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May 20, 2005
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カテゴリ:  視聴レポート
5月20日午前、ピアニスト鈴木弘尚氏と音楽評論家 萩谷由貴子氏によるレクチャーコンサートが、埼玉県の所沢市民文化センターミューズで開催された。夜は鈴木弘尚氏によるピアノリサイタル、この夜の部も是非聴きたかったのだが、夜は時間の都合がつかず、結局この日は午前の部のみ聴きに行ったのである。特に、シューマンに限定したレクチャーコンサートならば、今の私には「これを逃してなるものか」といったところだ。

それにしても、朝10時半から開演となると、ちょうど朝のラッシュ時の電車に乗って行かねばならない。そのうえ、我が町から所沢市は近いようで遠く、普段ほとんど乗る機会のない路線を幾つも乗り継がねばならないため、方向音痴の私は無事にたどり着くのであろうかと心配になってしまった。それでもなんとか無事に会場にたどり着くと、当日券を手にして、開場を待つ人の列に並ぶ。

平日の午前ということもあってか、音楽関係者、つまりピアノの先生風な層、そして主婦層が多いのだが、学校や会社をお休みして来た学生やOL風な人もちらほらと見受けられる。男性はかなり少なめ・・・ってまぁそれは平日の午前たる宿命だろう。

さて、開演のベルが鳴り、いよいよレクチャーコンサートの始まり始まり。

■レクチャーコンサートでシューマンを取り上げたのは・・・

勿論、鈴木弘尚氏のデビューアルバムのタイトルが「Etudes symphoniques」、つまりシューマン「交響的練習曲」だからである。鈴木氏によればこの交響的練習曲は、小学生の頃から漠然と弾きたいと思い、1990年にコンクールで優勝した人がこの曲を弾いていることで強く印象に残り、そして1997年、イタリアのイモラに留学した際に初めて取り組んだ曲でもある、ということらしい。(実は、第5回浜松国際ピアノコンクールで演奏した鈴木氏の「交響的練習曲」は絶賛されていることを音楽誌などで御覧になった人もいるだろう。)

今回のレクチャーコンサートでは、そうしたシューマンの若き時代の作品からクララとの愛を巡る苦しい時代、そしてようやく得た結婚生活から14年、晩年の作品まで、萩谷氏の解説を織り交ぜてシューマンの代表的な曲を鈴木氏が演奏する、といったプログラムであった。

■今回取り上げられたシューマンの各曲たちと鈴木氏の演奏

今回、鈴木氏が演奏したのは全5曲。なかには私が現在練習中のアノ曲もあったりで、大感激である。今回は楽譜を見ながらの演奏だったため、逆に「この曲では何の楽譜を使っているのかな」なんてところについつい着目してしまったりもしながら、じっくりと聴かせてもらった。

●アベッグ変奏曲 Op.1(楽譜:ヘンレ版使用)
●パピヨン Op.2 (楽譜:全音版使用)

●クララ・ヴィークの主題による変奏曲 Op.14 (楽譜:ヘンレ版使用)
●ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20 (楽譜:?クララヴィークの顔が表紙の赤っぽい楽譜)

(なお、全音版の楽譜については今回のレクチャーの参考資料的な意味合いで使用したとの、ご本人からコメントを頂きました。私が妙な点に着目してしまったがために、申し訳ありませんでした。そして本当にありがとうございます。)

初めて生で観る鈴木氏の演奏は、実にダイナミックで、CDを聴いた時の感想同様、キレが良い。かなり小柄な身体であるにもかかわらず、あのパワーはどこから出てくるのだろう、というくらいに安定した力強さを感じるのである。アベッグ変奏曲の時には、ペダルの踏み音がまるでバックリズムのようにも聞こえたりして、あれは効果的にやっているのだろうか、とさえ思ったりもした。

演奏スタイルは、やたら身体全体を動かすことはせず、それでいて、鍵盤上で指揮をしているような姿にも見える(そういえばコンサート中のお話のなかで、鈴木氏は指揮者志望の時期もあったと言われていた)。上手く言えないのだが、手をふわっと上げて余韻を表現するといった感じだろうか。あの姿が実に印象に残っている。

実はコンサートの最初に、交響的練習曲のテーマを少しだけ弾いてくれたのだが、あれを聴いた時、つくづく夜の部のリサイタルに行けないことを後悔した瞬間であった。やはり、音楽はCDだけで楽しむのではなく、生演奏を聴くことで更に音楽と一体化出来るような気がする、そう実感させられた。

■演奏の合間に・・・

萩谷氏が「鈴木さんはもしピアニストにならなかったら何になってますか」と聞くと、鈴木氏が答えたのはなんと「格闘技が好きなんですよ」と予想外の回答に会場もクスクスクスクスッと笑いが起きる。どうやら、格闘技のレフリーに興味があったらしい。

更にまだまだ聞く萩谷氏、「鈴木さんからみたシューマン夫妻はいかがです」。すると鈴木氏は「そうですねぇ、現代にはみられない・・・ですよね」。確かに最近、夫婦のあり方というのは随分変化している。主人に献身的につとめる妻クララは、自身も作曲家でありピアニストでありながら、主人を優先し、更に主人の音楽を世に広めるための演奏に力を尽くしてきた。それにひきかえ今の時代、「相手が幸せになる方法」よりも、「自分が望むこと」を優先してしまってはないだろうか。ふと、己を振り返ってみたりする。

なお、コンサートの最後に、萩谷氏の書籍や鈴木氏のCDが当たる抽選会もあり、鈴木氏自らがくじをひいたのだが、いざ、鈴木氏のCD抽選となると、なかなか該当者がおらず(チケット半券の番号)、会場内は大爆笑。抽選会があることを知らず、チケット半券を捨ててしまわれた人も多かったのだろうか。4度目にしてようやく鈴木氏のCDは無事に当選者に手渡され、ほっと一安心。

終了後、ミーハーな私はサイン会の列に並び、しっかりとCDと楽譜に鈴木氏のサインを貰い、感激の余韻のうちに会場を後にしたのであった。

自宅に帰って、コンサート時に頂いたパンフレットをみると、9月に都内で鈴木氏のリサイタルがあったり、更に翌年の1月にはニューイヤーコンサートもあるらしい。生演奏の素晴らしさを今再び実感した私は、「行かねば・・・行かねば・・・」と頭のなかで唱えている。特に9月のリサイタルでは私の大・大・大好きなバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」が含まれているのだ。勿論、シューマンやラフマニノフもプログラムに組み込まれている。




久々に生演奏を聴いて興奮気味な私は、その日、時間がなかったこともあってかほとんどピアノに触れずじまいであったが、それでもシューマンの曲だけはしっかり練習したのであった。私のシューマン熱は更に高熱と化し、ただいま煮えたぎっている。




本日のピアノ練習メモ(シューマンDAY??)
●シューマン 子供の情景から#01,02,07.09
01知らない国ぐに:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。

03鬼ごっこ:譜読み開始
07トロイメライ:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。
09木馬の騎士:通して数回。

●シューマン ウィーンの謝肉祭の道化から#04,#05
04インテルメッツォ:あぁ、曲に慣れるとやはり中声が荒れ気味。気をつけて。
05終曲:まだまだゆっくり通して譜読み。その後、リピートまでを中心に進行に慣れること。





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Last updated  May 21, 2005 12:39:12 PM
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