にも冷静に行動する・子供みたいに騒ぐのはやめる・部活動ではレギュラーやスタメンになる・一年間この目標を忘れずに過ごす。                 (つづく)



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│ FORUM2-7 第6号  4月19日(金) │
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 年度初めに決意した今年度の目標(2)

〈斉田千恵〉・積極的に行動する・学校を休まずに来る。
〈嵯伯友敦〉・新1年生からあんな2年生になりたいと思われるような2年生になる・[いじめNO! けじめYES!]のお手本学年になる。
〈佐久清子〉・授業態度を良くする・遅刻をしないようにする。
〈佐々井雄太〉・委員会や係りの仕事を責任を持って取り組む・提出物をちゃんと出す・積極的に発言する・部活を休まず出る。
〈杉野綾子〉・全体的に積極的に行動する・提出物を期限までに出す・授業態度を良くする・積極的に手を上げて発言する・家で予習復習をする・クラスで仲良くする・掃除も頑張る・先輩らしい行動で後輩に接する・試合で良い成績が出るように練習する・委員会や係りを責任を持ってやる。
〈鈴村秀輔〉・提出物をきちんと出す。
〈須山貴彦〉・ふだんから自主的に勉強する・健康に気をつけて学校を休まない・体育の見学をしないようにする。
〈高木梨江〉・楽しい学校生活になるように努力する・2年生らしい行動を取る・友達を増やす。
〈田村塁〉・予習復習をしっかりやって積極的に勉強に取り組む・授業中先生の話をよく聞き積極的に発言する・部活にしっかり出る。
〈鶴本友美〉・テスト前の勉強時間を長くする・授業にもう少し積極的に参加する・友達を増やす・学校行事に積極的に参加する。
〈長峰弘之〉・友達をたくさん作る・積極的に授業に取り組む・成績をあげる・部活を頑張る。
〈中井友子〉・部活にちゃんと出る・授業を集中して受ける・勝手な行動はしない・忘れ物を少なくする・発言する・提出物を期限までに出す・勉強時間を長くする。
〈羽田瞳〉・下級生の見本となる上級生になる・勉強に励む・友達と仲良くする。
〈平木孝太〉・竹刀の三九サイズを使えるようになる・試合で勝つ・数学百点を取る。
〈弘水亜紀子〉・新しい友達をたくさん作って楽しく1年間を過ごす・勉強も頑張る・出来るだけたくさんのことにチャレンジする・学級目標の[いじめNO! けじめYES!]をしっかり守る。
〈藤本綾〉・後輩に優しくする・勉強を頑張る・予習復習をなるべくする・判らない事は先生に聞く・しっかりノート作りをする・今以上に友達を作る。
〈古川雄也〉・苦手な教科を無くす・毎日予習復習をし授業中も先生の話をしっかり聞きノートを取る・けじめをつけて行動する・忘れ物をしない・遅刻をしない・みんなと協力して行動する・きめられたことを守る・係りの仕事をきっちりこなす・先輩としての自覚を持ち一年生の見本となるような行動を取る。
〈古橋園美〉・積極的に行動する。
〈宮内卓〉・先生の話をきちんと聞いて同じ事を繰り返さないようにする・成績をじょじょに上げる・先生に注意されないようにする・授業を真面目に受ける・チャイム着席をする・後輩をいじめない。
〈宮沢英志〉・友達を増やす・チャイム着席・勉強を頑張る・提出物をきちんと出す・部活動を頑張る・授業態度を良くする・学級目標を守る。
〈矢部太一〉・先生の話をよく聞きノートをちゃんと取る・予習復習をやりテスト前に慌てないようにする・成績をあげる・一日も休まず学校へ来る・提出物を出す・忘れ物をしない・英語を頑張る。
〈吉浦真奈美〉・勉強、委員(後期)、係り、掃除などせいいっぱいやる。
〈渡瀬理恵〉・勉強を生活の中に取り入れ集中してやる。
〈渡賢一郎〉・運動や勉強をしっかりする・先生の話をよく聞く・すべてに頑張る。


