時空の流離人（さすらいびと）　(風と雲の郷本館）

風竜胆

コミックスから専門書まで、あらゆる本を読みます。元エネルギー企業の専任部長。現在は、ライター・書評家を標榜する自由人ｗ時に書評が過激になるのは、長州人の血？現在「シミルボン」と「本が好き！」でも活動中。執筆依頼、献本等歓迎します。「風竜胆の書評」右欄のメッセージ機能にてご連絡ください。

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January 6, 2007

「世の中、拾うものはあっても、捨てるものはなかと！」

　もう、一昨日のことになるが、テレビで新春ドラマスペシャルとして、「佐賀のがばいばあちゃん」をやっていた。

　いうまでもなく、ベストセラーにもなり、映画にもなった、島田洋七氏の少年時代を描いた作品である。広島に住んでいた徳永昭広（＝島田洋七）は、母親が仕事をするため、佐賀の祖母のもとに預けられる。「がばい」とは、佐賀弁で「すごい」という意味のようだ。このドラマには、徳永少年が「ばあちゃん」と過ごした、小学１年生から中学卒業までの出来事が描かれている。

　このばあちゃん、とにかく貧乏である。でも、決して貧乏を嘆いてはいない。むしろ貧乏を楽しんでいる、一種の人生の達人のような人である。

　ばあちゃんと徳永少年とのやりとりがなんとも面白い。例えば、徳永少年が腹が減って眠らないときの会話である。

「腹が減った。」　　「気のせいや！」

　「やっぱり腹が減った。」　「夢や！」

　万事この調子なのである。

　また、徳永少年の１と２ばかりの通知表を見て、

「足したら５になる。人生は総合力や！」

　なんとも、ものの本質をつかんだ言葉ではないか。

　それだけではない。このばあちゃん、泥棒に同情して、親切にし、改心させるような情も持っている。

　情にあついのは、ばあちゃんばかりではない。徳永少年の小学校の先生は、運動会の時、一人で寂しく日の丸弁当を食べようとする徳永少年に対して、自分の豪華な弁当を、腹を壊しているから、その梅干の入った弁当と代えてくれと言って取り替えてもらうのだ。それも毎年である。（日の丸弁当って、最近は分からないかも知れないね。ご飯の真ん中に梅干が１つだけ入った弁当のことだよ。）

　以前紹介した「ALWAYS 三丁目の夕日」にもつながるものがあるが、昭和の時代には、このような人が結構いたものである。今はもう平成１９年、昭和は既に遠くなってしまった。

　泉ピン子が、「ばあちゃん」の味を良く出して、演じている。

（出演者）
・泉　ピン子（がばいばあちゃん）
・石田ゆり子（徳永少年の母親）
・広田亮平（年少の徳永少年）

・原　沙知絵
・小日向文世　他

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映画版公式ホームページ　⇒　「佐賀のがばいばあちゃん」映画版

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Last updated September 7, 2007 10:35:05 PM
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■コメント

Re:佐賀のがばいばあちゃん(01/06)

tora1947 さん

こんにちは～！

観ましたよ～♪
いい話だな～とおもいました。

「悔しかったら貧乏になってみろ！」という
ばあちゃんの言葉が良かったです＾＾ (January 6, 2007 10:41:22 AM)

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Re[1]:佐賀のがばいばあちゃん(01/06)

風竜胆さん

★昔は、こんな人も結構いたんでしょうね。
　でも、くやしくっても、貧乏には、なりたくありませんが・・・(^◇^;)

tora1947さん
＞こんにちは～！
＞
＞観ましたよ～♪
＞いい話だな～とおもいました。
＞
＞「悔しかったら貧乏になってみろ！」という
＞ばあちゃんの言葉が良かったです＾＾
-----
(January 6, 2007 10:46:06 AM)

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はじめまして

れでぃ☆ぽぽいさん

私も見ましたヨ
よかったですねえ～

この時代の暮らしって、決して不幸じゃないって思うこのごろです。

記事からＴＢしましたので、ごあいさつでした
<(_ _)> (January 6, 2007 11:37:27 AM)

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Re:はじめまして(01/06)

風竜胆さん

★いらっしゃいませ。
　昔は、今のようにものは豊かでは無かったけれど、心の方は、まんざらでもなかったような気がします。あのころを知っている人間として、本当にこの半世紀で日本は大きく変わってしまった気がします。

れでぃ☆ぽぽいさん
＞私も見ましたヨ
＞よかったですねえ～
＞
＞この時代の暮らしって、決して不幸じゃないって思うこのごろです。
＞
＞記事からＴＢしましたので、ごあいさつでした
＞<(_ _)>
-----
(January 6, 2007 11:41:34 AM)

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こんばんは

akiras2612 さん

　これは何年か前に読みました。その風景を想像しながら、なんせ隣の県に住んでいて、ドライブなんかでよく通っていたから。その時代の風景とはちょっと違うと思うけど、ここが・・・なんて思いながら一気に読みました。すごいばーちゃんです。 (January 6, 2007 10:37:50 PM)

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Re:こんばんは(01/06)

風竜胆さん

★いらっしゃいませ
　今は、みんな豊かになりすぎて、こんなばあちゃんもいなくなりましたね。本当に人生の達人ですね。

akiras2612さん
＞　これは何年か前に読みました。その風景を想像しながら、なんせ隣の県に住んでいて、ドライブなんかでよく通っていたから。その時代の風景とはちょっと違うと思うけど、ここが・・・なんて思いながら一気に読みました。すごいばーちゃんです。
-----
(January 6, 2007 10:42:43 PM)

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Re:佐賀のがばいばあちゃん(01/06)

ドリームランナーさん

去年のクリスマスに、サンタさんが来て、「佐賀のがばいばあちゃん」をくれました♪息子サンタのお陰で本を読みました。面白かったですよ。
なんせ現在、テレビがない生活なのでドラマは見ていませんが、昨年島田洋七氏の講演を聞いたとき、映画の後「ドラマ化しませんか？」と言う話に、「だったらスペシャル番組にしてくれ！」と言う条件を出したと言っていました。普通のドラマにしたら、ワンクールで終わってしまう。でも、スペシャルドラマにしたら、年に一・二回でも１０年はできる。その間、講演やら取材で稼げる！一生懸命頭を使って、生きるために稼いできた「がばいばあちゃん」の血は、脈々と洋七氏にも受け継がれていると感心しました。 (January 6, 2007 10:57:22 PM)

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Re[1]:佐賀のがばいばあちゃん(01/06)

風竜胆さん

★そうだったんですか。
　なかなか考えているのですね。
　さすが「がばいばあちゃん」の孫ですね。

ドリームランナーさん
＞去年のクリスマスに、サンタさんが来て、「佐賀のがばいばあちゃん」をくれました♪息子サンタのお陰で本を読みました。面白かったですよ。
＞なんせ現在、テレビがない生活なのでドラマは見ていませんが、昨年島田洋七氏の講演を聞いたとき、映画の後「ドラマ化しませんか？」と言う話に、「だったらスペシャル番組にしてくれ！」と言う条件を出したと言っていました。普通のドラマにしたら、ワンクールで終わってしまう。でも、スペシャルドラマにしたら、年に一・二回でも１０年はできる。その間、講演やら取材で稼げる！一生懸命頭を使って、生きるために稼いできた「がばいばあちゃん」の血は、脈々と洋七氏にも受け継がれていると感心しました。
-----
(January 6, 2007 10:59:21 PM)

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