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フリータイムリーグ、第14週。
残りもいよいよ4週となった。
現在、ポイントランキングは首位とわずか1ポイント差の2位。
そんな中で耳にしたのは、今週、
首位を走るIさんが苦しんだらしい、という情報。
首位奪還のチャンスは、十分ある。
ただ、そこを意識しすぎても仕方がない。
今日も、自分のボウリングをする。
最初から無理に打ちにいかなくていい。
まずは200ちょい。レーンを掴むまでは多少慎重でもいい。
そして、掴んだレーンを離さず、ゲームが進むにつれて打ち上げていく。
それが最近の、自分なりの勝ち筋だと思っていた。
今週の対戦相手は、センターのスタッフでもあるAくん。
自分と同じ両手投げだが、タイプはかなり違う。
Aくんは、自分よりずっと曲げ幅を取る。
内側から外へ大きく出し、強烈な角度をつけポケットへ戻す。
まだ若く、安定感という面では上位陣に劣る部分もある。
しかしながら、ハマったときの爆発力は
センタートップクラスにも引けを取らない。
そんな対戦相手のAくんが、センターへ行くと、比較的暇そうにしていた。そこで軽く雑談を。
「今週の対戦相手ってさ…」
「はい、僕ですよね」
「そそ、うん。Aくんだよね。」
ここでなぜか自分は予期しない一言を口ばしる。
「せっかくだから、一緒に投げて直接対決する??」
多少かましてやるかな、くらいのつもりだった。笑
「えっ、やりますか?じゃ道具とってきますね♪」
【内心】
こ、これで良かったんだろうか…
これが勝負のあや、っつーか…
大敗を喫することになったらどうしよう…
このリーグはフリータイム制なので、本来は対戦相手と別々に投げる。
ただ、本人同士がよければこうして同じボックスで直接対決してもいい。
かくして第14週。今シーズン初めての直接対決が始まった。
45ftを前に練習投球が始まった。
練習から、Aくんの球はやっぱり強かった。
大きく幅を取って、先でしっかり向きを変える。
ポケットに入ったときのピンの飛びも抜群だ。
お互い、それほど苦手意識のないコンディションだろう。
こうなると、ストライクをどれだけ続けられるかの勝負になる。
1ゲーム目。
214。悪くない。
ただ、4フレで薄めに入り、2-10。
ここで少し考えた。
このまま同じラインを投げ続けたら、薄めの危険が何度も顔を出すかもしれない。
そこで、微妙にアウトサイドへ移行する。
ほんの小さな変更だ。
でも、こういうところを雑にしない。
7フレでも薄めにはなったが、残りは2-8。
寄った分だけ2-10絡みの大きな事故にはしなかった。
そして、それ以降は薄め側の危うい展開が消えた。
自分らしい負の側面のケアから始まる、らしいスタート。
ところがAくん。
244+ハンデ7で251。
初戦を取り損なう。
2ゲーム目へと続く。
少し入りが甘い。
そこをより絞る形でアジャストしていき、終盤のミスが痛かったものの、なんとか233まで持ってきた。
都合、2ゲームで447。
十分頑張っている。
しかしAくん。
236+7=243。
スペアも堅い。
連敗となってしまった。
展開は自分の得意とする形である。
なのに勝ちがついてこない。
内心「全部負けたらどうする」という考えがちらついた。
3ゲーム目。
このあたりになると、状況はかなり見えていた。
残るなら10ピン。
ならば、もう少し飛ばしにいきたい。
ただし、攻めすぎて厚めへ持っていって割るのは避けたい。
そこで大きく動かすのではなく、
0.5枚。
その狭間で微調整する。
若干の打ち上げ。236。
一方のAくんは、ここで幅を取る球質の負の側面が少し出た。
192+7。
ようやく○。
●●○
ここから最終ゲームへ。
1フレの右レーン。
25枚目に立ち、11枚目を通す。
ここなら押し込める。
そう考えて投げた。
ところがボールは想定よりも手前で噛みだして、
グググッ。
と動いた。
まずい!!