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│FORUM2-7 第7号  4月22日(月) │
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 一昨日の夜放映されたNHKスペシャル「いじめをなくすために」を見ました。生徒自身が時間割を作り、クラスを取り払ったオープンスペースで自習をし先生にアドバイスを受けるという、自ら学ぶ力に依拠した教育システムを取っている学校の紹介等興味を持って見ました。文部省の人が、受験教育の弊害を説き、多様な学校の在り方を熱っぽく語る姿を、色々思い起こしながら複雑な気持ちで見ました。
この番組で一貫して流れていた主張は、「画一的な知識偏重教育で子供の心が荒んでいる。子供が自由に選べる環境の中で学校教育が考えられる必要がある」というものだと思います。
頭がスマートなことで最近有名な日本人はさすがに次々と時代のニーズに応えた教育提言をします。私もこうしたことが本当に現実化すれば良いと思います。例えば、受験教育の弊を説くのであれば、現在の大学制度入試制度自体を改革する必要があります。選択制を進めるにはそれを保障するスペースが不可欠です。そういうものが一向に進められずに、もっぱら現場の学校に解決を求めるやり方は、これまでのやり方ではありますが、現場としては出来るだけそのニーズに応えねばなりません。
しかし注意しなければならないことは、現場には生きている子供達がいて、それを支える親と家庭があって、日々子供と活動している教師達がいるということです。そして教育活動というものは人類誕生以来営々として続けられ、人間というものゝ一種の本質を成すものだということです。一つの時代、一つの社会システムによって確かにそれは大きく左右されますが、そういったものに変化されず引き継がれるべきものも確実に存在するのです。つまりそれは人間としての基礎的事柄です。私は寧ろそういったものを大事にしたいと思っています。
 例えばこういうことです。学習とういうものはそれなりの忍耐と努力が必要です。お湯をかけて3分間とかチャンネルを替える感覚で身に付くものではありません。幾ら高額な教材を購入しても、それだけで英語がぺらぺら喋れるようにはなりません。英語に関して言えば、外国語として学ぶには、基礎的な文法事項を理解し体系的に知識を整理していくことが、必要かつ身に付く近道だと思います。勿論実用的な練習も重要です。やることはたくさんあります。しかしこれはどうしても必要だということがあり、それは身に付けなければなりません。そして中学校で習う事柄は大部分がそういう事項なのではないでしょうか。(外国語は選択教科となっていますが……。)人間として必要な基礎知識。それを懸命に学習しているのではないでしょうか。    子供達は学習しながら自らの思考を巡らせ、頭の中の世界がどんどん拡大し世界を見る目が広がっていくことに喜びを覚えるのです。ちょうど体育で技能が向上し、出来なかった事柄が出来る身体になった喜びと同じ事です。学習することは或る種の忍耐と努力を必要とすることですが、同時にそれは人間的喜びの過程でもあるのです。学校ではそのことをこそしっかり教えなければなりません。そしてその学習を通じて、人は他人とのつながりの中で存在しているものであり、人間全体の幸福の中に自分の幸福もあるのだということを悟らせていく必要があります。
いじめの問題は心の問題です。人をいじめることに快感を覚える心の世界、いじめられても耐えているしかない心の世界、どちらもぞっとする暗澹たる世界です。サル山のサル以来、人間はそういうものだったと言えないことも無いかもしれません。しかし、人間はもうそれを脱皮出来る筈です。少なくとも学校では、自分達の成長という最も喜びに満ちた筈の作業をしている生徒達の間では、そんなことは絶滅しなければならないと考えます。
「友達にいじめられて、家からお金を持ち出して、親にも相談しないで、自殺しちゃった。そういう子供をかわいそうだと親として思う?」と娘に聞かれたことがあります。私は一瞬言葉につまりましたが、正直に、「本当に悔しいだろうな。なんで言ってくれなかったのかって。出来ることはたくさんあるのに。そんな行動しかとれなかったなんて」と答えました。
 人生を数十年生きている大人達にとって、子供達が万一いじめられたりいじめたりといった状態に陥った時、出来ることアドバイスすることはそれこそ山程あると思います。だから、こういった現象に暗欝な気分になるのだと思います。
子供達に言いましょう。「いじめがあったら、親や先生に相談しろ」と。


