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自分で治すゆがみと痛み ゆびで改善 [ 外川 治美 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/11/2時点)楽天で購入 本書は約15年間整体をしてきた著者の経験を元にしたものである。私も最近寄る年波のせいか足が少ししびれるようになった。それが少しでも改善すればとの思いから、本書を読んでみようと思った。 体のゆがみから様々な不調が発生する。だから体のゆがみを直せば不調が改善する。このことは多くの整体師がいることから理解できるだろう。 ただ、本書にあるような共鳴法整体とかそれを著者が発展させた共鳴ゆび整体というのはデータ不足だと思う。言っておきたいが、それらを否定するつもりはまったくない。人間の体は不思議なものだ。まだまだ分かっていないことの方が多い。 施術を受けた母数も良く分からない。少なくともきちんと母数を確保して、片方はこの方法、もう片方は違う方法で比較し、ちゃんと統計処理をしないといけない。ブラセボ効果でなく、実際に効果があることを証明しないと私のような理系人を納得させることは無理だと思う。一番いいのは誰もが納得できるような理論でそうなるのかを示すことだろうが、今の科学ではたぶん無理だと思う。だから次善の策としてデータを積み重ねるという訳だ。 ともあれ「鰯の頭も信心から」と言う言葉もあるように、これをやることにより不調が解消されるならそれでいいと思う。本書に掲載されていることをやるのにお金はかからないし、時間もそれだけかからないからだ。☆☆☆
November 2, 2024
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【中古】 不要家族 文春文庫/土屋賢二【著】価格:220円(税込、送料別) (2024/7/26時点)楽天で購入 本書は、2009年12月から2011年3月にかけて週刊文春に連載したエッセイを纏めたものだ。土屋さんはお茶の水女子大の名誉教授で長年哲学を教えてきたのだが、自虐系ユーモアエッセイストとしか思っていない人も多いのではないかと思う。 とにかく、土屋さんのエッセイは自虐的なのだ。その割には頭に残らない。どうして頭に残らないんだろうと常々思っていたのだが、本書を読んで疑問が解けた。なんと、土屋さんは、自分の文章を、「すぐ忘れるように書いてある。」とおっしゃる。「ウソだと思うなら、本書を買って確かめていただきたい。一言も覚えていないはずだ。それもそのはず、読んでも頭に残らない文章になるよう工夫を凝らしているのだ。」(p3)と断言している。私としては、その努力を他の方に向けたらとつい言いそうになるのだが、きっと土屋さんには深い考えがあるのだろう。(私の勘違いのような気もするが。) 土屋さんのエッセイによく登場するのは奥様である。いかにも鬼嫁という感じなのだが、ちょっと怖いもの見たさで一度見てみたいものである。それにしても、こんなことを書いて土屋さん奥様に怒られないのだろうか。☆☆☆☆
July 26, 2024
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不要不急の男 (文春文庫) [ 土屋 賢二 ]価格:715円(税込、送料無料) (2024/5/3時点)楽天で購入 本書は、お茶の水女子大学で長年哲学の教鞭をとられて、現在は名誉教授である土屋賢二さんのエッセイ集である。まえがきによれば、「週刊文春」に連載された「ツチヤの口車」に手直しを加えた文章をまとめたものだということだ。 私はあまり哲学というものは信用していない(放送大学で少し学んで益々そう思うようになった。そもそも昔はなんでも哲学に含まれていただろうが、根拠のあるようなものは次々に哲学から分離してそれぞれの学問分野を気づいている。要するに哲学とは根拠レスなものを延々と考えるようなものだろう。)ので殆ど読むことはないのだが、土屋さんの著作は別である。なにしろあの自虐的なところが、なんとも抱腹絶倒なのだ。 ただギャグがあまりにもくどいところがあるので、次に読むときは少し間を空けることをお勧めしたいというのは以前書いた通りである。内容もきれいさっぱり忘れている(ずっと覚えているようなことは一言一句ない(笑))ので、何度も笑えて、ものすごくお得である。いくら本が高くなったといえ、あの値段で長く楽しめることを考えればまだまだ安いといえるのではないだろうか。 ひとつ大笑いしたことがある。土屋さんの提唱する新競技のひとつなのだが、ボクシングの殴りあいをしながら暗算し、休憩時間にわんこそばの大食い競争をする複合競技というものだ(p34)。本当にやればまさに文武両道(笑)(いや「武」はともかく「文」は少し大げさか?でも暗算でなく大学入試レベルの数学をやらせれば間違いなく文武両道になれるかも?)。他にも土屋さんの提唱する新競技があるので本書を読んで確かめて欲しい。☆☆☆☆
May 3, 2024
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女子の心は、なぜ、しんどい? [ 清水あやこ ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/4時点) よく「女心と秋の空」ということを聞く。本書は、男子にとっては不可解に見える女子のトリセツ。なぜ私がいただいたのか。思うに男の目から見た感想を聞かせてくれということだろうと勝手に解釈する。 男が疑問に思うのは、なぜ女子は他の人と行動したがるのだろうかということ。トイレにまで連れ立って行くというのが私には理解できない。本書は、女性が回りに合わせてしまうこととして「自己内同調圧力」(p28)という言葉を使っている。要は他の人と同じ行動をすると安心するのだ。しかし、これが男子にまで影響してくるとちょっと問題だろう。ぼっち飯、便所飯という言葉が男子にまで広がってきたのが、そのいい例ではないのか。