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80 年代半ばのインディーズ・ブームの中で、そのルックス故かアイドル張りの人気を誇っていた Zazie 率いる Sodom 。最初期には "スペルマ爆弾" だの "夜姦菌孤" だのと言った曲名から漠然と中味が想像出来るようなハード・コア・パンク、中期にはインダストリアル色強いポジティヴ・パンク、更に後期には突然ハウス・ミュージックを志向するユニットへと音楽的変節を繰り返したバンドでした。そのハウス期に Sodom に在籍してた福富幸宏の 1st ソロ・アルバム。Zazie に対抗しているワケでもないでしょうが、妙にアイドル然としているスリーヴ写真がハウスっぽくなくて良いですね。中味はミニマルでルックス同様(?)に端正な佇まいのハウス・ミュージックです。個人的には Roxy Music "The Space Between" のカヴァーがツボでした。ヒップ・ホップの DJ Krush なんかを聴いてる時にも時折思うのですが、洋モノに比べると全体的に薄味と言うか、押し付けがましいところが無い。使っている色の多寡ではなく、まるで水墨画のように単色の濃淡で勝負、みたいな。更に、良くも悪くも抑制が効いていて決して暴走はしそうにない感じ。そんな辺りに「日本」的なものをひしひしと感じます。【Track Listings】01. Micromind02. The Space Between03. Blind Alley04. Speed05. Macromind06. P.C.S.07. Technokonk08. Noteno
2012.03.31
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1 曲目、出だしからするどいカッティングを披露する John McLaughlin のギターは素晴らしい。けれど、さほど「ロック」的な感触はない。ジャズを聴いてきたヒトからすれば「こんなものジャズじゃない」となり、ロック好きから見れば「えっ、何処がロックなの?」になる。イソップ童話の蝙蝠ではないけれど、なんともやっかいな作品。このアルバムだけじゃなく、"In A Silent Way" 以降の Miles Davis の 70 年代の作品には常に付いてまわるアンビヴァレントな感覚。Miles 自身が本当に意図してやっていたことなのかどうか、正直私には解からないところが多いのですが、"Right Off" の 10 分過ぎたあたりで突然ギター、ドラム、ベースが消えて、ディレイの掛かったトランペットだけになってしまうブレイク部のアンビエントな展開や、御大に「ジミヘンの様に弾け」と言われながら、笑っちゃうぐらいに全然ジミヘンじゃないギターを弾いている John McLaughlin の図太さとか、聴き所は沢山あって全然聴き飽きない。ただ、McLaughlin に関して言うなら、「図太い」とは言いつつさすがに遠慮はしてたのか、あくまでバッキングに徹したプレイに終始しており、後の Mahavishnu Orchestra の様に弾き倒してくれれば尚更に混沌とした凄みが出て良かったんじゃないだろうか、と思います。ロックだジャズだとカテゴライズしてしまうのは余りにも瑣末な事柄のような気がして仕方ない。と言うのはあくまで "Right Off" を聴いた印象であって、続けて 2 曲目の "Yesternow" を聴いてしまうと少し感じが変わってくる。ちょっと面白味に欠けると言うか正直ダレる。個人的には、この曲、無くても良い。50 分間 "Right Off" で良かったんじゃないか、と(笑)。【Track Listings】01. Right Off02. Yesternow
2012.03.30
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時折、実は音楽そのものではなくレコードだとか CD と言った「モノ」が好きなだけじゃないのかと思うことがある。我が家には 1,000 枚を超える CD があり、更に実家には放置プレイ中のアナログ盤や CD が優に段ボール十箱分はある。それでも、両親や家内に聴かないんだったらさっさと処分しろ、と再三再四催促されてようやく昨年の夏に 700 枚程度の CD は処分した結果なのだ。いや、本当に仰るとおり。持ってても聴かないんだから。宝(かどうかは判断に苦しむところではありますが)の持ち腐れだ。何枚持ってても繰り返し聴くのは限られた枚数の CD でしかない。そんな限られた CD の一枚が "Shadow Of The Earth" だ。音楽を聴きたいのだけれど、何をセレクトすれば良いのかわからない。そんな時にはコレ。いつでも、どんな時でもまず間違いはない。アーティスト名(?)に表記されている通りエスニックな香り漂うパーカッションに、ギターやピアノ、或いは透明感のあるシンセサイザー等が絡み合い、複雑でありながらも美しい音のタペストリーを織り上げていく。基本はクラブ・ミュージックなんだろうけれど、不思議な浮遊感が心地好い。出来るならば少し照明を落とした部屋で、ゆったりと体も心も開放して、浴びるように聴きたい。【Track Listings】01. Introducing The Shadow Of The Earth02. Aesthetics Of The Simple Chords03. Running On The Sand From Somewhere To Anywhere04. Journey To The Shadow Of The Earth05. Aesthetics Of The Simple Chords (Farr Away Edit)06. Welcome Back To The Real World- Bonus Track -07. A Little Silence Before The Memories Of The Early Works (=Calm)08. Running On The Sand09. Sitting On The Beach10. Journey To The Shadow Of The Earth (Kick In The Shadow Mix)11. White Breath12. Nord13. Fortunately Unknown