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│ FORUM2-7 第8号  4月30日(火) │
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 連休をどのようにお過ごしですか? 「大型連休」と言われていますが、その第一波はもう過ぎてしまいました。親類で集まって筍掘りをやったり、買い物、草むしり、社会科の教材研究、それに夜はテレビで野球などを見ていたりしているうちに終わってしまいました。もう少し計画的に過ごした方が良かったかもしれませんが、何せこの期間は何処へ行っても混んでいますから、二の足を踏みます。それに今年大学に入った上の娘は、新しい生活に向けて色々声が掛かって忙しいので、こちらで計画するまでも無い感じで、だんだんこうなって行くんだなあという思いです。とにかく今回は最初から特に計画は無く、休養ということで全部過ごすつもりでいます。しかし休養と言っても何もしないのはかえって疲れるようで、寧ろ学校で働いていた方が調子が良いという気もし、これは余り良い傾向ではないと反省しなければなりません。自分の自由時間をどう使うか、
特に家族とどう過ごすのかは真剣に考えるべき問題ではあります。まあ、考えた結果、それぞれのんびり自分のペースで過ごすということになったれば、それはそれで良いかと自分で納得している所です。

さて目下家庭訪問期間中で、皆様方のおうちにお邪魔していますが、限られた時間で慌ただしくて申し訳御座いません。皆さん、このフォーラムを読んでいただいているようで、固定読者三十数名というのは有り難いことです。一番好評なのは〈最近配布したプリント〉の所で、まあそのついでに私の文章を読んでいただければ良いかと思っています。
「記事を」とお考えの方もいらっしゃるようで、是非こちらに寄せていただきたいとお願いします。何か討論でも始まれば、余計興味が湧くのではないでしょうか。
家庭訪問で今の所よく話題になるのは矢張り学習のことが一番ですが、「いじめ」の問題や数年前の大道中の荒れの問題、部活動の問題等も出てきました。兄弟姉妹のある方はずっと大道中を見ている訳で、学校の変化のようなものも自然に感じ取られているようです。

最近、鳥のさえずりを聞くことがあります。さえずりというのは一年中あるのではなくて、春から初夏にかけて、仲間を呼ぶ為のラヴソングや縄張りを表すテリトリーソングとして歌われるのだそうです。それ以外は地鳴きと言って、ただチッチッとかチュンチュンとかと鳴くのです。
この時期、一番はっと気が付くさえずりはなんと言ってもウグイスの「ホーホケキョ」でしょう。これは本当にそうとしか聞こえません。英語でナイチンゲールはなんて鳴くんでしょうか? 英語の教師としては調べなければなりませんね。
 昔、下の娘が大きな声で「ぴろり、ぴろり、ぴろぴろぴろり」と言って真似していたのがコジュケイです。一般には「チョットコイ、チョットコイ」という風に聞こえることになっています。天高くご機嫌で「ピーチュク、チュク」と独唱するのがヒバリで、それに負けずに澄んだ声で「ツツピー、ツツピー」と林の中からさえずるのがシジュウカラです。 春になると花も鳥も、それに多分動物達も急に力が漲って来るようで大変に結構なことです。
生徒達も新しい学級や学年にそろそろ慣れたようで自分のペースが出来つつあるように見えます。
 今年度の部活動申込は4月26日で締め切り、どの部も本格的に今年度の活動が始まります。まあ部活動は自由参加ですから、必ずしも入らなければならないものではありませんが……。私も今年度は剣道部の顧問ということで、もう一人の顧問の先生や格技講師と一緒に頑張るつもりでいます。矢張り適度な運動は必要で、運動部に入っていない人も何らかの形で身体を動かす事を心がけた方が良いかもしれません。まあ週3回体育はあるのですが。

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