これらの言葉の裏には、飯は誰かと食べるものという前提が隠れている。私など、飯くらい一人で食べろよと思ってしまうのだが。 三次元の女子を面倒くさがって、二次元美少女に逃げる男子も多いのではないかと思う。二次元美少女は、男が創造していることが多く、あまり面倒くささがない。しかし、現実にはそんな女子なんてどこにもいないのだ。 ところで、今は女子の方が生きやすい社会だと思う。例えばデパートを見れば、売っているのは圧倒的に女子のもの。男物は女性用に比べてものすごく少ない。男女雇用均等法なども女子の後押しをしているが、働きたい女性だけでなく、幸せなお嫁さんになることを夢見ている女子もある程度はいるのではないのだろうか。 確かに男で苦労している女性がいるのは事実だろう。しかし、それは端的に言えば男を見る目が無かったということではないのか。昔からよく聞くことに、女子は不良っぽい男に引かれるというものがある。この人はワルだが、自分だけは大切にしてくれるというような幻想に囚われてはいけない。不良よりは、まじめな男の方がよほど優良物件だと思うのだが。 このようなことが書かれているが。他でも読んだことがある記憶があるので、割と一般的な見解だろうと思う。「女性は平等主義であり、男性より一部の人のみが上位に立つべきという考えが薄いことも明らかになっています」(p42) 本当だろうか。確かに女子はあまり年齢などを気にしないところがあるかもしれない。亭主が年上でも、妻の方が家庭内で力を持っているのなどそのいい例だろう。しかしよく聞く「お局さま」の存在はどう考えるのか。私が現役時代の社宅の奥様方といったら・・(以下略)。これは平等主義というより、自分が中心に座りたいということが本当なのだろうと思う。 しかし、ちょっと一般化しすぎているような気もする。色々な趣向の人間がいるものだ。本当は一部の女子に当てはまるだけかもしれないのに、安易に女子全部に一般化してしまうというのも女子の特徴かもしれない。女子の心がしんどいのなら、山田洋次が原作・脚本・監督を手掛け渥美清が主演した「男はつらいよ」という映画もあったことも忘れてはならない。結局人間というものは、生きている限り、それぞれいろいろなものを心に抱えているんだろう。※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 4, 2018
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野草の力をいただいて 若杉ばあちゃん食養のおしえ 改訂版 [ 若杉 友子 ]価格:1620円(税込、送料無料) (2018/6/27時点) 俳優の岡本信人さんのように、野草をなんでも天ぷらにして食べちゃう人はそう珍しくはないのだろう。もちろん野草の中には、毒のあるものがあるので、十分気を付けなくてはならないが、食べられる野草というものは意外に多い。そういえば、麒麟の田村氏なんかも、公園生活をしていた時は雑草を食べていたらしい。 私も、田舎育ちなので、食べはしないが、スイバやツバナなどを噛んでいた覚えがある。野イチゴや野生のグミ、天然の山芋、アケビなど、山に行けば結構食べられるものはあった。 ということで、本書のタイトルを見て、いかに野草を食べるかというような内容だと思っていたのだが、読んでみると少し違った感じを受けた。確かにレシピはいろいろと載っているのだが、野草だけでなく普通の野菜も結構ある。 食べられる野草というのは結構多いものだが、思ったほどの種類は紹介されていない。どちらかといえば、著者の生活ぶりや主張の方が目立ってしまうというのは気のせいか。 ちょっと違和感を感じるのは、どのくらいの根拠があるのかわからないが、とにかく決めつけているような内容が多いということだ。目次に「陰陽」とあったのが、少し気になってはいたが、どことなくスピリチュアルな香りがして、科学の子を自認する私とはあまり相いれないなという気がする。※初出は、「本が好き!」です。
June 27, 2018
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吉田麻也 レジリエンスーー負けない力 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション) [ 吉田麻也 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/6/13時点) 最初に断っておきたいが、私は運動方面(スポーツとカタカナで言うの嫌いだ)には一切興味はない。その中にはもちろんサッカーも入る。著者は有名なサッカー選手のようだが、私は興味がないので、今回初めて名前を知ったくらいだ。 普通この手の本はまず読まないのだが、今回は頂き物ということもあり、自分が食わず嫌いという可能性もあるので、自分の知らない世界を探求しようという好奇心で読んでみた。読んでみたら案外面白かったという可能性もあるからだ。 描かれているのは、一言で言えば、著者がこれまで歩んで来た道ということだろうか。要するに、自分はがんばってここまで来たと言いたいんだろうが、残念ながら私には「ふ~ん」という感じしか受けなかった。 それでも面白いと思ったのは、著者の兄弟の名前だ。著者は「麻也(まや)」で、その名前からよく女の子に間違えられたそうだ。ちなみに長兄は「穂波(ほなみ)」、次兄は「美礼(みれい)」らしい。麻也パパ、どれだけ女の子が欲しかったんだ? もう一つ興味深かったのはJリーグのプロ契約には、A契約、B契約、C契約に分かれていて、それぞれ待遇が違うということ。また、バスの席なんかもベテランの指定席というようなものがあったという。お前らどこかのガラの悪い高校生か?どうもこのような体育会系的な部分が自分には合わないようだ。 一読してみて、つくづく私には興味がない世界だということを再認識したが、自分に合わないだけで、この道に興味を持っている人、著者のファンの人にはいいのではないかと思う。※初出は、「風竜胆の書評」です。
June 13, 2018
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ジオパークって知っていますか? 我が故郷が一昨年ジオパークとして認定されました。地質学的な観点からは、世界自然遺産でもおかしくないと思っているのですが。 そのあたりの話をコラムに纏めて、「シミルボンに投稿」しています。
July 17, 2017
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】窓際OL人事考課でガケっぷち [ 斎藤由香 ] どくとるマンボウこと故北杜夫さんの娘さん、斎藤由香さんのエッセイ集、「窓際OL人事考課でガケっぷち」(新潮文庫)。内容は、彼女の会社生活に題材を取ったもので、週刊新潮に連載されていたものから抜粋して、加筆を行ったものだという。 斎藤さんの愉快なOL生活が窺えて、とても面白いが、中でも、自身の人事考課に対する愚痴と、「キャバクラ課長」と名付けられた某課長とのメールのやり取りが秀逸である。 斎藤さんは、毎年人事考課の季節が終わると、鬱状態になるという。何しろ、評価は散々、同僚や後輩は、どんどん部長や課長になっているというのに、自分だけは相変わらずヒラのまま。遂には、関係会社に飛ばされてしまう。まさに、会社員の悲哀といったところだが、コメントしようとすると、少し難しい。 斎藤さんは、人事考課に関する部長との面談の中で、相当のダメ出しをくらう。曰く、「会社の求めているものと違う」。曰く「マネージャーには向かない」。これを、真面目にコメントしようとすると次のようになる。大体人事の基準なんてものは、かなりいいかげんで、恣意性が入りやすい。このステージの役割ならこうだからなんて書いてあっても、それはしょせん落すための口実であり、人によって適用される基準が違うのである。そもそも、人間には得意、不得意があるので、すべての基準を厳密に適用すれば、それに当てはまるような人間なんてどこにいるのか。結局は、不得意なところをうまくごまかし、得意なところで勝負する。これが会社生活の極意なのだ。斎藤さんの貢献した部分を見ずに、落すために必要な部分だけをあげつらうというのは、なんという狭了な会社だろう・・・と、普通ならこのように言いたいところである。 しかし、コメントが難しいといったのは、本書を読んでいると、本人もこの境遇をを愚痴りながらも、エッセイのネタにしてかなり楽しんでいるような節も見られるというところだ。おまけに出版社も読者も、人事ネタを楽しみにしているようなのだから、会社としても、宣伝になるので、そのネタを提供しようといったところなのだろうか。普通の会社では、人事考課のことなど、とてもエッセイになんて書けはしないので、案外この推測もありかなとも思ってしまうのだ。 ともあれ、齊藤さんが、スポニチの記者にマカの説明をしたところ、「愚息ムクムク!硬化バツグン!」と記事にしてもらえ、そのおかげで、売上前年比6000%になったという。それからは、すっかり、「マカの伝道師」となってしまったようで、今後も人事考課などにめげずに頑張ってほしいものだ。 そして、フランスのボルドーに飛ばされた、「キャバクラ課長」との楽しいメールのやり取り。齊藤さんが、そのキャバクラ課長の送別会に潜入したところ、出席者が豪華なことに驚く。その時の出席者のスピーチで明らかになったのは、酔っ払って触わられたりする代りに、その人のエッセイのコピーを色々なところに配って、PRしてあげたりするような優しい人でもあるということ。「私も触られた」と会場は盛り上がったようだが、決して嫌がられてはいなかったようである。そこで思わず出た、斎藤さんの科白が、「私は一度もお尻を触られたこともないし、コラムをコピーしてPRしてもらったこともないんですが!!」 ん! お尻触って欲しかったのだろうか(笑)。でも、このキャバクラ課長、斎藤さんのメールに付き合って、ネタを提供してくれただけではなく、最後に「いやよ!いやいや!」と言いながら(いや、言ってないか(笑))、結局は実質的なあとがきまで書いてくれたのだから、本当に優しい人みたいだ。 この他にも、楽しいコラムが満載で、つい噴き出しそうになるようなことばかり。とても面白い。☆☆☆☆※本記事は、「風竜胆の書評」のバックアップです。
January 16, 2015
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】南Q阿伝(5) [ 光永康則 ]価格:648円(税込、送料込) 南Q阿伝5巻と数理科学 2014年 06月号を注文した。数理科学は、今見たら売り切れになっていたので、自分が最後の1冊を買ったのだろうか?【楽天ブックスならいつでも送料無料】数理科学 2014年 06月号 [雑誌]価格:1,030円(税込、送料込)
June 14, 2014
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【送料無料】食べてのほほん [ 村山尚子 ]価格:1,365円(税込、送料込) 春夏秋冬と、四季折々の食材を描いた歳時記、「食べてのほほん」(村山尚子:明治書院)。 本書は、日本農業新聞に掲載したものをベースに加筆したものだそうだ。紹介されている各食材について、それぞれ見開き2ページで解説するというのが基本構成となっている。面白いのは、タイトルが、その食材に関係のあることわざや慣用句になっているところだ。そして、その言葉に関する解説や食材に関する蘊蓄を織り込んだエッセイが本文として続く。このエッセイがなんとも楽しいのである。おまけに、各食材毎に描かれているイラストも、ほのぼのとした感じで、タイトルの「のほほん」という響きに良く合っており、イラストだけ眺めていても、なんだか楽しくなってくる。 取り上げられている食材は、諺や慣用表現に使われるくらいだから、特に変わったものはない。どれもおなじみのものである。必ずしもその季節でなければ、食べられないというわけでもない。しかし、食べるならやっぱりこの季節が一番と言ってもよいものばかりだろう。 それにしても、食材に関する言い回しにも案外と知らない言葉があるものである。本書は、楽しみながら、そのような諺や慣用表現に詳しくなるだけでなく、その食材に関する豆知識もつくという優れものだ。今は、食材にも、昔ほどの季節感がなくなってきているが、本書を参考に、四季折々の旬の味を楽しみたいものである。※本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。
January 28, 2014
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【送料無料】リスボン坂と花の路地を抜けて [ 青目海 ]価格:1,575円(税込、送料込) 「リスボン 坂と花の路地を抜けて (KanKanTrip)」(青目海:書肆侃侃房)を読みて作る歌。長歌形式での書評にチャレンジしてみました。長歌は五七を続けていき、最後に七で結ぶものです。反歌もつけています。 目の前の 頁開けば 広がるは 異国の街並 我が心 海をも越えて 飛んでいく 遥かなる地に ポルトガル 美しきかな リスボンは 古き都 アンタンの 通り行きかう たくさんの 異国の人たち 珍しき かの地の言葉 紙面より 聞こえてくるや リスボンは 花の街にて 目を奪う 紫の花 そはこれが あのジャカランダ 美しさ 街を覆いき 窓辺には 白き蔓バラ 咲き誇る 今が盛りと 市場にも 色とりどりに 花売られ 食されるなり リスボンは 坂の街にて 行き通う 路面電車 息切らせ 上り来たりし 坂道で ふと立ち止まり 見下ろせば かのテージョ川 煌めくは 青き水面 映りけり 目に鮮やかに 我が体 邦土にあれど 心飛ぶ まだ見ぬ地へと あこがれは 山より高く 積もりせし 読み進むほど 思い入れ 海より深く 沈み行く 本の世界の 遥かな淵へ 反歌 身はひとつ 東の島に あろうとも 心羽ばたく リスボンの空 ※ 本記事は、2013年07月10日付で「本の宇宙」に掲載したものの写しです。
July 11, 2013
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【送料無料】ザ・万歩計 [ 万城目学 ]価格:540円(税込、送料込) 「鴨川ホルモー」など、独自の作風で知られる小説家の万城目学氏が、自分の思い出や日常の愉快な話などを集めた面白エッセイ集・「ザ・万歩計」(文春文庫)。彼の作品の作風から想像はついていたが、本書を読むと、やっぱり「オモロイ人なんや」とますますその思いを強くする。⇒続き
May 13, 2013
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【送料無料】少年になり、本を買うのだ [ 桜庭一樹 ]価格:882円(税込、送料込) 私が好きな作家の一人である桜庭一樹さんの「少年になり、本を買うのだ」(東京創元社)。読んだ本の話を中心に、仕事の話、家族の話、編集者たちの話を織り交ぜた楽しいエッセイ集である。⇒続き
April 20, 2013
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【送料無料】教授の異常な弁解 [ 土屋賢二 ]価格:530円(税込、送料込) 土屋賢二氏といえば哲学の研究者でお茶の水女子大学名誉教授でもある。世間一般の基準ではいわゆるエライ人だ。しかし、そんな輝かしい経歴にも関わらず、世間では自虐ネタ満載のユーモアエッセイストとしての顔の方が有名だろう。この「教授の異常な弁解」(文春文庫)も、そんな抱腹絶倒のエッセイを満載した、ツチヤ本の一冊である。⇒続き
April 7, 2013
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坂口安吾といえば、戦前から戦後にかけて、無頼派として活躍していた作家であるが、こんな変わったタイトルの随筆も書いている。岡本綺堂作の「相馬の金さん」と言う作品に出てくる、主人公金さんの恋人である常磐津の師匠を、その当時の今風の娘たちと比べたものだ。⇒続き【送料無料】 坂口安吾全集 03 / 坂口安吾 【全集・双書】価格:8,190円(税込、送料込)
March 29, 2013
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「日本植物学の父」とも呼ばれ、日本の植物学の発展に多大な貢献をした牧野富太郎博士の随筆、「アケビ」。ご存じの方も多いと思うが、牧野博士は、小学校中退ながら植物学一筋、東京帝国大学理科大学の講師となり、ついには理学博士の学位まで得た苦労人だ。⇒続き2倍〜3倍の実がなる★果皮は美しい濃紫紺色! ジャンボアケビ(紫水晶)《果樹苗》「☆」価格:2,079円(税込、送料別)
March 27, 2013
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【送料無料】チャンピオン RED (レッド) 2013年 05月号 [雑誌]価格:750円(税込、送料込) 年甲斐もなく、毎月買っている月刊コミック誌が一つだけある。「チャンピオンRED」(秋田書店)だ。発刊当初は、少年誌としての位置づけだったようだが、現在では、表紙に「ハイクオリティハイエンド青年コミック誌!」という表示がされており、子供向けの雑誌ではないということが明確にされている。⇒続き
March 23, 2013
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【送料無料】ジェシカ16歳夢が私に勇気をくれた [ ジェシカ・ワトソン ]価格:1,680円(税込、送料込) これは、感動的な物語だ。「ジェシカ16歳 夢が私に勇気をくれた ―True Spirit (Woman's Best)」(ジェシカ・ワトソン/田島巳起子:書肆侃侃房)のことである。⇒続き
March 2, 2013