2012.03.28
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下田法晴、春野高広らによるダブ・ユニットが 1992 年にリリースした、全曲インストゥルメンタルの 1st アルバム。6 個の断章があたかもひとつの楽曲であるかのような統一感があり、デビュー作とは思えない程の完成度です。ダブと一口に言ってもブリストル一派とも肌触りが違うし、当然(?)本場ジャマイカのダブとも違う。ジャマイカン・コミュニティーが存在しない無菌室的な日本だからこそ生まれた異形のダブ・サウンド。極めて都会的で洗練されながら、一方で儚くも美しい音像は唯一無比と言っても良いと思います。そして Silent Poets と言えば忘れてならないのが秀逸なヴィジュアル。次作以降のスリーヴとは趣を異にしますが、本作の「顔」を飾るタイポグラフィーは中味の音と相俟って、シンプルながらも清廉な美しさをすら感じさせます。【Track Listings】01. Poetry In The Echo02. What Is [This Thing Called Right?]03. Simply Flower's Dub04. Time & Place05. Silent Waters Run Deep06. Blessing
2012.03.27
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カルメン・マキ & OZ、1976 年リリースの 2nd アルバム。私の中でこのアルバムは、村上龍の長編第 2 作目にあたる小説『海の向こうで戦争が始まる』(以下『海の向こうで~』)と不可分の関係にある。『海の向こうで~』は、賛否両論の内に芥川賞を受賞したデビュー作『限りなく透明に近いブルー』に続き、と言うより、それ以上の賛否(実際は 3 : 7 ぐらいか?)を巻き起こした作品なのだけれど、「意味」を追い駆ける小説と言うよりは、考える暇を与えずに次々に紡がれていくイメージを読者なりに膨らませ楽しむ散文詩のようなものと言った方が解かり易いかもしれない。そんな、散文詩的であり、且つ映像喚起的な『海の向こうで~』と言う小説のまるで予め定められていた BGM であるかのように、"閉ざされた町" を私は聴いていたのだ。オルゴールの響きを模したような象徴的な "Introduction" と "Epilogue" に挟まれるように 5 つの大曲が配され、これまたなにやら黙示録的な趣すら感じさせるタイトルの "崩壊の前日" と、その後日譚とでも言うべきタイトル・チューンの "閉ざされた町" があり、更に絵の具のチューブをモチーフにした秀逸なスリーヴ(『海の向こうで~』の主人公は浜辺に絵を描きに来ている青年)があり、具体的なテーマはわからないが所謂コンセプト・アルバムのようでもあり、同時にあたかも架空の映画のサウンド・トラックでもあるような造りになっており、ひとつひとつの文章の連なりを当て嵌めながらこのアルバムを聴いたりしていたわけではないのだが、このアルバムのそんな構造故か、ほぼ同時進行的に読んでいた『海の向こうで~』とがすんなんり私の中でシンクロしてしまったようなのだった。震災の後になにやら不謹慎な物言いをしているのかもしれませんが、心の何処かで「崩壊」を密やかに待ち望みながら、結局は延々と続く日常に埋没せずにはいられない我々人間のつましい性とでもいうべきものの姿を、どちらの作品も描写しているように思えてならないのです。現在に於いても『海の向こうで~』の評価は必ずしも芳しいものではないようですが、"閉ざされた町" と併せて私にとってはとても重要な作品のひとつです。【Track Listings】01. Introduction02. 崩壊の前日03. 振り子のない時計04. 火の鳥05. Lost Love06. 閉ざされた町07. Epilogue
2012.03.25
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ヴィジュアル系ヘヴィ・メタ・バンドであった Rosen Kreuz の 元メンバー Yu-Mi と EBU を核とする日本が誇るインダストリアル・スラッシュ・メタル・ユニット。スタジオやライヴでは二人に加えて Doom、Cocobat、Z.O.A.、Coaltar Of The Deepers と言った錚々たるバンドのメンバーがサポート。当時噂されたように、Ministry や Jim Foetus からの影響が窺える無機的な打ち込みバック・トラックにスラッシュ・ギター、偏執的とも言える執拗な SE / ノイズ・コラージュの挿入、エフェクト処理された凶暴なヴォイスが特徴。一切の情緒を削ぎ落としたかのような疾走感は圧倒的。音のみならず CD のスリーヴ等ヴィジュアルに対するこだわりも相当なもの。ちなみに本作にはスリーヴ写真と同コンセプトのカッコ良いステッカーが封入されていました。2nd の "Thoughts Distorted" をリリース後、いつの間にやら活動停止状態(?)に。国内における認知度は悲しいほどに低かったですが、世界と十二分に渡り合えるユニットだと勝手に思い込んでいたので、非常に残念です。【Track Listings】01. Are You In02. Laise A Rebellion03. Gastrey04. Bring To Ruin05. Corporal Power06. Menacingly07. Carry One's Mission08. Lethal Chamber09. The Seed Of Abraham10. Train Your Body
2012.03.24
