時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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May 21, 2010
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「老人と海」 ( アーネスト・ヘミングウェー/福田恒存:新潮社)である。

○「老人と海」( アーネスト・ヘミングウェー/福田恒存:新潮社)



 あらすじの方もよく知られていると思うが、主人公の老漁師サンチャゴと巨大カジキとの壮絶な戦いを描いた物語である。サンチャゴは、84日間も獲物が一匹も釣れない日が続いていたが、ついに彼の船よりも大きな巨大なカジキが針にかかる。4日間も死闘を繰り広げた末に、やっと獲物を手に入れたのだが、帰り道にサメに襲われて、カジキは骨だけになってしまう。

 作者はこの物語で、何を言いたかったのだろうか。死闘の末に、素晴らしい獲物を得たとしても、それは一時の喜びに過ぎず、何も変わらない。結局は、カジキとの死闘は、何の価値もなかったというニヒリズムなのであろうか。

 彼は、 「ライオンの夢」 を見る。それは、彼が若いころに、アフリカで見たという風景だ。この「ライオンの夢」の話が、物語を通じて、何回も出てくる。ライオンは、明らかに力の象徴である。それは、老いた自分を振り返って、若いころへの郷愁だろうか。

 彼は、昔はライオンだった。作中に出てくる、若いころ腕相撲で大男を負かした話などはそれを彷彿させるエピソードだ。彼は再びライオンにもどりたかったのかもしれない。そして、カジキと戦っている時は、確かに彼はライオンに戻っていた。だから、戦いの最中は、夢にライオンは現れなかったのだ。

「ライオンの夢」 を見ているところで終っている。しかし、この時の夢は、もはや過ぎ去った過去への郷愁ではないだろう。カジキとの戦いで、彼は再びライオンだった。そんな満足感があるような気がしてならない。


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Last updated  May 21, 2010 09:17:48 AM
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