時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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August 10, 2008
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「心に刺さったガラスの破片」 ( ファンソンミ/キムユデ:現文メディア/理論社)も、ちょっと前に、現文メディアさんから献本していただいた本の中の一つである。「韓国人気童話シリーズ」の2巻目だ。シリーズ1巻に当たる「チャリンコ・ヒコーキ・ジャージャー麺」は、両親を亡くして、貧しい暮らしながらも、前を向いて強く生きる3人兄妹の姿を描いたものだが、今回の舞台は、ごく一般の家庭のようである。

 この作品の主人公ウンギョルは、両親と、兄のハンギョルとの4人家族だ。両親とも働いており、兄とはあまり仲が良くない。持ち物はいつも兄のおさがりばかり。そんなウンギョルは、寂しさからか、母の財布からお金を抜いて、友達にものをおごったりするようになる。そんなある日、いつものようにお金を財布から抜こうとして、コップを割ってしまい、その破片をふんづけてしまう。ガラスの破片で、ウンギョルはに足の痛みが、どんどんひどくなっていく。まるで、ウンギョルの心に刺さったかのように。

 ところで、ハンギョルがテコンドーの試合に負けた時、父親が、出勤もしたくないくらいがっかりしていたシーンは、国民性の違いが出ているようで、少し興味深かった。家族の会話も、国民性の違いが出ており、韓国の普通の家族の生活をうかがい知ることができるようだ。

 終りの方で、兄弟が激しく言い争っていたが、最後には、父が歯周病の手術をすることになったことから、兄弟の絆をとりもどしたようで、ちょっと安心した。 

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Last updated  August 10, 2008 07:09:35 PM コメント(2) | コメントを書く
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