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我らが大魔神を想起させるようなモンスターがショット・ガン(?)を構えるイラストも素敵な、Can の 1st アルバム。Can と言うとついついダモ鈴木が頭に浮かんでしまうのだが、Malcolm Mooney のヴォーカルも負けず劣らずへんてこりんで素晴らしい。Michael Karoli のギターが堪能出来る冒頭の 3 曲は、Can の中でも比較的ポップな部類の作品。耳の奥で鳴り続ける電子音が印象的な "Father Cannot Yell" の歪な躍動感、トゥー・マッチなほどにセンチメンタルな "Mary,Mary So Contrary" 、後のニュー・ヨーク・パンクに闇の底で繋がってそうな "Outside My Door" は思い出せないんだけどハード・ロックのパロディーっぽい感じがする。圧巻は 20 分に及ぶ "Yoo Doo Right"。シンバル等金属系の音を極力配して似非民俗音楽風土着リズムをひたすらに刻むドラムと、奥の方でひっそりとのたうっているベースが生み出すかすかなうねりが徐々に大きく成長し、気付いたときには大きな音の渦となり聴く者を飲み込んでしまう。抗い難い浮遊感と言うか酩酊感とでも言うべきか、なんだこれは、の世界。やっぱり計算してるんだろうなぁ、ドイツ人だし(なんか妙に誤解している)。Can を聴き出したきっかけは、Public Image Limited や Magazine なんかのニュー・ウェーヴの影響です。私ぐらいの年代のお約束みたいな。先にも書きましたが、Michael のギターのカッコ良さにはビックリした記憶があります。もっととんでもなく実験的で難解だと勘違いしてましたからね、当時は。Can のアルバムの中では一番のお薦めです。【Track Listings】01. Father Cannot Yell02. Mary,Mary So Contrary03. Outside My Door04. Yoo Doo Right
2012.03.23
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ほっとくと女性ヴォーカルものばかり買ったり聴いたりしてしまうので、この辺りで微調整、、、って言う割りに微妙過ぎるセレクト。80 年代 B 級ネオ・サイケの代表格、Sad Lovers & Giants の 1st ミニ・アルバム。オリジナル・リリース時は 8 曲目の "Echoplay" に始まり "Far From The Sea" で幕を閉じる構成だったはずだが、CD 化された際に何故かド頭からボーナス・トラックを 7 曲もぶち込むという暴挙に。しかしながら元々が地味で知る人ぞ知る存在だった性か誰も気付かなかったと言う悲劇。えっ、そうだったっけ、みたいな。エコーやディレイをたっぷり効かせた浮遊感のあるギター・サウンド、控え目ながら叙情的なメロディーで空間を埋めるシンセサイザー。典型的なネオ・サイケ。但し、押しが弱い。弱過ぎる。ミックスでも後ろに押しやられているように感じる無個性なヴォーカルとか、イマイチ印象に残らないサビとか。写真見ると「好青年」としか言いようのない 5 人が写ってて、それはそれでのどかで微笑ましいのだけれど。出てくる音までそれと一緒じゃ仕方ありません。礼儀正しいシャウトとかアイロンできちんと折り目のついたロックとか額の汗を四角く畳んだハンカチで押さえるフィード・バックとか、そんなの誰が聴きたい?下らない比喩を連発してる割に、と言うか実は結構好きだ。出来の悪い子ほど可愛いと言うか。さすがにもう新作出たからと言ってなんでもかんでも買ったりはしないけれど。えっ?現役らしいですよ、このヒト達。【Track Listings】01. Imagination02. Landslide03. When I See You04. Colourless Dream05. Things We Never Did06. Lost In The Moment07. The Tightrope Touch08. Echoplay09. Clocktower Lodge10. Clint 11. Lope12. Cloud 913. Art (By Me)14. Alice (Isn't Playing)15. Far From The Sea
2012.03.22
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ヴォーカルの Pascal Borel と サウンド担当 Gregory Czerkinsky の二人からなるフランスのテクノ・ポップ・ユニット。何故か細野晴臣氏に見初められ、当時氏が主宰していた日本の Non Standard からリリースされた最初にして恐らく最後のアルバム。フランスの音楽業界は我が日本以上に英米のポピュラー音楽に蹂躙されているようで、こういった家内制手工業的にちまちまやっているヒト達はなかなか報われないのかもしれません。一部でサックスやギターが入ってたりはするんですが、相当注意してないと気が付かない程(笑)、「シンプル・イズ・ベスト」を地で行くようなテクノ・サウンドに、お世辞にも上手いとは言い難いけれどアンニュイな風情を漂わせる Pascal 嬢のウィスパー・ヴォイスが乗っかると言うのが基本フォーマット。人懐っこくて、「レトロ・フューチャー」云々以前に懐かしさをすら感じさせるキュートなテクノ・ポップです。難を言えば 1 曲目の "Naufrage En Hiver" の出来が飛び抜けていること。以降の曲の印象が薄く感じてしまいます。無い物ねだりと言うか、随分贅沢な不満です(笑)。かなり以前に廃盤になったままだと思いますので、見つけた時にはすぐ買っておきましょう。何時までも、あると思うな親と CD、です。【Track Listings】01. Naufrage En Hiver02. L'exotisme03. Quand Viendras-Tu?04. Anita05. Si Tu M'aimes06. Attends Ou Vas-T'en07. D'accord,D'accord08. Les Fleurs De L'ete09. Trois Beaux Soldats
2012.03.21
