GOlaW(裏口)

2006/02/25
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カテゴリ: 西遊記
 猿、幽鬼の依代とならん。

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 ということで今回は名も無き敵妖怪(公式には『偽連歌』)の能力分析と、幽霊による憑依能力について、

 今回のドラマのメインはあくまで『連歌親子』。そのために、敵妖怪との戦いはあっさりと終わりましたね。
 とはいえ、“連歌の死体を乗っ取った”という事を理解させたり、戦いのシーンが上手く本筋に絡んでいました。その意味ではすごく良い扱いだったと思われます。

 こう言った憑依タイプの敵についても、簡単に述べていけるといいな、と思います。

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 死体を乗っ取ったり、霊魂に呪いをかけるのは『召鬼(しょうき)』術、それも左道になると思われます。

 『召鬼』とはその名の通り、『幽鬼を使役する』術。
 今回のドラマでは、敵妖怪は符などで井戸を封印していましたよね。そこから察するに、敵妖怪は術の基礎をちゃんと学んだのか、盗み取ったのだと思われます。

 ゲームに出てくる『召鬼術』は、熟練すると幽界や天界の役人すら使役することが出来ます。
 原著の悟空も、霊界の土地神を使役したそうです。

『中国妖怪伝-怪しきものたちの系譜』 、P186-187。『送屍術』などと言い、棺桶を用意できない場合に、死体を歩かせる術)。

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 “死体が動く”というと、中国では『橿尸(屍)』が有名です。
 これは映画『鬼打鬼(コエダーコエ)』(1981年、サモ・ハン・キン・ポー監督)以降、西洋の吸血鬼とイメージが混じってしまいました(日本では『キョンシー』と呼ばれていますね)。
 しかし、本来は、ゾンビかミイラのようなものを指す言葉でした。

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 今回の妖怪の能力は“死体を乗っ取る”、“生者や幽鬼の魂を腐敗させる”ことの二つの能力を持つようです。
 “黒いタレ”は…恐らく媚薬のようなものだったのかと思います。

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 『連歌成仏シーン』について。
 描写不足なのか、最初の憑依シーンと少し矛盾が生じる描写になっていましたよね。

 考えられるのは
1.“悟空が連歌に変化した上で、連歌が憑依した”
2.“魂を洗った後だったので、幽鬼が見えるようになった”

の3つです。
 1の場合なら、連歌が消えるように見えるのはちょっとおかしいです。2なら、悟空が“俺の身体を使いなよ”と言い出す必要がありません。
 ですから、正解は3なのかな。

 1か3の場合なら、“連歌成仏と同時に、脇で悟空が膝を着く”という描写が必要だったと思います。

 しかし、『成仏までのタイムリミット』に関する描写は、まさに映画『黄泉がえり』を彷彿とさせましたね(指先が消えるCGなど)。思わず私も噴きました(笑)。

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 しかし、“ダメージを与えても出て行かないタイプ”もあり、その場合は“追い出す方法を探し出す”というのが物語の中心になります。

 憑依タイプの敵、というと私はどうしても『特捜戦隊デカレンジャー』(テレビ朝日系)を思い出してしまいます。このシリーズでは、三度も憑依タイプ(『肉体入れ替え型』、『精神体型』、『寄生型』)が登場しましたっけ。
 「ホージーには前科がある。憑依されやすい体質なのかもしれない」という台詞まであって、爆笑しましたっけ。
 この他にも、“視線などで遠隔操作”型、というものもあります。

“下手に攻撃すると、相手を傷つけてしまう”というジレンマが、この憑依タイプと戦うときの醍醐味。
 …まぁ、今回は遠慮なくビシバシ行っていましたね(苦笑)。『仲間』が主題のドラマなのですから、そこはためらいましょうよ(頭痛)。

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 私は『俺の身体、返せー!』という展開がすっごく好きなんですよ。

 十年ぐらい前、劇場版アニメ『レジェンド・オブ・クリスタニア-はじまりの冒険者たち-』のラストに圧倒されたんですよ。
(映画ネタバレ 
 それ以来、この設定が大好きになってしまって。
 ドラマを観ながら、その時のことを思い出しました。

 今回、香取君がこの設定をやってくれた事は嬉しかった。
 映画の描写を観た時にも感じたのですが、これを生身の人間が演じるのは難しいですよね。頭の中に『二つの人格』を置き、それのスイッチを切り替え続けなきゃいけないんですから。『純粋な二重人格』よりも演じ難いですよね。
 これは“長年にわたり『慎吾ママ』という人格を受け入れてきた”香取君だからできることだと痛切に思いました。

 香取君、本当にすごい人です(尊敬&惚れる)。

 『泣きそうな悟空』自身に憐れみを覚えたり、『切羽詰った挙句に暴走する連歌』に突っ込みを淹れたり。
 そんなきわどい爆笑モノの展開が光っていました。
 だからこそ後半の
「俺の身体使いなよ」
と素直な悟空が、本当に魅力的に見えましたしね。

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 今回はとにかく、『憑依された悟空』の名演技に尽きます。
 香取君、ありがとうございました。





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Last updated  2006/02/25 10:56:23 PM


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