何しに来なすった
出迎えたのは助蔵です。小頭は・・・、は組の次郎吉の妹・・・、昨夜のお礼に来たと。
それを聞いていた助蔵は「へーえ、は組の・・お礼に・・変だなあ」と首をかしげて吉五郎に取次ぎます。
昨夜向井左太夫と一緒にいた中間二人が、吉五郎の家を訪ねたおもんを見ていて、「あれは吉五郎だったんだ」と話します。
吉五郎が奥の部屋から顔を出すと、
吉五郎「 何しに来なすった
」


と聞かれ、おもんはお礼とお詫びに来たといい、「粗品ですが・・・」と風呂敷包を差し出すと、助蔵が「 頂戴します
」と 受け取ってしまった
のを見て、
吉五郎「 おもんさん
、次郎吉さんはこんなことをしてこいといいましたかい ?
」








おもん「・・・ はい
」
と答えるおもんの顔をじっと見た吉五郎は
吉五郎「 おう
、 嘘いっちゃあいけねえ
」



おもん「いいえ、ちゃんと 断って来たんです
」
吉五郎「 断って来た
?
」
吉五郎「 それじゃ
、きっといい顔しなかったろうな」









(m.w
の独り言・・吉五郎は、本当はおもんがお礼に来たことはうれしいのですが、加賀鳶とは組の因縁があるので、来てくれたおもんを本当はにこやかに迎えたいはず、でも吉五郎自身のおもんに対する恋心をふり切るためにも、心にもない言葉を投げかけたのでしょう。おもんも好きになってはいけない人に惚れてしまったのですから、覚悟はしていましたが、面と向かってつれない態度を見せられては悲しくなりますね。 )
おもんの 悲しそうに下を向いている姿が目に入った時は
、今迄の表情が変り、さすがの吉五郎も これ以上のことはいえなく
、






吉五郎「 お土産はいただきましょう
、 ありがとうござんし
た。・・・ さあ
、お帰り
なすって」
吉五郎の態度を見ていた助蔵も、どうして・・・という表情を見せています。




そういわれたおもんは 帰ろうと戸を開けたときでした
・・・・・。

おもんのことで大変なことになりそうです。
続きます
。
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