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昨年、ほぼ 10 年振りとなる 2nd アルバムをリリースしたフランスのゴシック・メタル・バンド、Akin のデビュー・アルバム。素直で伸びやかな Adeline Gurtner 嬢の歌声、清涼剤の如き爽やかさを感じさせるフルートの音色、控え目ながら程よく挿入されるデジタル音。そしてなによりこの手のバンドには珍しく、全篇に渡ってその存在感を示すテクニカルなギター。比較的ポップな味付けがなされている楽曲の中にあってこのバンドが持つ「メタル」的側面を十二分に感じさせてくれます。但し、ソロ・パートはあっても如何にもな感じのこれ見よがしさはありません。あくまで耽美的でドラマチックな曲を引き立たせる脇役として、印象的な泣きのフレーズをそこかしこに散りばめています。哀愁は感じても悲痛ではない。耽美的ではあっても沈鬱ではない。全体的に「ゴシック」と言う語感から受けるほどの重苦しさはなく、ひとつひとつの曲の中にも静と動、緩急がうまくつけられていてプログレ風の味わいもあります。所謂「メタル」が苦手なヒトにも受け入れられる作品だと思います。しかしこの内容で果たしてデス・ヴォイスは必要なのか、と言う疑問が若干湧いてはきますが。あと、やはり 10 年のインターヴァルは永過ぎですよね。もう少しコンスタントに活動してほしかったなぁ。フランスと言うと、Jane Birkin とか Lio とか Mylene Farmer とか Alizee とか(もういい!!)、、、ぐらいしか浮かばない私ですが、彼の地でのメタル・バンド諸氏のポジションは如何なもんなんでしょう。【Track Listings】01. Dreamland02. To One In Paradise03. Evening Star04. Stnza #405. Lenore06. A Dream Within A Dream07. Annabel Lee08. Verse09. The Valley Of Unrest
2012.03.15
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Serge Gainsbourg と Jane Birkin を両親に持つフレンチ・ポップ界のサラブレッド、Charlotte Gainsbourg 15 歳のデビュー・アルバム。父親の全面バック・アップ体制だが、さすが Serge。実の娘だからと言って(だからこそ?)全く容赦なし。いきなりの父娘デュエット "Charlotte For Ever" で幕を開ける。Serge Gainsbourg と言う人物を知っているヒトでもコレはちょっと、と腰が引けそうになる近〇相〇を思わせる淫靡なオープニング・ナンバー。続く、'sensation'、'attention' と繰り返される脚韻が妙にくすぐったい "Ouvertures Eclair" では、主役たる Charlotte のヴォーカル・パートは 4 分余りの曲の前半のみ。後半 2 分間はサックスのソロ・パートに充てるという暴虐非道振り。やりたい放題です。Charlotte 自身はあまり歌うことに積極的ではなかったようですが、母 Jane Birkin 譲りのへたうまウィスパー・ヴォイスを存分に聞かせてくれます。退廃とかアンニュイなどとは無縁の年齢のはずなのに、醸し出されるこの色っぽさは只事ではない。勿論、Serge の演出あってこそ、なのは十分理解は出来るんですが。この年頃の女の子特有と思われる、秘密めかした内緒話や意味あり気に交わされる多くの手紙、繊細さや傲慢や含羞や大胆さなど相反するものが矛盾することなく同居する不可思議さ、他者に対する無防備なまでの無関心、そんな色んな物が綯い交ぜになって出来上がった作品。 What are little girls made of?この歳(ご想像にお任せします)になって聴いていると、さすがに面映いものがありますが。【Track Listings】01. Charlotte For Ever02. Ouvertures Eclair03. Oh Daddy Oh04. Don't Forget To Forget Me05. Plus Doux Avec Moi06. Pour Ce Que Tu N'etais Pas07. Elastique08. Zero Pointe Vers L'infini
2012.03.14
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"High Tide & Green Grass" に続くオフィシャル・ベストの第 2 段。謎の死を遂げた Brian Jones の追悼盤としての性格も持ち合わせています。もう何十年と(は、言い過ぎか)愛聴してきたので、私の中では同時期のオリジナル・スタジオ・アルバムと同等の「名盤」扱いです。なにしろ 1 枚のアルバムの中に "Jumpin'Jack Flash" と "Honky Tonk Women" が収まっているなんて奇跡としか言いようがなかった。勿論、CD 時代になって以降にリリースされた近年のベスト盤に比べれば、収録曲が少ないだの選曲に疑問が残るだの、なんやかやで物足りなさが残るだろうけれど、この腹八分目感覚がなんとも素晴らしい。これを聴いているともっともっと Rolling Stones を聴きたいという欲求が溢れてくる。私はこのアルバムを縁として "Beggar's Banquet" や "Let It Bleed" に辿り着いた。そして、こう思う。なんでもありが必ずしも「ベスト」ではないのじゃないか、と。【Track Listings】01. Jumpin'Jack Flash02. Mother's Little Helper03. 2,000 Light Years From Home04. Let's Spend The Night Together05. You Better Move On06. We Love You07. Street Fighting Man08. She's A Rainbow09. Ruby Tuesday10. Dandelion11. Sittin'On A Fence12. Honky Tonk Women
2012.03.13
