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Mar 7, 2008
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カテゴリ: Daily Report
葬儀の最期に、喪主の挨拶をしなくてはならない。

息子として、それなりの感慨を持って葬儀に臨んでいた私、
最期の挨拶、特に何という事も無く済ませる自信があった。

しかし、マイクを持ったまま、涙で、しばらく、言葉が出なくなってしまった。

故人と最期の別れ、と棺の蓋を開け、
それこそ友人から貰ったタバコをはじめ、
父の服、帽子、そして花で、父の体が見えなくなりそうになった時、
集まってくれた親戚の、叔父の、叔母の涙を見て、
目を真っ赤にして泣きじゃくる妹、そして姪達を見て、


ありがとう、父の為に、涙してくれて・・・

最後に、もう一度、父の額を触れて、棺に蓋がなされ、
喪主から、お礼の言葉を頂戴します、と司会よりマイクが渡された時、
アタマの中は、
「父の為に・・・ ありがとうございます・・・」
この言葉しか浮かばなくなり、涙を止めることが出来なくなった。

右手でマイクを強く、強く握り締めて、何とか平常心をと思うが、
何十秒も、涙を流しながら、うつむいたまま、何も発することが出来なかった。

それでも、何とか、一通りの挨拶を済ませた。

葬儀の全てが終わり、親族も帰宅する時、私が叔母に、言い訳がましく、
もらい泣きでは無いけど、皆が泣いてるから、伝染した、と言うと、


私の涙、あれは、間違いなく、うれし涙であった。






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Last updated  Mar 7, 2008 12:54:46 PM
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