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4ゲーム、参加者は20名ほど。
結果から書くと、
204 247 223 178 = 852
優勝。
……優勝?
終わるまで全然そんな気はしていなかった。
特に最終ゲーム178。
自分はわりと4ゲーム目に強いほうで、
レーン変化が進んで周りが苦しくなってくる時間帯は、
むしろ好きだったりする。
その4ゲーム目で178まで落としてしまったのは2か月ぶり。
終わった瞬間は、
「5位くらいかな」
と思っていた。
ところが周りを見渡してみると、みんな思う以上に打ってない。
王者Kさんですら810。
そして、852の自分がトップだったというわけだ。
7月のプロチャレンジに続いて、今期2勝目。
なんともスッキリしない優勝ではあったけれど、
耐えた末の優勝も意味深い。
この優勝を今回は振り返る。
実はこの45ftのコンディション、
前日の夜にロビンと5ゲーム投げ込んでいた。来月から新しいレンコンになったというので、小手調べのつもりで。
202 258 233 209 238
5ゲーム1140、アベ228。
1ゲーム200円の通常ゲームだったし、
褒賞がかかっているわけでもないので、細部では多少「抜いて」いた。
それでも「ブラックウィドーで普通に打てる、これなら」
という感触だった。
先月の43ftから2ft長くなったぶん、むしろ楽に感じたくらいだった。
ただし、投げたのは夜21時ごろ。
スタッフチャレンジは翌日の13時。
しかも大会で使うレーンは、その間にマイボウラーがリーグで使っていた。
当然、削れてはいるだろう。
ただ、そこもある程度は計算していた。
マイボウラーが投げたあとなら、それなりにセオリーに沿った削られ方をしているはず。
ハウスボウラーが散らかったコントロールで不規則に通したレーンよりは、ずっと読みやすいだろう。
実際、スタートしてみると若干遅いくらい。
「まあ、昨日とそんなに変わらんか?」
という感じだった。
1ゲーム目は204。悪くはない。
ロビンに「お前はおそらく205以下くらいで入る」と言われていた通りまんまと204になったことが悔しかったぐらいだ。
そして2ゲーム目。
いきなり1フレで割った。
普通ならただの失投なんだが、この一球は
今後の自分にとって、かなり大事な一球になるかもしれない。
昔、イチローがとある試合でセカンドゴロを打った瞬間に、
ずっと探していた打撃の感覚をつかんだ、というような話があった。あれに近い。
結果そのものは悪い。
でも、その失敗をした瞬間、
「あ、これだ」と分かるひらめき。
今回、自分にもそれがあった。
下半身は開いていていい。
でも上半身まで一緒に全部開いてはいけない。
上半身には、多少「締める」意識が必要だ。
その感覚が抜けた投球をして割ったことで、逆にそれがはっきり分かった。
すると、そのあとが良かった。
2、3フレをスペアにして、4フレから6連発。
247。失投で割ったのに、妙に収穫の大きいゲームになった。
3ゲーム目は223。
ここはレーンにやられたというより、自分の投げミス。
2フレの10ピンは、ラックが邪魔で
10ピンに向かうアプローチの角度を十分取れず、左へミス。
ほかにも身体の締めが甘くなって外へ出した投球が2つあった。
自分の感覚では、投げミスが3つ。
それでも223だったので、この時点ではまだ、
「普通に打てるな」
と思っていた。
3ゲーム終了で674。
アベ224.7。こっから打ち上げて900へ、そう思っていた。
4ゲーム目。
1フレはストライク。
そして2フレ左レーン。
突然、ボールが一気に噛んだ。
ド真ん中へ入り、スプリット。
正直、そこまで急激に枯れる兆候を感じていなかったので、面食らった。
ただ、不思議と判断は冷静だった。
「ここまで噛むなら、中途半端に動いてもしょうがない」
前回の記事で書いた「死地」に近い状態なら、
ダイナミックに内に入ればいい。
一気に3枚ほどインサイドへ。
これが当たって、3、4フレはダブル。
ここまでは良かった。
ところが5フレ。
今度は右側のレーンでまたスプリット。