厚目に入りあわや4-10。
10番ピンがなんとかゆっくりと倒れ9本。
そこで理解した。
このラインは死地、死地と化したのだ。
そして、以前自分のボウリングについて
考えながら書いた言葉を思い出した。
死地は壁となる。
外が動く、危険だからといって、そのゾーンそのものが使えなくなったわけではない。
強く動く場所ならば、そこを「道」として
直接使っていくのではなく、壁として利用する「場所」とすればいい。
内へ入る。
ここで選んだのは、1枚ではなかった。
1.5枚。
今思えば、この「あと0.5枚」が経験だったのだと思う。
1枚だけでは、まだ「厚めへ行く危険」を消し切れない気がした。
だから、さらに0.5枚。
厚めに行かせないための保険。
これを足した。
12~13枚目を通す。
多少外へ出てても、その先にはさっき確認した「死地」がある。
そこが今度は壁となって、ボールをポケット方向へ返してくれる。
しかも左右のレーンで、狙い目を同じところに揃えることができた。
ここだ。
1フレの9/のあと、頭の中には一つのイメージがあった。
このあと、全部持ってきてやる。
先を考えれば11発は遠すぎる。
しかし1投へと集中力を高める。
2フレ、ストライク。
3フレ、ストライク。
4フレ、5フレ、6フレ。
7、8、9。
10フレ。
一投目。
二投目。
そして最後の一投まで。
9/ XXXXXXXXXXX
290。出せた。
11連続ストライク。
自分でも信じられないほどの精度だった。
Aくんは189+7=196。
勝利。
結果は、
214 233 236 290
4ゲーム973。アベレージ243.3。
●●○○〇
最初の2ゲームを落とした直接対決は、
死力を尽くして、最後の2ゲームを取り返し、3勝2敗で終わった。
ゲームが終わると、Aくんが頭を下げた。
「参りました」
こちらも素直な気持ちを伝える。
「いや、君と投げたから290まで出せたんだよ、ありがとう」
これは社交辞令ではなく、本当にそう思った。
一人で投げていたら、多分290はなかったかもしれない。
彼も「自分も一人で投げるより、絶対いいスコアになったと思います」と語った。
そして「いつかもっと大きな大会で、こんな試合をしたいね」と話した。
勝った、負けただけでは終わらない、清々しいゲームだった。
そして後になって、もう一つ気づいた。
この290。
自分にとって、
人生2500回目の200アップだった。
2500回目が290。
成長を感じるナイスゲームだった。
また、Aくんと並んで投げていて、もう一つ思ったことがある。
自分のラインは、地味だなと。
11枚目をまっすぐ。
あるいは9枚目あたりへ少し出して、必要な分だけ戻す。
Aくんのように、大きく幅を取って強烈な角度で
ポケットへ戻すラインと比べれば、見栄えはしないだろう。エキサイティングでもない。同じ両手投げなのに。
もちろん、手を下に入れたり、カップリストを作れば、横に回せるし、もっと大きな幅を取れる。やり方はわかる。
でも、それでAくんほど打てるだろうかと聞かれたら、
たぶん、打てない。だったら、これでいい。
自分には、自分の生きる道がある。
必要以上に曲げない。
デンジャーな場所を早く見つけて回避、対応する。
危険からただ逃げるのではなく、ときには壁として利用する。
半枚を惜しまずアジャストし、
正解を見つけたら、そこへ精度高く投げる。
最初から最大火力を出しにいかない。
200ちょいで入りながら情報を集める。
探す。危険を削る。掴む。
そして、掴んで離さない。
ゲームが進むほど不確定要素を減らして、
最後に打ち上げる。
これが、自分のプレースタイルだと思う。
ひょっとしたら、自分は
春〇井グランドで一番、曲げ幅を取らない両手投げ
なのかもしれない。
でも、それなら、それを突き詰めてみるのも面白い。
派手な両手投げじゃなくていい。
いつでもいつでも合わせて打ってくる、
そんな選手を目指して、これからも道は続く。
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