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当時、勿論この作品が初めて日本で紹介された「当時」と言うことだけれど、私が抱いていた所謂インディーズに対するイメージはあまり芳しいものではなかった。パンク~ニュー・ウェーヴを積極的に取り上げていた数少ない音楽雑誌にまれに掲載されるのは、何処かの海岸の断崖と思しき荒涼とした場所でメンバーがてんでにたむろしているポートレイトや、画像が暗すぎて何処までがステージで何処からが客席かも判別出来ないようななにやら不穏な空気を醸し出すライヴ・ショットといった、それまで私が見てきたミュージシャンの写真とはまるで違った寒々としたものが比較的多かったからだ。そんな数少ない写真からはなにかしら拒絶されているような、少なくとも歓迎はされていない雰囲気は伝わってきた。そんな中で出会った Young Marble Giants である。エレクトーンにプリセットされているようなチープなリズム・ボックス、やたら音の大きいベース、申し訳程度に顔を出すパーカッシヴなギター、なんとも薄っぺらいオルガン。この隙間だらけの無機質な音作りは当然ながら投資すべきお金がなかった証左でもあるだろうが、それ以上にメンバーのはっきりとした意思があったように思う。彼らはこう言う「音」にしたかったのだ。Alison Statton の不安定でありながらも楚々とした歌声は今でも十分魅力的ではあるけれど、後の Weekend で見せてくれるような「表情」と言うものには欠けている。どこかで「元祖ネオ・アコ」的なフレーズを見掛けたが、その響きから受けるような人懐っこさは欠片もない。ここにあるのは Throbbing Gristle や 初期の Cabaret Voltaire 等と同質の音楽である。私にはそう聴こえる。そして同時にそんな寒々とした風景になぜかしら惹かれる自分自身も否定は出来ないのだ。【Track Listings】01. Searching For Mr Right02. Include Me Out03. The Taxi04. Eating Noddemix05. Constantly Changing06. N.I.T.A.07. Colossal Youth08. Music For Evenings09. The Man Amplifier10. Choci Loni11. Wurlitzer Jukebox!12. Salad Days13. Credit In The Straight World14. Brand-New-Life15. Wind In The Rigging16. Clicktalk17. Zebra Trucks18. Sporting Life19. This Way20. Posed By Models21. The Clock
2012.03.12
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Super DJ Dmitry、Jungle DJ Towa Towa、The Lady Miss Kier Kirby の 3 人からなるハウス・ユニットの 1st アルバム。取り敢えず掛け値なしにアッパーでハッピーで能天気なところが宜しい。ジャケットもいかがわしくて馬鹿馬鹿しくて良いなぁ。例え音楽的に高等なことをやってたとしても、そうは感じさせない、むしろコレってアイディア一発のノリじゃん!?って思わせるぐらいがちょうど良い。実際のところは解かりかねますがこう言う辺りに鄭東和の貢献が見えるかな、と個人的には思います。余計なこと考えずに踊れるって言うか。いや、フロアー仕様と言うよりは自宅の部屋で聴ける作品ですよね。ダンス・ミュージックとして云々以前にポップ・ソングとして素晴らしい。そう言う意味では「ハウス・ミュージック」の範疇で捉えるべきではないのかもしれません。先日、ウェブで最近の(?) Kier 嬢のお姿を拝見しましたが、さすがに(以下、自粛)。でも、当然のことながら CD に刻まれた Kier 嬢の歌声は劣化しません(言うてもーた!!)。キッチュでチャーミングで、今でも十分に聴き通せます。【Track Listings】01. Deee-Lite Theme 02. Good Beat 03. Power Of Love 04. Try Me On... I'm Very You 05. Smile On 06. What Is Love? 07. World Clique 08. E.S.P. 09. Groove Is In The Heart 10. Who Was That? 11. Deep Ending 12. Build The Bridge
2012.03.11
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フランスのレーベルからのリリースですが、ブックレット内の作詞・作曲クレジットを見るとファミリー・ネームが Khanh になってる。ジャケットでは判り辛いけれどアジア系の顔立ち。更に脇を固めるのが、Crispin Taylor に Brendan Lynch、Steve Craddock、極め付けが Mick Talbot。御大 Paul Weller の名前がないだけで、それなんていう Style Council なミュージシャン陣。なんとも不思議なフレンチ・ポップです。安易にフレンチ・ポップなんて書いてしまいましたが、バックのメンバー見れば一目瞭然なアシッド・ジャズ。エスニックなサンプリングもあったりしますが、まったりしたフォーキーな世界がおよそ 1 時間に渡って繰り広げられます。Atlantique 嬢の声はややハスキー。残念ながら彼女ならではの個性には欠ける気がします。強いて言えば、押し付けがましさのないその歌声はリラックスしたい時の BGM には打って付け。あまり褒め言葉になってないか。まあ典型的なジャケ買いの一枚なのでその辺りはご勘弁下さい。【Track Listings】01. Pourquoi Faire02. Mes Lacets Defaits03. Sois Pas Gris04. Nelson05. Billie,Joe Et Moi06. Interlude 107. Les Cheveux Emmeles08. Souris Moi09. Gris Matin10. Les Eaux De Mars11. Je Veux Rester Au Lit12. Interlude 213. Reve-Revolution14. A Contre Temps15. Contre Vents Et Marees
2012.03.10
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Jim Shaw と Alison Shaw を核とするゴシック・ロック・ユニットの 2nd アルバム。結成以来優に 25 年は経ってると思いますが、現在も活動中だとか。Dead Can Dance の 1st アルバムを、バロック音楽を思わせる生楽器やノイジーなドローン・ギター、それにロリータ・ヴォイスとで再現したような趣き。いきなり沈鬱な響きの "Watersong" で幕を開け、"Adoration" で大団円を迎えるまでひたすら重苦しい音が続きます。8 曲目の "Tomorrow's Tears" で多少息をつけるかな、と言う程度。先程「ロリータ・ヴォイス」と書きましたが、実際はそんなに甘っちょろいもんじゃありません。これが俗に言う「アニメ声」ってやつじゃないですか?同じ「ロリータ」と呼ばれてもかつての Charlotte Gainsbourg や Vanessa Paradis とは種類が違う。もっと人工的な感じがします。私自身、子供たちが見ている傍らで暇つぶしに眺めている程度なので、アニメ方面には全然明るくないですけど。暗めのゴシック・サウンドとこの「アニメ声」との相性、キワモノっぽく思われがちですが案外良いです。結局のところ、音楽の質以前に Alison 嬢の声を許容出来るか否かが、Cranes そのものの評価に大きく影響してくると思います。それ程破壊力抜群です。【Track Listings】01. Watersong02. Thursday03. Living and Breathing04. Leaves Of Summer05. Starblood06. Sixth of May07. Wish08. Tomorrow's Tears09. Beautiful Sadness10. Hopes Are High11. Adoration
2012.03.09
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David Bowie 直系のナルシスト成分を多量に含んだシンガー Billy Mackenzie と、濃ゆ過ぎるマスクでタメをはるギターリストの Alan Rankine によるユニットの 1st アルバム。3rd アルバムの "Sulk" で聞かせてくれる煌びやかでサイケデリックなエレ・ポップ・サウンドはまだ蕾状態。レアなギター・サウンドが中心でジャケットに象徴されるが如く、どちらかと言えばモノ・トーンの世界が繰り広げられている。タイトル・チューンの "The Affectonate Punch" 等はちょっと雑然としていてさすがに粗が目立つ気がする。そんな中にあって Billy Mackenzie の個性は既に際立っていて、"Logan Time" や "Deeply Concerned" 等ミディアム~スローな曲におけるクドい歌唱は、正に彼ならでは。残念ながら頻繁に聴きたくなるようなアルバムではありませんが、私は "Fourth Drawer Down" ~ "Sulk" ~ "The Affectionate Punch" (リミックス・ヴァージョン) ~ 本作(オリジナル・ヴァージョン)と言う順番で聴いてきたので、なにやらスッピンの彼女と顔を突き合わせてでもいるかのような不思議な感覚です。ちなみに、Cure の Robert Smith がレーベル・メイトのよしみ(?)でゲストとしてクレジットされていますが、何処で何をしているのかさっぱり判りません。【Track Listings】01. The Affectionate Punch02. Amused As Always03. Logan Time04. Paper House05. Transport To Central06. A Matter Of Gender07. Even Dogs In The Wild08. Would I...Bounce Back09. Deeply Concerned10. A- Bonus Tracks -11. You Were Young12. Janice13. Boys Keep Swinging (Mono)14. Mona Property Girl
2012.03.08
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挨拶代わりの "Meeting Of The Spirits" からフル・スロットル。全楽器一丸となって猛進しつつ、お互い容赦しなさそうな殺伐とした雰囲気が逆に(?)小気味良い。続く、"Dawn" では少しは反省したのか穏やかな幕開け。と思わせておいてギターが辛抱堪らず走り始めるやいなや、待ってましたとばかりに他の 4 人も追随し全ては後の祭りに。統制がとれているんだかいないんだかよくわかりませんが、ある種若気の至りと言うか(まあ「若気」と言うほど本当に若くはなかったんでしょうけど)、John McLaughlin のギターのみならずベースもドラムも暴走気味に、ついて来られるもんならついて来てみんかい!的な奔放で荒々しいところが魅力です。あと、よく指摘される King Crimson との類似性ですが、私も "Lark's Tongue In Aspic" ~ "Red" 期(第何期なんでしょう?)を連想しました。King Crimson に、と言うか端的に Robert Fripp に比べるともったいぶったところ、思わせ振りなところがないように感じます。「A」のことを歌ってるんだけど、実のところは「Z」を表現してるんだよ、わかるかな?みたいなところ。いや、King Crimson 大好きなんですよ。念の為。【Track Listings】01. Meeting Of The Spirits02. Dawn03. The Noonward Race04. A Lotus On Irish Streams05. Vital Transformation06. The Dance Of Maya07. You Know,You Know08. Awakening
2012.03.07