これは計算外だった。
今度はさっきとは逆で、オイルに流されながら
ポケットヒットしたような格好になった。4番タップと10番タップが併発したような変なアクション。
ただ、似た残り方は2ゲーム目にも一度出ていた。
伸びたオイルの影響もあったんじゃないかと思っている。
オイルの出先で最後のグリップを正確に作れなかったボールが、
幅を取らずにそのままポケットへ入ったとき、「この日のこの場所では」ああいうアクションになる、
という傾向があったのではないか
しかしながら、ここで腐ってはいけない。
とにかく4番だけは絶対拾おう。
そう思って、4番を取った。
そこからはノーミス。
ただ、スコアは伸びない。
そして10フレだ。
ここで、背後に気配を感じた。
Kさんが、後ろに仁王立ちしていた。
言わずと知れたマイセンターの雄。
ホームでずっとトップに君臨する最強ボウラーである。
自分には「王者」みたいな存在だった。
思えば自分は若いころ、
自分のボウリング姿を女子が見ていると、
「カッコいいところを見せなきゃ」
と力んで、全く良い投球ができなくなった。
時を経て40を超えた今、
おっさんであるKさんに見られても、大変力むことがわかった。
「王者の前でダセえボウリングは見せられない」
そう思ってしまった。
心の中では、
「どんなボウリングしてるんかなこいつ、って見てるんかなあ…気になる…」
と思っていた。
案の定、10フレもそういった無用のプレッシャーを自分にかけたせいで、
あまりうまく投げられなかった。それでもスペアにはした。
すると後ろで見ていたKさんが、スッと手を差し出した。
自分はそれを単なるスペアのタッチだと思った。
するとKさんは言った。
「優勝だよ。」
一言だけ。
「え、そうだったんですか?」
初めて分かった。
Kさんは自分の投球を早く終えて、全員のスコアを見ていた。
あの人は私にプレッシャーをかけるために後ろに立っていたわけじゃない。
たぶん、優勝するところを見届けて、勝った人間を称えるために立っていたのだ。
自分は勝手に力んでいたんだが…。
そういえば、試合で初めて300を出したときもそうだった。
みんなからの怒涛のハイタッチがひと段落したあと。
遠くのボックスからKさんがスッと現れた。
そして、
「おめでとう」
と一言だけ告げて手を出してくれた。
自分はKさんとは、実はほとんど会話をしない。
あの方がどんな仕事をしているのか知らない。
何歳なのかも、家族構成すら知らない。
でも、とにかくすごい人だ。
とんでもなく打つ。
特に掴んでいるときの爆発力たるや。
誰も止めることができない。
そして、根っからの競技者なのだ。
余計なことはあまり言わない、昔気質の人だ。
でも、勝った人間をちゃんと見ていて、その頑張りを静かに称えられる。
こういうところが、
「勝たなかった日すら」王者だなと私は思う。
そして最近、ようやくそのKさんと、
少しずつ勝負ができるようになってきた。
フリータイムリーグでは、お互いに上位。
センターのアベランキングでも、
先月は二人とも227でコンマの差。
自分は人生初めて、Kさんから首位の座を奪った。
今月はKさんが225で1位。
私が223で2位。
そしてお盆の9ゲームマラソン。
参加者31人。
私は228アベで2位だった。
普通なら「相当打った」と言っていい。
ところがKさん。 249アベ。
これはもう人間じゃない…(笑)
そして今回のスタッフチャレンジは、
こうして、なんとか勝利。
まだまだ「互角になった」なんて言うつもりはない。
おまけしてもらって、ようやく組み合えるようになった、くらいだ。
でも、以前はずっと遥か視野の遠くにいた人と、今こうして勝ったり負けたりできるところまで来た。
そんな自分自身を、ものすごく成長したと思っている。
もしKさんがいなかったら、今のような自分になれていた自信はない。
追いつきたい背中が、また自分を先へと歩ませる。競技をするうえで、幸せなことだと心から思う。
そんなことを感じた今期2勝目だった。
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