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【送料無料】雨ニモマケズ [ 宮沢賢治 ]価格:945円(税込、送料込)<雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・> 宮沢賢治の有名なこの詩は、国語の教科書などでも目にした人も多いだろう。さらりと読めば、単に彼の理想とする生き方を書いているようにも思える。しかし、この詩の本質は、そんな生易しいものではないだろう。⇒続き
February 21, 2013
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【送料無料】日本全国ゆるゆる神社の旅 [ すずきさちこ ]価格:1,155円(税込、送料別) 我が国には八百万の神々がおわしますということになっており、全国津々浦々に神社が存在する。有名な神社にお参りするのを目的に、旅をする人も多い。「日本全国ゆるゆる神社の旅」(サンクチュアリ出版)の著者の鈴木さちこさんことパピコさんもそんな一人のようだ。⇒続き
January 21, 2013
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【送料無料】ザ・万遊記 [ 万城目学 ]価格:540円(税込、送料別) 「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」などのちょっとヘンで面白い作品で知られる万城目学のエッセイ集、「ザ・万遊記」(集英社)。初出一覧を見ると10種類以上の様々な新聞、雑誌に発表したものを一つにまとめたものらしい。⇒続き
December 12, 2012
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【送料無料】聖地をたどる旅ー熊野 [ 原水音 ]価格:1,680円(税込、送料別) ユネスコの世界遺産にも登録されている熊野古道。熊野三山をはじめとするこのエリアは古より、聖なる地として、信仰の対象となり、時の上皇から庶民に至るまで、多くの人々を惹きつけて来た。その熊野の魅力を十分に堪能するためのガイドブックが、「聖地をたどる旅 熊野」(原水音:アールズ出版)である。⇒続き
October 26, 2012
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【送料無料】光太郎智恵子うつくしきもの [ 高村光太郎 ]価格:1,680円(税込、送料別) 高村光太郎といえば、本来は、父の光雲と共に、我が国を代表するような彫刻家なのだが、むしろ、「智恵子抄」などの詩集で知られる、詩人としての顔の方が有名かもしれない。この光太郎による「三陸廻り」と「みちのく便り」の二つの文章を核に、彼の全集編纂などに関わってきた北村太一氏が、解説を加えて取りまとめられたものが、「光太郎智恵子 うつくしきもの 「三陸廻り」から「みちのく便り」まで」(二玄社)である。⇒続き(本の宇宙)
August 20, 2012
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【送料無料】現代百物語 [ 岩井志麻子 ]価格:540円(税込、送料別) 百物語というのをご存じだろうか。怪談会を行う際、まず百本の蝋燭を灯しておく。集まった人々が順番に怪談を語り、一人の話が終ったら一本消していく。百本目が消えると、本物の怪異が現れるというので、通常は、99話で止めておくらしい。⇒ 続き(本の宇宙)
August 10, 2012
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【送料無料】パンツの面目ふんどしの沽券 [ 米原万里 ]価格:672円(税込、送料別) 故米原万里による爆笑下半身エッセイ「パンツの面目ふんどしの沽券」(筑摩書房)。米原さんは、ロシア語通訳としても知られた人である。⇒続き(本の宇宙)
August 8, 2012
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【送料無料】萌えキャラマンガデッサン価格:2,100円(税込、送料別) こっ、これは楽しい!「萌えキャラマンガデッサン (コスミックアートグラフィック よくわかるマンガの描き方1)」(イマジネーション・クリエイティブ編:コスミック出版)だ。イラスト好き、可愛いもの好きにとってはたまらない、「萌えキャラ」の描き方について、多くの実例を示しながら、基礎から解説したものである。⇒ 続き
June 19, 2012
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【送料無料】欲情の作法価格:1,155円(税込、送料別) 文学界の大御所である渡辺淳一氏による、「欲情の作法 実践的最新恋愛講座」(幻冬舎)。電車の中では絶対に開けないようタイトルだが、内容の方もなんといったら良いのか・・・ ⇒ 続き
May 20, 2012
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【送料無料】水曜日は狐の書評価格:924円(税込、送料別) 2006年に他界された、随筆家で書評家の山村修さんが、「狐」のペンネームで、毎週水曜日に「日刊ゲンダイ」に発表した書評を集めた、「水曜日は狐の書評」(筑摩書房)。1999年5月から2003年7月までに発表された202編が収録されている。 ⇒ 続きはこちら
March 17, 2012
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【送料無料】誤読日記価格:870円(税込、送料別) 「本は誤読してなんぼ」と言いきるすがすがしさに感心する「誤読日記」(齊藤美奈子:文芸春秋社)。 ⇒ 記事はこちら
December 14, 2011