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今更ながらに思うんですが、やはりハウスは 12 インチ。アルバム単位でどうのこうの言っても仕方がないのかなぁ、と。逆に言えば、アルバム単位で聴かせる作品が少ない、と言うことでもあるだろうし、端的に言ってリミックスの一手法としては認知されてはいても、音楽の「ジャンル」としては今も昔も変わらずマイノリティーであると言うことのなのかもしれない。「ゴッド・ファーザー・オブ・ハウス」と呼ばれた Frankie Knuckles の初リーダー・アルバム "Beyond The Mix" にしても、"Rain Falls" や "The Whistle Song" 等一曲一曲は素晴らしいのだけれど、一枚のアルバムとして考えるとちょっと聴き通すのが辛いものがある。かと言って David Morales の "The Program" 辺りになってくると、グラウンド・ビートありレゲエあり R&B ありで、一体何処がハウスですか!?になってしまうし。エラソーなこと言ってますが、当時も今も 12 インチの最果てまで追っ駆けるほどのお金も体力も無い私は、"Is It Love?" や "Deeper Love" を大音量(勿論、ヘッド・フォーン!?)で繰り返し聴きながら、美しいピアノの調べに陶然となるぐらいが関の山なのであります。って言うか、地味だけど結構気持ち良い作品ですよ、コレ。【Track Listings】01. Blue Notes02. Sands Of Time03. Is It Love?04. Deeper Love (Missing You)05. You & Me Together06. It's Over Now07. Scandal08. Rejoicing (I'll Never Forget)09. Rain10. Love Hungover11. It's My World12. Funny (How Things Change)
2012.03.06
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デビューは先んじていたが、後発組の(?)宇多田ヒカルや Misia が牽引した J-R&B ブームに呑み込まれる様な形で所謂「ディーヴァ」的な紹介をされた ACO が、1999 年に発表した 4 枚目のアルバムにして J-R&B への決別宣言。 本来であれば(?)避けて通りたいタイプのアルバムのハズなんだが。「男」の私からするとちょっと勘弁して下さいよって言う要素が一杯あって、例えばジャケットのイラストのセンスだとか、だらしなく引き摺るような甘ったるい声だとか、"Black Maybe" の粘っこすぎる解釈の仕方だとか。一番端的なのが、歌詞。私の頭が悪いのがそもそもの原因なんだろうけど、正直何を言っているのか皆目理解出来ないのだ。基本的に私は「歌詞」は「無い」ことにして音楽を聴いている。それでも喉に刺さった小骨のように引っ掛かってくるんだから、ACO さんの「歌詞」の破壊力は相当なものである。それなのにそれなのに、である。何故かハマってしまって、以来彼女のアルバムが出る度に一片の疑問も抱かずに購入している私がここに居る。もう笑うしかない。最たる要因が、「まりん」こと砂原良徳の手によるアンビエントな音作りにあることは明白なのだが、先述した私にとってネガティヴであるはずの要素が、実は(それ故に?)大きな魅力になっているのではないかと言う気がしている。よくわからないけど。今夜はなんだかとりとめがない。いや、今夜も、か。【Track Listings】01. Prologue02. 悦びに咲く花03. SPLEEN04. 愛したあなたは強いひと - The Direcot's Cut -05. Black Maybe06. 今日までの憂鬱07. 夏の陽08. 雨の日の為に09. INTENSITY (YOU ARE)10. 哀愁とバラード11. ひとつのくもり12. absolute ego13. 太陽
2012.03.05
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御覧になれば納得して頂けると思うけれど、なんと言ってもアルバム・ジャケットが秀逸。デザインを担当したのは、初期 Factory Records を代表する Joy Division や A Certain Ratio、New Order と言ったアーティストのレコードや、Roxy Music の "Avalon"、Funkapolitan の 1st アルバム等を手掛けた Peter Saville。ジャケットがこれじゃなかったら私は購入に至らなかったであろう、とすら断言出来る。肝心の音の方は、誰が言ったか知らないが当時 Fake Jazz (ジャズもどき)と呼ばれていましたが、そんなに奇異な感じは受けなくて、どちらかと言えばコンパクトにまとまった真っ当なジャズに聴こえる。確かに金属的な異音を流し続ける壊れた発信機のような Arto Lindsay のギターが変と言えば変だが、逆に彼のギターがなかったら味気ない作品になってたんじゃないかとも思う。風変わりな音楽ばかり聴いてきた性でしょうか。それより(?)気になるのは、プロデューサーたる Teo Macero の存在。Miles Davis のアルバムで有名な方で、私個人の印象は「編集の達人」。切っては貼り付け、貼り付けては切る。後のダブとかカット・アップ的手法の先駆者に思えたりする訳ですが、彼がこのアルバムで果たした役割がイマイチ掴めない。もしかして、アルバムに箔をつける為(ハッタリ)のキャメオ出演だったのか!?【Track Listings】01. Incident On South Street02. Harlem Nocturne03. Dot The Wrong Thing04. Au Contraire Arto05. Well You Needn't06. Ballad07. Wangling08. Conquest Of Rar09. Demented10. I Remember Coney Island11. Fatty Walks12. Epistrophy13. You Haunt Me
