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2011.03.14
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さて、この地震による大きな被害の1つに(今後場合によっては最大の「人災」となる可能性があるが)原子力発電所がある。
そもそも原発そのものが放射性物質の飛散の可能性を秘めた負のエネルギー源であることは明々白々である。それを最近になってなんと「CO2を排出しない『クリーンな』エネルギー」として注目を集め、原発建設再開に向けた動きが始動していた。そのこと自体全くのナンセンスでありその「デマ」は原発推進派(国家)によるものであろうということは想像に難くない。
しかも、日本は環太平洋造山帯の西端に位置し複数のプレートのぶつかり合ういわば地震国である。さらに、1945年8月6日と9日の2回にわたり合州国の原子爆弾の攻撃により、35万人以上の死者を出し、さらに今もなお放射線の被害に苦しむ人がいる、世界で唯一の被爆国である(核実験の被害を除いて)。この日本に原発があること自体がおかしいことであるが、東京電力をはじめ各電力会社は、「原発は安全だ」という神話を強調してきた。
さらに福島第一、第二原発が被災したあとも、まだ「大丈夫だ」とうそぶいている。
つい数時間前に第一原発の2号機の燃料棒が再び露出したとの報道があった。圧力低下の措置をとるにも、放射性物質に満ちた気体を抜く必要がある。ところが、東電および政府はいまだ検問などもしていない。つまり住民を避難させていない。東電社員や自衛隊が命を懸けて戦っているのを尻目に幹部や政府関係者ははっきりした説明をしない。



福島原発の取材のため、この日、双葉町に入ったのは、フォトジャーナリストの山本宗輔さん、森住卓さん、野田雅也さん、豊田直己さん、綿井健陽さん、広河隆一さんの6人。
前日に郡山に入り、13日、既に避難地域となっている双葉町に入った。

午前10時20分時双葉町役場玄関付近で放射線を計測。すべての測定器が振り切れた。更に午前10時30分頃 双葉町厚生病院玄関前で計測したところ、ここでも、すべての計測器が振りきれたという。

使用した計器は「BEIGER COUNTR DZX2(上限は1000マイクロシーベルト/時)」と「VICTOREEN 209-SI(上限は10ミリレントゲン/時以上)」及び「MYRate PRD-10/1(上限は9.9マイクロシーベルト/時))の3台。上限を超えているため、正しい値を確認することはできなかった。

原子力問題のスペシャリストでもある広河隆一さんによると、2月末のチェルノブイリ原発取材で、事故炉から200メートル付近で計測した値は4ミリレントゲン。事故炉から-4キロ離れた、プリピャチ市で計測した値は0,4ミリレントゲンで、いずれも今回の計測が上回っており、非常に高い水準にあるという。

しかし、取材の途中、 役場などで避難していないと思われる住民と遭遇。また帰路の国道288号線でも、多くの住民が双葉町の自宅に戻っているところを目撃したという。ほと-んど住民が双葉町の高汚染について知らず、植物に水やりをしたり、服を取りに帰る途中だった。中には子どもを乗せた車もあった。 取材班が車を止め、長時間の滞在は危険であることを知らせた。半径二〇キロ圏内立ち入り禁止の表示も、検問もなかったという。

広河さんは、余計な被ばくをなくすためにも、政府がきちんと情報提要すべきだと話している。


日本ビジュアルジャーナリスト協会


炉心融解、爆発は時間の問題である。ひとりでも多く、被曝から守るために是非、半径50キロメートル内からの強制退去をさせるべきである。またパニックに陥るからなどと変な気遣いをせず、正確な情報を日本の全住民に知らせるべきである。





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Last updated  2011.03.15 01:35:49
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