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【送料無料】「わたしはわたし!」セルフ・ラブで幸福の扉を開ける15の鍵価格:1,155円(税込、送料別) 自分の中にある「セルフ・ラブ」を育てていくことが、幸せに近づく近道だという「「わたしはわたし!」セルフ・ラブで幸福の扉を開ける15の鍵」(溝口あゆか:JULIAN)。 ⇒ 記事はこちら
December 1, 2011
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【送料無料】また、やっちまった!価格:1,365円(税込、送料別) 記事はこちら
November 17, 2011
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【送料無料】僕たちは美しく生きていけるのだろうか。価格:1,365円(税込、送料別) 脳科学者として有名な茂木健一郎氏のエッセイ集 ⇒ 記事はこちら
October 24, 2011
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【送料無料】食べない人は病気にならない価格:1,000円(税込、送料別) これは、本当なら、あまりレビューしたくはなかったのだが・・・ ⇒記事はこちら
September 3, 2011
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下の2つは、レビューができた。コミックスは、読むのに時間がかからないので、比較的書きやすいのだが、その分どうしても内容が薄くなってしまう。 ブログへのアップは、原則一日一作品までと決めているので、順次「本の宇宙」の方へ掲載していく予定である。乞うご期待!【送料無料】銃姫ーPhantom Pain-(1)価格:630円(税込、送料別)【送料無料】血まみれスケバンチェーンソー(3)価格:672円(税込、送料別)
September 2, 2011
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こちらも現在読んでいる本。それにしても、なかなかレビューが書けない。【送料無料】四人の署名価格:651円(税込、送料別)【送料無料】歴史の謎に迫る偽書価格:700円(税込、送料別)【送料無料】銃姫ーPhantom Pain-(1)価格:630円(税込、送料別)【送料無料】血まみれスケバンチェーンソー(3)価格:672円(税込、送料別)【送料無料】ひぐらしのなく頃に解祭囃し編(8)価格:600円(税込、送料別)
September 1, 2011
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【送料無料】アマテラス価格:819円(税込、送料別)【送料無料】コンダクター価格:660円(税込、送料別)【送料無料】海と炎の娘価格:987円(税込、送料別)【送料無料】宇宙論入門価格:735円(税込、送料別)【送料無料】神隠しと日本人価格:660円(税込、送料別) いつも、何冊かパラで読んでいるので、これはその一部。
August 31, 2011
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【送料無料】晩年の発見価格:1,575円(税込、送料別)本書を読むと、自分はまだまだこれからと思えてくる。⇒記事本文はこちら
August 1, 2011
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【送料無料】脱!家事オンチ価格:1,260円(税込、送料別) 一家に一冊あれば便利かな⇒ レヴューは「本の宇宙」に掲載○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)・「本が好き!」の風竜胆の書評ページ
July 7, 2011
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【送料無料】はじめてでもできる!ベランダですずなり野菜価格:1,680円(税込、送料別) 今年の夏は、エネルギー不足で暑くなりそう。せめて、ベランダで野菜でもつくって暑さを緩和しよう。 ⇒ 記事は「本の宇宙」に掲載○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)・「本が好き!」の風竜胆の書評ページ
May 27, 2011
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【送料無料】災害がほんとうに襲った時価格:1,260円(税込、送料別) 災害と戦った精神科医の50日間の記録⇒記事は「本の宇宙」に掲載○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)・「本が好き!」の風竜胆の書評ページ
May 5, 2011
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講談社Book倶楽部から小さな封筒が来た。本でも当たったのかなと思って開けてみると、出てきたのは「東野圭吾公式ガイド」。なんでも、作家生活25周年特別企画で、全タイトル本人コメント収録だそうだ。彼の作品で、ガリレオシリーズと加賀恭一郎シリーズは大好きなのだが、中には、私に合わないものもあるので、このガイドブックは、買う時の参考になって便利だろう。 それにしても、最近、小さなものが良く当たる。もっとでっかい物が当たってくれればうれしいのだが(笑)。 【送料無料】ガリレオの苦悩価格:1,600円(税込、送料別) 【送料無料】新参者価格:1,680円(税込、送料別)○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)・「本が好き!」の風竜胆の書評ページ
April 11, 2011
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【送料無料】ウィキリークスでここまで分かった世界の裏情勢 実際問題としては、謀略や密約といったものは、まだまだ必要悪なのかもしれない。 世界がもし、紳士・淑女ばかりの100人の村だったら、謀略も密約も必要無いだろう。しかし、現実の世界は残念ながらそうではない。国と国との問題は、単純に1か0かで割り切れるようなものではないのだ。 レビュー本文は「本の宇宙」に掲載。○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)・「本が好き!」の風竜胆の書評ページ
April 6, 2011
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本書は三つの視点から読むことができるだろう。すなわち、独学の重要性、一貫性を持った環境行政の重要性、海の怖さである。 レビュー本文は「本の宇宙」に掲載。○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
January 24, 2011
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この本は、ゆうな(日本人)とロバート(アメリカ人)の結婚生活を描いた漫画をところどころに挿入しながら関係する事項について解説していくという形式となっている。ロバートが時折宝塚の男役のように見えてしまうのはさておき、この漫画がなかなかコミカルで面白い。 レビュー本文は「本の宇宙」に掲載。○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
January 13, 2011
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三重県と言えば、伊勢志摩国立公園、伊勢神宮、真珠、松阪牛、赤福餅などがすぐに思い浮かぶが、そんな三重県の魅力を一冊のムックに集めたもの。三重県の美味しそうな食が満載だ。見どころの方は、食に比べてちょっと少ないのが残念。でも、眺めていると三重に旅行したくなってくる。 レビュー本文は「本の宇宙」に掲載。○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
December 11, 2010
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「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。」というフレーズであまりにも有名な、高野悦子さんの日記を基に出版された「二十歳の原点[新装版]」(高野悦子:カンゼン)。時代に翻弄された一人の女性の孤独と悩みのようなものが、伝わってくるようだ。 レビュー本文は「本の宇宙」に掲載。○「二十歳の原点ノート」および「二十歳の原点序章」 ○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
December 6, 2010
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子供の弁当のおかずに頭を悩ますお母さんから弁当男子までお勧め、美味しそうな弁当のおかずにぴったりのレシピが満載。もちろん、普通のご飯のおかずにもいい。著者のよりのまさみさんの運営する「弁当ブログ」の記事を集大成したものだそうだ。 レビューは、「本の宇宙」に掲載○全国の弁当色々 ○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
November 28, 2010
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吉田茂の懐刀として、終戦連絡中央事務局で要職を務め、GHQを向こうに回して、戦後処理に尽力した男、白洲次郎。彼の生涯については、だいぶ前に本ブログで紹介した「風の男白洲次郎」(青柳恵介:新潮社)に詳しい。なかなかに魅力的な人物であったことは、この本でもよく分かるのだが、やはり、彼が直接書いたものを読んでみたいということで、「プリンシプルのない日本」(白洲次郎:新潮社 )というものを買ってみた。本書は、彼が、1950年代に、「文芸春秋」を中心に発表した文章を集めたものである。もっとも、タイトルになった「プリンシプルのない日本」という文章は、1969年に「諸君!」に発表したもののようである。 ○「プリンシプルのない日本」(白洲次郎:新潮社 ) 彼の魅力は、その歯に衣着せぬ言論と、どこか奇矯とも思える行動である。写真を見ると、ちょいワルオヤジといった印象の人物であるが、かなり天衣無縫の人物だったようだ。本書の初めに、今日出海氏が「野人・白洲次郎」という一文を寄せて、白洲次郎を「育ちの良い生粋の野蛮人」で紳士道を理解している「サムライ」だと言っているが、これが彼の人となりをよく描写しているようで、なかなか面白い。 しかし、その目は、確実に、世界の中の日本と言うものを見つめている。彼は、日本人の大部分が、アメリカと戦うなど予想もしていない時に、日米開戦は不可避であり、東京は焼け野原になるだろうと言っていたそうだ。だから、戦前の段階で鶴川村に疎開し、農民として人知れず食糧増産に励んでいたらしい。 タイトルから分かるように、彼はプリンシプル、すなわち原則というものを非常に大切にした人である。「すべての物事で大事なのはそのこと自体より、それにかかり合っている原則だということを忘れてはならない。」(P62) しかし、我々の周りには、現象の上っ面だけ捕えて、枝葉末節的な解釈のみに終始し、そのプリンシプルは何かということを考えてもみないことがあまりに多いように思われる。彼の「西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である」(p217)という言葉は、今でも決して色あせてはいない。 