ママの偏差値
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いよいよ12月!大手模試も最後となる今月は、これ迄首都圏模試しか受けてこなかったさくらも四谷大塚、日能研も含め3回受験予定。今月の結果偏差値で大体最終的な予想がつくと思うと、今まで以上に緊張するなあ…ところがである。初回の四谷大塚の試験前日「頭が痛い」とさくらが言い出した。熱は無い。そもそも頭痛が頻繁な子なので「いつものこと」と思い早めに寝かせて翌日は受験会場へ向かった。でもやっぱりなんとなく調子が悪そう。そもそも出来ないのに、調子が悪いときたら、結果は散々に違いない。予想通り散々でした…。それでも何とか気を取り直し、次は日能研の試験。会場は自宅近くの教室を選んだので時間的にもかなり楽な受験だわ。そう思って自宅で待っていると日能研から電話が…。「お嬢さんが気分が悪いと言って、別室で休んでます。これ以上の試験は無理そうですので、お迎えをお願いします」驚いて会場に駆けつけると、小さな部屋で毛布をかけてもらいさくらは横になっていた。私の顔を見た途端、「ママ、算数と国語は我慢して受けたけど、理科と社会はもう気持ちが悪くて受けられなかった…」と涙ぐむ。「いいよ、体調が悪い時は誰だって試験なんか受けられないよ。本番じゃなくてよかったね」となぐさめつつも、結構ショック。これでは偏差値が出ないじゃない。それに、国語と算数だって体調不良での受験ではまた散々な結果は目に見えているもの…やっぱり散々。ところが話はこれで終わらない。最後の首都圏模試。その日は試験が終わったら、夜Sセミの授業の日。朝、さくらを起こしに行くと…発熱している。昨日まで何でもなかったじゃん。でも体温計は37度を超えている。受験は当然無理。なんで試験になると具合が悪くなるんだろう。しかも今月もう3回。大事な試験なのに…偏差値が一度も出ないなんて予想もしなかった結果に、私はがっくりきました。夫に「熱出してるから、今日も試験受けられなくなったよ」と伝えると「なあ、もしかして、本番も覚悟しといた方がいいかもしれないぞ」と一言。「多分、あいつの性格からして、耐えられないんだろう、プレッシャーに。こんな練習のテストでめげてるようじゃ、本番相当ヤバイんじゃないの」ががーん!!!言われて初めて気がついた私。そうかもしんない、いや、絶対そうだ。さくらは「このテストの結果で受験の結果がある程度予想できる」と思い、強烈なプレッシャーを感じてるんだ。自分は受からないと思ってるんだ。そうだよね、自信などあるはずないもの。どうすればいいんだろう。いくら「大丈夫だよ」なんて言ったってなんのなぐさめにもリラックスにもなるはずないもの。本人が一番緊張してるんだから。夕方K先生にお休みの連絡を入れる時、このことを話してみることに。「娘の様子がおかしいんです。試験の度に突然具合が悪くなって。前日まで元気だったにもかかわらず…」するとK先生が「うーん、それはね…、もしかしてストレスだと僕は思いますね。毎年40人中一人か二人、そういうタイプの子がいるんですよ。他にも今年一人いますからね。試験会場に入ると気持ち悪くなったり、黒板が曲がって見えるとか言い出す子が。」「でも、どうすればいいんでしょう?夫がこの調子だと本番も危ないと言ってるんですが」「でしょうね、ご主人のおっしゃることは多分あたってますね。」そんなことがあたってると褒められた?ところでどうにもならない。何とかしなくちゃ、あと1ヶ月ちょっとなのよ。「どうでしょう、思いきって『受験はやめよう』くらいのことを言ってみては? とにかく安心させてやるには、その位のことを言わないとだめだと思いますよ。もちろんやめるわけではありません。でもそう言われることで、随分気が楽になるはずです。本人も今までやってきたんですから『あ、そう、じゃあやめるね』という気持ちにはならないと思います。とにかく一旦リラックスさせて、それから前向きな方向へ持っていけると思いますよ」本当だろうか。「受験はやめよう」って言って「うん、やめる」と言われたらどーすんの?だけど今のまま2月1日を迎える方がよほど心配とも言えるし…。予想もしなかった展開に困り果てた私…K先生からの提案を夫に言うと「じゃあ、オレがさくらに言おう」と。「大丈夫なの?」「大丈夫もなにもないよ、それでやめるって言うならそれまでのことだろうが」そんな無責任な!!と思ったけど、他に方法が思いつかない。その日の夜、夫がさくらに話し始めた…。
2004/11/29
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