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May 19, 2005
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カテゴリ:  視聴レポート
私にとって、ピアノ再開後の初シューマンの曲は「クライスレリアーナ」Op.16だったはずなのだが、指の負傷をきっかけに「アラベスク」Op.18を優先的に練習してきた。が、ある程度弾けるようになってくると、今度は表現面で試行錯誤する羽目となってしまった。というわけで、今日はプロの演奏家が弾くアラベスクをじっくり聴きながら、様々な解釈を勉強することにしてみた。

現在、手持ちのCDのなかでシューマンの「アラベスク」が収録されているものは4枚。私自身、シューマン・ファン歴はまだまだ短いゆえ、そんなに多くのCDは所有していないのだが、それでも4人それぞれの演奏家のアラベスクを楽しめるのは嬉しいのだ。おまけに、各演奏を聴き比べてみると皆、それぞれに独自の解釈をもっているうえに、演奏時間にもかなりの差がみられる。

■アンドラーシュ・シフが弾く「アラベスク」
演奏タイム:5分54秒
主題部:主題は「軽く優しく」の部分。シフは実に軽くさらっと弾き流している。主題の展開部のritもそれほどテンポの揺れはみられず、あっさり気味
Minore I:テンポ的には主題とそれほど変わらず。表現はかなり豊かなうえに後半の盛り上がり部はテンポ的にもかなりエキサイティング、情熱的ともいえる。
Ruhiger:静かだが旋律が際だつ。テンポ的にもそれほどもたれ気味になっていない。
(再び主題登場)
Minore II:旋律際だち、中声、下声は割と流れ気味に弾いている。途中、長調的な展開部ではかなりアップテンポに。
(再び主題登場)


■ウラディミール・ホロヴィッツが弾く「アラベスク」
演奏タイム:6分38秒
主題部:ホロヴィッツは上声つまり主旋律と下声(バス)の進行を際だたせ、中声の分散進行は割と控えめに弾いている。軽く、それでいて優しさがにじみでている演奏だ。
Minore I:楽譜の指定どおりテンポをやや遅く、そしてあくまでも演奏は穏やかで。しかしながら起伏はかなりある方だ。といっても盛り上がり箇所でも急激にテンポを変えることなく強弱のみでメリハリを出している。
Ruhiger:ここでグッとテンポを落として1音1音丁寧に奏でている
(再び主題登場)冒頭の主題よりややあっさり気味に流しているうえ、中声の分散進行の流れも耳に残る。
Minore II:楽譜の指定どおりテンポはやや遅め。バスの進行、及び中声の付点音符進行はペダルでにじむことなく割とくっきり。長調的進行部分はやはりテンポがアップしたりも(シフほどではないが)。
(再び主題登場)
Coda:Lento部分は全体的にじっくりゆっくり。最後4小節のritも事実上は最後3小節途中から更にゆっくり。

■舘野泉が弾く「アラベスク」
演奏タイム:7分13秒
主題部:舘野氏の主題部は上・中・下声それぞれが割と自己主張をしているようにも思えるが、それでも上声の旋律は綺麗に響いている。他の演奏家より全体的なテンポはゆっくり目。
Minore I:テンポはここでぐっと落ちる。楽譜には細かなクレッシェンドとデクレッシェンドが記載されているが、特にMinore Iの前半はオーバーに表現することなく、割と平坦な感じである。フォルテもフォルテシモもそれほど圧迫感がなく、穏やかにそれでいて厚みを感じるフォルテ表現だ。

(再び主題登場)
Minore II:他の演奏家はここでかなり曲の性格を変えてくるのだが、舘野氏はキリリとしたなかにとても穏やかな味を出している。中声・下声の進行は流れるように叙情的に弾いているのが印象に残る。
(再び主題登場)
Coda:主題からCodaへ進むその「間」が長め。各所のritも実にたっぷりとため気味。

■仲道郁代が弾く「アラベスク」
演奏タイム:5分58秒

Minore I:主題部からほとんどテンポ変化は無し。主題に引き続き、あっさり感を特に感じさせたのは左手アルペジオ指定されている箇所を何故かアルペジオではなく和音で弾いている点だろうか。極端な起伏は無し。
Ruhiger:弾き方によってはだらけがちなこの場所を実にサラッと弾き流している感じ。
(再び主題登場)
Minore II:主題より更にテンポはアップ気味。実に独自の解釈で演奏され、ここも流れるような弾き方が特徴。
(再び主題登場)
Coda:このアラベスクのなかでは最も穏やかで静かな部分であったが、決して粘っこくはなくサラリと終曲であった。



と、あれこれ聴いてみたものの、同じ曲であるはずの曲が、演奏家によってここまで変わるのか、と思うと、それはそれで面白い・・・(といって良いのだろうか)。結局、譜面に書かれた解釈を更に超越して自分なりにその曲のイメージで演奏される人も多いということだろうか。どれが良く、どれが悪いなんていうことは決して無く、皆、それぞれのアラベスクを表現しているといった方が良いのかもしれない。しかし、アマチュアでしかもまだまだ勉強不足な私がそれをマネするのは100年早い。うむ、早すぎる。今は、やはり楽譜に記載された解釈をかみ砕いて、その範囲内で自分なりの演奏を模索するほうが良いのだろう、そんなことをぼんやりと考えながら、今日もアラベスクを弾くのであった。





本日のピアノ練習メモ
●新しいピアノのテクニック(上) #07~09
●全調(長・短調)4オクターブスケール(両手・左手のみ)

●クラーマー=ビューロー60練習曲 #08,#11
#08:テンポを落として確実に左手進行をモノにする。くれぐれも指を滑らせないこと
#11:教則CDの解説に沿って5-4指スタカート及びリズム変奏練習。

●バッハシンフォニア #01~05
#01~04:ノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は再復習。
#05:曲の進行に慣れると同時に装飾音符を丁寧に弾くこと。

●モーツァルト「ピアノソナタ ニ長調 K.311」
全楽章:各楽章の荒削りな部分を丁寧にさらって。

●モーツァルト「幻想曲」ハ短調 K.475
アダージョ:感情入れすぎてテンポが揺れないように。
アレグロ:88~90小節の右進行をもっとスムーズに。更に左手の指使い要検討。
アンダンティーノ:譜読み中。左手同音連打はムラなく。右手の重音進行もバラバラにならないように。

●シューマン「アラベスク」
通して数回。暗譜をターゲットに頑張れ!

●シューマン 子供の情景から#01,02,07.09
01知らない国ぐに:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。
02珍しいお話:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。
07トロイメライ:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。
09木馬の騎士:通して数回。

●シューマン ウィーンの謝肉祭の道化から#04,#05
04インテルメッツォ:昨日同様、中声の流れを手を抜かないように。上声は旋律の流れを更に音楽的に。
05終曲:ゆっくり通して譜読み。その後、リピートまでを中心に進行に慣れること。



本日のおさらい(ノーミスで弾ければ1回)
●バッハインヴェンション #01~05





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Last updated  May 22, 2005 10:15:44 AM
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