大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

2006.05.30
XML
テーマ: 癌(3526)
俳優の岡田真澄さんがお亡くなりになりましたね。


本日は外勤先で外来診察をしております。

大腸癌の術後の患者さんも見ているのですけれども、
数名、抗がん剤治療の適応の方がいらっしゃいます。

いまのところ大腸癌で抗がん剤の治療対象となるのは、
・切除不能
・転移・再発
・手術で取りきれたけどリンパ節転移があった場合(補助化学療法)


この三番目の補助化学療法の患者さんなのですけれど、
現在日本で、というか世界的にも補助化学療法でつかわれる抗がん剤の組み合わせとしては
5FU+LV(ふぁいぶえふゆー と ろいこぼりん)
というのがスタンダードかと思われます。
大腸がん治療ガイドラインでもそのように記載がされておりある程度確立された治療方法です。

でもねー、
このところ多いのが「経済的理由」で抗がん剤治療を受けない方。

この補助化学療法としてスタンダードな5FU+LVは基本は点滴。
ほかに内服薬もありますが、点滴と同じだけの効果があるかを現在日本で追試中。
(海外ではすでに同等と報告)

内服で月額7~8万(3割負担)かかる。

(概算なんでちがってたらすいません)

結構な負担です。

もちろん抗がん剤治療をやりたくないという人はよいのですが、
やりたくとも払えないっていうのが切ない。
なるべく希望される人にはやってあげたいので、いろいろと考えますけど。


さらに新薬のお薬だともっとしますし。

転移・再発の人に使われるようになっているFOLFOX,FOLFIRIというやり方だと
数十万/月ですよ。

高額医療で変換されるものはあるけれど、厳しいですね。

もうちょっとなんとかならんもんですかね~。

   **************************************

数人の方からコメント頂いたので追記。

昔に比べると大腸癌の化学療法はものすご~く効果が出るようになったし、取りきれなかった癌の患者さんでも平均20ヶ月の予後が期待できるようになりました(いろんな抗癌剤を継続してですけど)。

保険でも認可が下りたおかげで月額100万以上かかってた治療が
何とか40~50万になったわけです(正確にはその何割負担かですけど)。

高額医療になればある程度以上のものは返還されますけれども、
まだまだ高いといわざるを得ません。
今後認可されるであろう分子標的マーカーというお薬を組み合わせると
(これが一番効くのですが)月100万超えると言われます(もちろん保険でです)。

きびしいですね。

海外は保険なんかありませんから日本よりも厳しいはず。
貧乏人は治療できませんといわれているみたいで不快な気分です。
患者さんみてても気の毒。

最終手段は「生活保護」になります。
生保だと国がお金出してくれるから。

でもね・・・

事情があって生保にも入れない人だっているわけですよ。

日本の医療はただでさえ現場に無理を強いて、

「がんばれ、金はだせん」

といってるわけでして、どうにかしてもらわないとホントにアメリカみたいに
国民皆保険がない、格差社会に突入してしまうでしょう。

みんな医療費が高いと言ってるけど、それがどれだけ医療者側の努力で抑えられたものなのかを
知って欲しいですね。

僕たちにタイムカードはありません。

よって残業手当もつきませんから・・・。

あ、なんか最後違う話になってきたw

banner_02.gif rakuteno.gif







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.05.30 12:07:16
[外科医のひとりごと] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: