大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

2006.06.15
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テーマ: 医者の生活(8)

先日の外来での出来事。

血便を主訴に外来を受診した患者様。お尻を診察しようとしたら、あらら・・・子宮脱ですね。

直腸脱と同じように、子宮をささえている靱帯が加齢や怒責などで弱くなって、子宮が下に落ちてきてしまい、膣口から子宮が出てきてしまう疾病です。

完全に子宮が顔をだしてしまっておりまして、血便もこれをこすってのものなのかと思いましたが、はっきりした痔核があるわけではなかったので、念のために大腸の検査として注腸検査を行いました。

いや~、みつかっちゃいましたよ・・・上行結腸癌でした。

こういうことがあるので血便は侮れません。

あきらかな進行癌でしたので転移の検索を行うためにCTを、さらに病変評価のためにCF(大腸内視鏡)を行いました。

幸いに今のところ他臓器への転移は認められず、手術すれば根治術は出来そうです。

患者さんとご家族がそろって来院され、上記説明しました。

診断がついた以上、出来るだけ早めの手術が望ましいということをお話ししまして、いまのところ早ければ週明けにも手術が出来るということを説明いたしました。

ちょうどそこだけ手術予定が空いていたんです。その後になるといっぱいいっぱいなので7月に入ってしまうということに。

すると患者さん本人は

「そこは(週明け)ちょっといやだわ~」

というわけです。その理由がですね、

「仏滅だから」

というわけですよ。

いっしょにきた家族と外来ですったもんだ始めたもんですから、

「あ~、外でご相談下さい。決まったら声かけてください。」

と、とりあえずここまででも時間喰ってたんで患者さんがつまってまして、お外にご案内させて頂きました。

うーん。

やっぱりご高齢の方になるとげんを担ぐ方っているんですよね~。
私なんかは、 関係ないでしょ! っていいたくなるんですけれども。
でも、まあ受けるのは患者さんですからいやといわれれば従わざるをえません。

待てば待つだけ転移のリスクが出ることをご説明の上、納得の上で7月手術予定としました。

ちょっと納得できかねますが仕方ないですね。

さらに時間的に余裕がでたこの患者さんはセカンドオピニオンを希望されました。

まあ、私がそういうきぼうがあればいってくださいと、セカンドオピニオンをたきつけたせいもあるのですが、某がん専門施設を受診されるとのことでした。

そしたら、受診予約をとったら2日後というじゃあないですか。

こちらの病院でやった検査の所見や、紹介状、レントゲン、CTなどそろえなければなりません。ばたばたとそろえました。

今月まつから来月にかけて学会が詰まっているのと、今日の午後に手術が入っていたのとで、と~っても余裕がなかったのですが頑張って全部そろえました。ふい~っ・・・

つかれました。

まあ、ご意見伺っていただいてうちの治療でいいといっていただけるのが一番ですかね。






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Last updated  2006.06.15 22:59:24
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