GOlaW(裏口)

2006/03/31
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カテゴリ: 西遊記
(総括1より、続き)

★3.悟浄

 こちらも設定はすっごく美味しかったです。彼に関しては脚本家さんも楽しんで描写されていましたよね。
 八戒に比べ、ある程度の葛藤や成長を経験しているため、一歩間違えると主役を食いかねませんでした。それを押さえたのは、脚本スタッフの技量…というよりも、出番の少なさか(涙)。

 贖罪系キャラは個人的には大好きなんです。
“過去に過ちを犯し、冷酷な心を裡に秘めている。その心を呼び起こす事を怖れるため、本気を出せない。贖罪を望み、表面はだらしなかったり、穏やかだったりして、その苦しみを出さない”
 そこの設定だけ取り出すと、当サイトで以前応援していた『トリニティ・ブラッド』の主人公アベルと同じですよね(そして、私が草なぎ君に演じてもらいたい設定NO.1でもある。←おひっ)。


 悟浄は他のキャラクターに比べると、比較的恵まれていたかもしれませんね。
 とはいえ、もう少し突っ込んで描写してもよかったと思います。
 “非情な現実を変えようとする他のキャラクターに、冷たく釘を刺した”り、“敵との知恵比べをした”り、“他のキャラクターの行動理由を即座に見抜き、それをサポートした”り。
 そんな描写もできたかな、と思います。


 また『過去に犯した罪』を匂わせるため、彼を心から憎む妖怪や人間を登場させても良かったと思います。

 彼が歩んできた経歴は『三蔵の理想とする世界』とは対になります。
 彼の過去を描写する事で、『犯罪や残酷な事柄が、世界に存在する』ことを強調し、『三蔵の使命』をより重くさせたのではないでしょうか?

 今からでも遅くないんで、映画放映前にSPドラマで描写してもらいたいです。


 ちなみに、元々『ポケビ』や『ウルトラキャッツ』ファンとしてはウッチャンが好きでした。
 撮影裏話では相変わらず「人を見る目の温かさ」や「責任感の強さ」が伝わってきて、嬉しくなりましたね。
 何より、ドラマの中で見せる彼の殺陣のかっこよさは、ウッチャン熱を再燃させるには十分でした。

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 三話と九話、そして最終話で完全にキャラクターが立ちましたね。
 さり気に『悟空に影響を受け、強さを得た』という成長も見せてくれました。前半での「戦闘時にちょこちょこと動いて、皆をサポート」というのも好感を持ちましたしね。

 悟空たちの『方術』よりも、三蔵の『雑密(ぞうみつ。仏教における呪術の事)』の方が役に立っていたのは印象的でした。
 魔法などの描写が好きな自分としては、結構嬉しかったかも。

 深津さんの演技を見ていると、もっとサバサバした感じの三蔵にした方が良かったかな、とも思いました(『第八話 時の国』ラスト)。


 また、やはり『もう少し、展開に絡もうよ…。涙』と思いました(苦笑)。

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★5.老子

 本名『大上老君』(『第五話 子供の国』で悟空がそう呼んでいる)。
 原著でもかなりのトラブルメーカー(牛を逃がしたり、竈の番の二人の神が脱走したり)ですが、ドラマでは更に困ったお方でした(笑)。
 『第四話 砂の国』に至っては、「出てくるな、ラストでっ!」と絶叫しましたっけ(苦笑)。

 途中まで「うわー、厭な奴だな…」と思うだけだったのですが、それが『天竺』への複線になっているとは思いませんでしたね。
 そして最終回で『天竺側の人間でありながら、悟空たちに感化された』という描写がすごくよかった。“『砂の国』での牢抜けシーン”も、見事な複線になっていましたっけ。
 この回だけで、株が急上昇しました。

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★6.凛凛

 設定も能力も、いいキャラではあります。
 しかし、『美味しいところを全部持っていく』ところから、一部では蛇蝎のごとく嫌われているキャラでもあります(涙)。
 第三話程度の活躍なら、ちょうどいい塩梅だったでしょうに。

 彼女もまた、悟空と同様に『脚本スタッフの代弁者』と化していた趣があります。
 それだけでなく、『展開に困った時に、情報を与える役目』まで背負わされていました。
 …得に『第五話 子供の国』での扱われ方は、キャラにとっても、役者にとっても不幸だったと思うんです。

 元々、盗賊系キャラクターは人気があるし、それを特化して活躍させればよかったと思います。 
 知識量も豊か(今から思えば、帝王教育の賜物かな)なので、それでフォローさせても良かったかな。
 悟浄と二人で、“他の三人には聞かせ辛いシビアだったり、少し後ろ暗い話をさせて”も面白かったと思います。

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 こうやって上げてみるとツッコミどころ(致命的な部分も含めて)はかなり多かったドラマでした。

 でも“ツッコミをするだけなら簡単だけど、物語を紡ぐ事はその何倍もしんどくて大変だ”ということも、私は知っています。
 例えば、私がこの設定を借りて物語を書いても、実際に各話のクオリティを抜けるかどうかは分かりません。また、それをフジ版『西遊記』と認める人は少数でしょう。
 フジ版『西遊記』を実際に形にし、ここまで紡いできたキャストとスタッフの努力はやはりすごいことなんだ、とも思っています。


 そして、『第九話 花の国』は良かったと思います。
 『第三話』での獏の登場、現実と夢の談義。『第四話』の悟浄と金魚の因縁。『第六話』での妖怪の異常心理と幼い姫との行き違い。仏滅国などのイメージもすごく良かった。

 何より『腐敗した天竺』という、とんでも無い設定に挑戦した心意気も、すごく評価しています。
 原作に忠実で無い分、“どこまではじけられるか”が完成度に関わる鍵でした。オリジナリティを発揮した、という意味では最終回で合格点を出したいです。

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 映画化に向けては、これらの改良点を踏まえて脚本を構築していただけると嬉しいですね。
 脚本を冷静に見れる人(ゲームの構成作家さんなど)を外部から招聘することを、私は強く希望します(切実)。


 でも、映画はすごく楽しみです。

 一つには、出ている役者の皆さんが好きだから。
 一つには、このジャンルの話が好きであり、ゴールデンタイムに定着させたいから。
 一つには、この三ヶ月間で深い愛着が生まれたから。

 だから、本当に面白くて、素晴らしい良質の物語を紡いで欲しいと、心から願い、祈ります。


 最期に。
 スタッフ、キャストの皆様、半年間の撮影お疲れ様でした。





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Last updated  2006/03/31 05:28:20 PM


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