GOlaW(裏口)

2008/02/09
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●『フードファイト』からの宿題Part2

 Part1は、第三話のプレビューを参考ください。

 今回の話における『英治と省吾』の物語は、『フードファイト』を思い出さざるをえませんでした。
 過程こそ違えど、主人公がヒーローとなり、『過去の自分』を救うのは同じ。
 そして、偽りがばれることを恐れず、貫くことの辛さや苦さを相手のためだけに飲み込んでしまう。

 英治は『彼女』の愛を感じ、彼女のやり方を真似ることで、彼女の思いに応え、自分の中に『愛』という感情を定着させようと頑張っているのですね。

 そんな英治は、私の書いた小説 『フードファイト 前哨戦-Boy, Be Lionhearted-』 『フードファイト 覚醒編-Lion in the wind- 』 で描いた井原満の姿にそっくりでした。

 だから、同じ野島作品の主人公と、まったく同じ傾向を示してもおかしくはないし、むしろ当然なのかもしれないけれど。
 それでも、類似しすぎていると私は思うのです。

 かつて、「野島先生のドラマにはなじめない」と思っていたはずなのに、今やそこで考えていることが何となく分かってしまうようになったということでしょうか。
 ……自分でも、自分が怖いです(滝汗)。

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●電話口の英治

 英治は、過去を思い出しながら先生にアドバイスを続けていました。
 それは、過去の自分の苦しみを追体験することでもあります。
 その苦しみを、英治は『過去の自分』を救うために、乗り越えます。そして、当時の自分が本当に望んでいたもの――ヒーローを、登場させることを思いついたんですね。

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●『愛を教える者』

>「愛を教えるのは、本当は親の役割」
>「命がけで、抜いた棘」


 その愛を、そのやり方を、その信念を、英治は己の人生全てを掛けて模倣し、自分のものにしようとしている。

 それは、単なる『改心や懺悔』じゃない。確かに、英治の自己満足であるとしても、です。
 今の彼の中に、『彼女』は生きているんです。そして、雫へと受け継がれようとしているんです。


 『彼女』はきっと、英治が『愛を知らぬ野獣』だったことを知っていたのでしょう。
 そんな彼に『愛』を教えることは、彼女にとって喜びであり、命を賭けるに値することだったのです。


 野島さんの作詞(『らいおんハート』)の中に、こんなフレーズがあります。
>「この僕に愛を教えてくれたぬくもり」
 それは、『彼女』にこそふさわしい呼びかけかもしれませんね。

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●医師失格

 院長は理性ではわかり過ぎるほどに分かってるんですね。
 きっと『娘の日記』の存在を、妻にまで隠し、ひとりで苦しみを背負おうとしたぐらいに。

 それでも、感情はどうしようもなく、誰かへの気遣いすら持つ余裕を無くしたのですね。
 自分の痛みで麻痺した心は、他人の痛みすら感じることは無くなっていて。だからこそ、美桜や雫を巻き込むことを止めることはできないんですね。

 だからこそ、いつか雫を祖父母に逢わせてあげたい。
 『彼女』は、雫の中にちゃんと生きているのだと。

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●美桜が愛するのは、『彼女』?

 美桜はまだ、『彼の優しさ』に惹かれている段階です。
 それは彼の中の『彼女』を好きになっただけなのかもしれません。

 そんな『彼女の心』以外の、野獣である彼も含めて全て好きになれたなら。
 その時こそ、彼女は彼と一緒になれるのかもしれませんね。

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●ネグレクト

 前回の『佐々木夫妻の仁義なき戦い』の感想でも述べましたが。
『子どもは、育った環境により、親の影響を受け、似ていきます』

 愛されたことのない子供は、愛し方を知らずに育つのです。

 英治もまた、『子どもができた』と言われても、嬉しさを感じることはなかったでしょう。
 また、『自分が父親のように、子供を虐待してしまうかもしれない』と恐れたでしょうね。

 だからこそ、英治は『彼女』の元を去ったのだと思います。

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●誰もが無関心の中で

 ネグレクトを防ぐには、周りがその子を愛し、気にかけてあげるのが必要なのでしょう。
 けれど、幼少の英治はきっと、他人から『愛』を受けることがなかったと思われます。

 そんな『無関心という名の、冷たさ』を、誰よりも強く受けてしまった彼の存在は、社会が犯した罪だとも思うのです。

 だとすれば、誰が彼を責められるというのでしょうか。

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 ベル、薔薇が散る前に、野獣に愛を教えて。





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Last updated  2008/02/09 05:57:14 PM
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