神経内科医の徒然診療日記・コロナの時代
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一過性全健忘症直前の記憶が突然消える-軽い脳卒中、てんかんなどが原因に- ある時、突然、今あったばかりのことを忘れてしまう。しかし、1日もたてば正常に戻る-。東海大学医学部付属東京病院の篠原幸人教授(脳卒中・神経センター長)は「こうした症状は、一過性全健忘症のことがある」と言う。 ● 古い記憶は思い出せる 一過性全健忘症とは、言われたこと、目で見たこと、触って感じたことなどをすべて一時的に忘れてしまう病気だ。普通、24時間以内に正常に戻るため「一過性」と呼ばれる。 自分が誰かとか、身近な人の名前、自分との関係などは分かっている。しかし、数分から30分程度前の短期記憶に障害が起こる。 例えば、銀行に大金を引き出しに行き、帰る途中でなぜ大金を持っているのか分からなくなる。「銀行に下ろしに行ったから」と説明を受けると了解する。ところが、すぐ「なぜ、こんなお金を持ってるのか」と同じことを質問してくる。 通常、数カ月から数年以上前の長期記憶には障害は起こらない。ろれつが回らなくなったり、手足にまひが起きたりすることもない。中高年に多く、繰り返し起こる人は5、6%以下と少なく、物忘れがずっと続く人はほとんどいない。 ● 「海馬」に血流障害 一過性全健忘症は、軽い脳卒中、てんかん、頭部外傷、精神的なショック、初期のアルツハイマー病など、いろいろな原因で起こる。病気の検査中や、冷たいシャワーを浴びたとき、セックスの最中に起きたという例もある。 こうした何らかの原因により、脳の記憶に関係する「海馬」という部位を中心として、一時的に血流が悪くなったりして障害が起き、発症すると考えられている。 原因が判明したら、それに即した治療が行われるが、一般的には、すぐに良くなるので特別な治療は行われない。 篠原教授は「自分でも発作中は、何かおかしいと感じる人が多い。また、周囲の人は、急に同じ質問を繰り返されて気付くことが多いようです。発作が治まった後でも、原因をはっきりさせるために、神経内科あるいは精神科の医師に相談することを勧めます」と助言している。Medical Tribune(健康百科)よりコメント : 一過性全健忘症も一生に一度くらいは誰でも経験しそうな症状です。脳卒中などを心配されて受診される患者さんが、多いのですが頭部CTなどでは異常が認められないことが多いようです。認知症も心配されますが、一時的な症状なので認知症になることはありません。原因もいろいろありますので、専門医で一度検査は必要でしょう。
Jun 21, 2006
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