時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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August 31, 2010
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「太ってたってぼくはぼく」 (イ・ミエ/チェ・チョルミン/吉田昌喜:現文メディア)。




 この物語の主人公であるドンピンは、かなり太めの男の子。ドンピンの一家派4人家族なのだが、全員重量級で外を歩いていると、「カバの部隊」と噂されることもあるようだ。彼が困っているのは、母親が、自分に合うサイズがなくて服を買いそびれると、思い出したようにダイエットを始め、家族も巻き込まれることだ。しかし、どうせ長続きはしないので、ドンピンは、いつも面倒くさく思っている。

 彼がいちばん仲の良い友達はスホ。ドンピンと真反対で、ちびっ子だが、正義感が強く、なにかといじめられるドンピンをかばってくれる。ドンピンがいやなやつと思っていたのが、やせっぽちで背の高いソンヒョンという男の子。女の子には人気があるのだが、その分男の子からは無視されている。どこにでも割り込んでくるのが、偉そうな感じで、憎たらしいのだ。しかし、ある日、ドンピンは、家から離れた銭湯でソンヒョンと出会って、自分が誤解をしており、誰だってどこかに悩みを持っていることを知る。

 金子みすずの「わたしと小鳥とすずと」という詩に、「みんなちがって、みんないい。 」という有名な一節があるが、人は誰だって、人と違う強み弱み、得意なこと、悩んでいることなどを持っているものである。みんなと同じでなければいけないというのは、集団主義者の幻想にすぎない。人は、みんなちがっているからこそ面白いのだ。ドンピンは、そのことに気づき、自分の意思でダイエットを成功させ自信をつける。

「太ってたって、ぼくはぼくだ。太ってたってぼくはぼくだ。それからぼくはもうデブから卒業するぞ。」 (p155)

 ドンピンの自信に満ちた叫びは、なんともすがすがしい。

 ところで、この作品中には、いくつか現代韓国の面白い風習などがでてきて興味深い。まず、韓国にはポッキーデーという日本のバレンタインデーのような日があるようだ。女の子が、気になる男の子にポッキーを渡す。なぜポッキーなのかは不明だが、義理チョコならぬ、義理ポッキーもあるようだ(笑)。



  なお、この書籍は、「現文メディア」様より献本いただいたものです。お礼申し上げます。


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Last updated  August 31, 2010 07:12:40 AM
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