もう一つこの書で興味深いのは、戦後の占領時代の様子がうかがえることだ。特に日本国憲法がいかにしてできたかという話は、日本人として正しく理解しておく必要があると思う。現在の日本国憲法は、GHQであらかじめ用意した草案を翻訳して造られたもののようだ。GHQのオエラ方の夫人が、その草案の一章だか一項だかを書いたのは、当時休暇で日本に来ていた大学生の総領息子だと自慢げに公言していたことを、そこの高官の一人が嘆かわしげに、白洲氏に話してくれたとのことである。 「この憲法を平和憲法だなんていってありがたがっている御連中は、おそらくこの憲法の出生由来を知らないのではないだろうか。」(p165) GHQと渡り合い、占領政策の内側を知る白洲氏ならではの言葉だろう。ただ、白洲氏は、憲法自体の出来の悪さはともかく、そこに流れているプリンシプル自体は素晴らしいとも言っていることには注意しなくてはならないのだが。 それにしても、白洲次郎と言う男、スケールの大きな人物である。寡聞にして、最近の日本でこのような人物を知らない。今の日本に必要なのは、こんな人物だろうに。 ○ランキング今何位? ○関連過去記事・風の男白洲次郎○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
May 6, 2010
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歌集「一握の砂」や「悲しき玩具」などで知られる石川啄木。その啄木が明治40年に「盛岡中学校校友会雑誌」に発表した、「林中の譚」という短いエッセイを、現代語に訳し、絵本に仕立て直したのが、「サルと人と森」(石川啄木/山本玲子/鷲見春佳:森びとプロジェクト委員会)である。 内容は、林の中に入り込んだ人間が、サルと議論をするというもの。人間の自慢を、サルがことごとくは言い負かしている。この童話と原文の「林中の譚」を併せて読むと色々な驚きがある。 まず、原文の発表されたのは今から約100年前のことであるが、もう現代語訳でないと読みにくくなっているということ。原文は、確かに格調高い文体で書いてあり、読もうとして読めないこともないのだが、余り昔の文体に慣れてない人には、読むのはなかなか大変だろうと思う。 この短い話の中には、自然を破壊してきた文明への過信、人間の奢りといったものに対する鋭い批判がある。これも原文が発表されたのが、まだ文明開化の熱もさめやらぬ明治40年であることを考えてみると、その先進性に驚く。 「人間はすでに祖先を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほど、この世にのろわれるものはないだろう。」 サルの嘆きは、そのまま啄木の嘆きでもあったのだろう。 ○石川啄木関係の書籍(「サルと人と森」とは直接の関係はありません) ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 26, 2010
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普段、あまり雑誌は買わないのだが、週間ダイヤモンドが「FREE」の特集をしていたので、つい買ってみた。もちろん、「FREE]とは、クリス・アンダーソンによる今話題の書籍のことだ。実はこの本も既に買っているのだが、積読軍団との戦いに追われて、なかなか読む暇がない。そこで、手軽にそのエッセンスだけでもという訳だ。○「週間ダイヤモンド 2010 3/13号 FREEの正体 」(ダイヤモンド社) 「FREE]は、16万部も売れているという。この国で、100万部以上売れると言うと、コミックスか芸人の書いたつまらない本位なので、この数字はハードカバーのビジネス書としては、かなりの健闘ぶりではないだろうか。 知らない人はあまりいないと思うが、「FREE」とは「自由」のことではない。不自由な境遇にあった者が、自由を求めて叫んでいるという内容では無いので念のため。ここで言っている「FREE」とは「無料」すなわち「タダ」のことである。 自分の周りを眺めてみレば、特にネットの世界を中心に、無料のサービスが多いということに気がつくだろう。私たちも、それが当然のこととして、受け入れているのではないか。でも考えてみるといい。何事もすべて、唯で行える訳はないのだ。ネットの世界で何かをやるにしても、サーバーなどのハードの費用や、サービスの運営のための費用がかかる。それでは、どうして、こんなことが可能なのか。今回の特集はそのからくりの本質を明らかにしてくれる。 「FREE」のモデルは次の4つに分類できるという。すなわち、1.直接的内部相互補助、2.三者間市場、3.フリーミアム、4.非貨幣市場 である。4番目は少し他のモデルと違うが、後は、どのモデルにしても、結局は誰かが金を負担しているのであって、サービスを受けている人と金を出している人が違うために、結果として、使用者にとっては無料となっているのだ。 一方ネットの世界には、「ネットワークの外部性」や「限界コストが限りなくゼロに近い」といった特徴がある。こういった特徴が、「FREE]のビジネスモデルとよくマッチングし、今のような盛況を成しているのではないだろうか。 今回の特集は、「FREE」のエッセンスが分かったような気になってくる。もちろん、書籍の方には、もっと濃い内容が書かれているのだろうが、これでもう「FREE」を読んでしまったような気になって、肝心の書籍の方をいつまでも「積読軍団」の中に埋もれさせてしまうことを少し心配している。○「FREE(フリー)」(クリス・アンダーソン/小林弘人:日本放送出版協会) ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。)
March 14, 2010
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