2012.03.04
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ノルウェーのゴシック・メタル・バンド、1998 年リリースの 1st アルバム。ギター 2 本、キーボード 2 台を含む 7 人の大所帯。7 人も居るクセに(?)演奏面での主役は何故かゲストのヴァイオリニストという困った人達です。地の底から吹き上がって来たかのようなデス・ヴォイスの咆哮で幕を開ける "My Love" にまず驚かされます。ヘッド・フォーンしていない方はヴォリュームに要注意。オープニングからその威力全開で悲痛なまでにメランコリックなメロディーを炸裂させるヴァイオリン。負けじと分厚いシンフォニック・サウンドで対抗するキーボード。脇役に徹するギター、ベースにドラム。そんな重厚な音の隙間を縫うように現れるのは、Anita Auglend 嬢の哀しみの表情を湛えつつ透明感を失わない歌声。やや線が細過ぎるきらいはありますが、なんとも儚げで男心擽りまくりです。この、バンドの本質を体現したかのような 1 曲目、9 分 30 秒もあります。これでもか、と言うぐらいにアルバム全篇に渡って哀歓溢れるドラマティックなゴシック・メタルを聴かせてくれますが、全 7 曲で 55 分弱、最も短い曲でも 6 分 39 秒。ある種宗教的な匂いすら漂わせる世界観を共有できないとちょっと辛いかもしれません。ちなみにヴァイオリンは Pete Johansen と言うヒトで、このアルバムでは八面六臂の活躍振りなんですが、なんと 3 曲目の "Worthy Of You" では冒頭から約 4 分余りに渡ってヴァイオリン・ソロを披露しています。なんかもうゲスト扱いが失礼みたいな。【Track Listings】01. My Love02. The Kiss03. Worthy Of You04. Lake Of Sorrow05. Until The Dark06. All Alone07. Silent Pain
2012.03.03
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つい最近のこと。数年前にネットで偶然知った Natalie Walker と言うシンガー・ソングライターの CD を聴いている時に、ふとジャケットのクレジットに目が留まった。入手した時から「どこかで見た様なロゴ・マークだなぁ」と漠然とは思っていたのだが、漸く気が付いた。なんのことはない、Dorado Records のロゴだったのだ。って言うかちゃんと "DORADO" って書いてあるし。それなんて言う節穴!?所謂アシッド・ジャズ華やかしき頃、Dorado Records の音楽をよく聴いてたんですよ。Jhelisa、A.P.E. に Outside。そして本命はなんと言ってもこの D*Note。私自身 D*Note の実態はよく判っていませんが、シリアスなラップとソウルフルな女性ヴォーカルが交互に立ち現れるオープニングの "Judgement"、ジャジーなハウス・ナンバー "Rain" 等ヒップ・ホップやソウル、ハウス、勿論ジャズなど様々なジャンルの音楽がなんの違和感も無く D*Note と言う器に見事に収まっています。またサックスやフルート、ピアノといった生楽器の混ざり具合、流麗なストリングスの使い方も秀逸。日本ではあまり人気なかったようですが、90 年代初頭のイギリスの音楽シーンを語る上では Galliano と並んで外せないユニットのひとつです。最後にまったくの余談をひとつ。先述の Natalie 嬢、一見清楚な感じの美女なんですが右腕に漢字で「夢」とタトゥー入ってます。なんだかなぁ。【Track Listings】01. Judgement02. Babel03. Now Is The Time04. Gimme Some Liquor05. Aria06. The Mandarin And The Courtesan07. Rain08. Bronx Bull09. Fiddler10. Omni11. The More I See12. Pharoah13. The Message14. Lydia15. Scheme Of Things16. The Death Of Ntela Njonjo17. D*Votion18. God Bless Your South Africa
2012.03.02
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大胆にトリミングされた粒子の粗いモノクロームのポートレイト。その右上に、まるで伝えることが叶わなかったメッセージのような密やかさで小さくプリントされたバンド名とアルバム・タイトル。物憂げな視線はレンズを捉えているのか定かではない。私が所有している CD のなかでも、これほどジャケットと中味の音が一致している作品も珍しい。勿論、アナログ時代から数えれば 30 年近く聴き続けているので、当然それだけの想い入れもあるわけだが。恐らくほとんどエフェクターを使用していないと思われるエレクトリック・ギターと、シンバルやハイハットを廃してドコドコ鳴り続けるドラム、Lou Reed や Tom Verlaine の影響が窺える素っ気ないヴォーカル。日本においてはネオ・アコの流れで紹介されていたように記憶しているが、よりサイケデリックな印象が強い。起伏の少ない単調な構成が(故に?)、意図したものかどうかは別にして、時に幻惑的な表情を見せてくれる。個人的にはインストゥルメンタルの方が好きだ。深夜にヘッド・フォーンで聴いていると、そのあまりにも美しい音の連なりになんとも切なくなってどうしようもないんだけれど。この脆く儚い音のマジックは、Maurice Deebank と言うギターリストの脱退を境にあっさりと消えてしまう。それまでは、しばし夢の続きを。【Track Listings】01. Evergreen Dazed02. Fortune03. Birdmen04. Cathedral05. I Worship The Sun06. Templeroy
2012.03.01
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