GOlaW(裏口)

2006/07/05
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「あなた方が『そこまで頭、バカじゃない』ってことは、ちゃんと分かってますから」

 邪悪とは、狡知で残虐で卑怯で臆病たるもの。
 “人の弱さに囁き、互いに互いを自滅させる”ことを好む。

 『邪悪なる傀儡師』と、それに喧嘩を売った『法の番人』。
 これは『二人を巡る物語』の序章である。


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 『古典的な二時間ドラマ』の形式を踏襲することで、お約束を信じさせ、安心して魅せていく。
 その意味ではすごく良くできていると思いました。 
 メインとなる事件の内容はしっかり捻ってありましたね。クライマックス前にもう少し『彼の心情を解説する状況』を作り、それを長回しのシーン中に挿入できたら、さらに完成度が上がったかな?

 私は『二時間ものの事件ドラマ』を、局を問わず母に付き合って良く観てました(←個人的には『警視庁鑑識班』シリーズが好きです)。
 だから「そういったドラマとしては良かった」んじゃないかな、と思いました。

 でも一番私の関心を引いたのは、『暗躍する花岡代議士』と『喧嘩を売りに行く久利生』の二点でした。

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 続編を約束するようなラストでしたよね。
 私としてはそれを信じたい。

 『フードファイト深夜特急死闘編』(01'日テレ系)というドラマもありましたので、予断は許しません。

 フジテレビ様、どうか続編作ってくださいませ(願)。

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 ここから先は、『続編がある』と信じて文章を綴らせていただきます。

 もう暗躍する『花岡』の存在と、それに負けないだけの久利生の迫力がいいんですよ!

 本当の悪とは、自ら手を汚したり、表舞台に出てきたりしません。
“人の弱さに囁き。自らが望んだと錯覚させながら、望むように動かし。そして、自滅させた上に財を築く。法で裁けないがゆえに、誰にも手が出せない。”
 それが邪悪であり、狡知です。

 そんな邪悪を体現する『花岡』の登場。この『HERO』というドラマの世界観すら変えてしまいそうで、もう期待しちゃいますよ。
 例えるなら『金田一少年の事件簿』の『地獄の傀儡師』、『クロサギ』の『御木本&山崎』か。彼らに匹敵する敵になりそうで楽しみです。

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 また、今回の『因縁の結び方』もかなりツボに入りました。
“主人公の久利生だからこそ、『花岡』の存在に気づけた。”
“久利生だからこそ、巨悪にもびびらず、真正面から喧嘩を売れる”

 連続ものの導入としては最高ではないでしょうか。

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 この導入なら、これからの事件にも『花岡』を匂わせ続けるといいかな。

 “自分の思い通りにならない人間を、『法に触れない手段』のみを用いて破滅させていく”花岡の存在は、『法の番人』である久利生にとっては厄介な敵であるはずです。
 しかし、だからこそ久利生の敵に相応しいと思うのです。

“事件の大小や先入観、通念的な善悪にも囚われない。

 一面的で分かりやすい『表面的な事実』に陥りもしない。
 ただ、執念で『全ての真実』を探り出す”
 それらの『検事の本質』を体現する久利生にしか、『花岡』を表に引きずり出すことができないでしょう。

 その意味では、見事な対比を生み出しています。
 この『対比』が導入で上手く示されれば、自然と物語の方向性も決まるんですよね。その点は感服しました。

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 『花岡の邪悪さ』は物語としては素晴らしいんです。
 それは対になる『久利生のキャラクターの立ち方や行動原理』がしっかりしているからこそ、際立つんですよね。

 あの『喧嘩の売り方』だけは無茶です(笑)。
 普通、あんな風に顔を売りに行きません。…『罠にはめられる危険性』もありますし、あまり賢明とは言えないですよね。
 あれは『俺を罠に嵌めてみろ。はまってそれを踏み潰して、その手綱を握ってるてめぇを表に引きずり出してやる』ぐらいの覚悟が無いとできません。

 脚本家さん、『喧嘩を売りに行くシーン』が書きたくてしょうがなかったんでしょうね。
 それが強く伝わってきましたよ。

 『手駒の女に喧嘩を売ってびびらせる』シーンも、見方を変えればストーキングに見えますが(おひっ)、でもスカッとしましたね。

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 『対比』と言えば、久利生と津軽のキャラもすごく良かったです。
 津軽を含め、『感化される過程』はもう少し丁寧に練り込んだら良かったかもしれません。
 でも感化前の『チグハグ』した様子も、感化された後のコンビプレイも楽しかったです。

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 今回の『花岡』に踊らされた人間、滝田。
 彼の悲哀と覚悟は上手く描けていたと思います。今更解説する必要もありませんよね。
 彼に同情点があるほど、『花岡』の邪悪さも際立ちましたね。
 この辺り、理由がかなりぐちゃぐちゃに絡み合っているため、解くのに時間が掛かっちゃいましたね。

 謎解きの伏線もちゃんと張ってありましたので、分かりやすくはありました。でもそれまで勢いとテンポで勧めていただけに、解説まで『長回し』になっちゃったのが辛かったかな。

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 今回は『久利生の新たな因縁』、これに尽きましたね。
 続きがすごく気になります。スタッフ様、期待していますね!

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「ターゲット・ロック」

 彼が求めるものは『真実』。彼が成すべき事は『全ての真実を晒すこと』。
 それが彼に課せられた責務にして、彼が抱く矜持である。


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 追記:
 いつもお世話になっている海鴎@DDさんの『HERO SP』のレビュー&考察です。
【HERO】「今夜復活!!美しい海の町の怪事件に伝説の検事が挑む」感想
 今度『久利生』モデルのPCを演じられたなら、是非キャラの職業設定と大まかなレポを宜しくお願いしますね(微笑)。





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Last updated  2006/07/05 10:13:37 PM
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