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Jul 17, 2009
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カテゴリ: 阪神2009
鳥谷が逆転2ラン!阪神、最終回に3本塁打



 1点を追う土壇場の九回。阪神は一発攻勢で一気に試合をひっくり返した。逆転劇の中心にいたのは、虎の不振を象徴する鳥谷と新井だった。

 先頭のブラゼルが倒れた後、6番の新井がしぶとく内野安打で出た。続く鳥谷の初球、147キロだった。鋭いスイングではじき返された白球は、瞬く間に右翼席に消えた。「何とかしたかった。思い切って振ることを考えた」。今季開幕を3番で迎えた鳥谷と、5番だった新井が、敗色濃厚だったムードを変えた。

 さらに1死二塁としたところで、代打の林威助が変化球をたたいた。「打った瞬間に右翼の後ろに抜けると思った」というライナー性の当たりは、2ランに。葛城にもソロが出て、3本塁打による5点で試合を決めた。

 真弓監督が真っ先に挙げたのは新井。「新井の何とかしたい、という気持ちが安打になった」。東京ドームでは約1年ぶりとなる白星を派手な形で飾り、指揮官は「何とか勢いをつけていきたい」。そう話してから、自らに言い聞かせるように「でも一戦一戦です」と付け加えた。




“神じられん”奇跡や!虎3発で逆転G倒や

奇跡や、3発や、G倒や! 阪神・鳥谷敬内野手(28)が完封負け寸前の九回に逆転の7号2ラン。林威助外野手(30)も3号2ラン、葛城育郎外野手(31)も2号ソロで続いて、1イニング3発で巨人を撃破した。どうだ、この底力。虎はまだまだ死なん!!

 信じられない! 高々と舞い上がる弾道に、東京ドームの時間が止まった。1秒、2秒、3秒…。息をのむ4万4023人の観衆に見守られ、白球がゆっくりと右翼席中段へ消えた。

 0-1で迎えた九回一死一塁。完封負け寸前。虎党の誰もが黒星を覚悟した。その瞬間が奇跡への幕開け。鳥谷が守護神・越智の初球147キロをとらえた。まさに起死回生、逆転7号2ラン!! 大歓声に揺れる。ドン底の虎に光が差し込んだ。

 「ホームランは打てると思っていなかった。何とかつなごうと。初球を思い切り振ることだけ、考えていました」



 代打・林の2ラン、葛城のソロも飛び出し、怒とうの5得点。1イニング3発は、奇跡の猛追を見せた2007年8月8日、同じ東京ドームの巨人戦(シーツ、矢野、関本)以来。さかのぼれば85年、あのバース、掛布、岡田の伝説のバックスクリーン3連発然り。何かが起きる3本の放物線-。引き分けを挟み昨年から6連敗中だった東京ドームで土俵際で飛び出したこの3発こそ、奇跡への第一歩。鳥谷が虎を代表してセ界に宣戦布告した。

 「(前半戦残り5試合)全部勝つつもりでいきます。相手の抑えをチームで崩せた。いい形で明日につながる」

 不本意なシーズンだ。不動の3番を託されながら、不振で6月11日の西武戦(西武D)から7番に降格。フォームなど試行錯誤しながら、交流戦中にはプレー中に、イメージとはそぐわない? ガムまで口にした。

 「よくなるなら、何でもやってやろう」。ワラにもすがる試みだったが「何の効果もなかったんで」とすぐやめた。残ったのは初めて味わう違和感。「食事をして気づいたんですが、アゴも筋肉痛になるんですね…」。もがき続ける今季を物語る“苦い味”だった。

 何とかしたい。三回にはセーフティーを試みた(捕ゴロ)。粘りの2四球も選んだ。そんな必死の背中に真弓監督は「状態は上向き。よく打ってくれた」とうなずき、「(この勝ちを)大きくしていきたい。3番復帰? 考えます」と続けた。

 G撃破-。押し寄せる世代交代の中で、ニューリーダーが打ち上げた反攻のノロシ。虎の奇跡の幕はまだ下りない。

阪神・林、代打2ラン!控え悔しさ晴らした

オレンジに染まる右翼席最前列に打球が届いた。一塁ベースをけると、雄たけびを上げ、右拳を強く握った。会心の一撃に、リンちゃんスマイルが全開だ。

「打った瞬間はライトの守備位置だけを見ていて、抜けたかなと思って一生懸命走りました。うまく前でさばけました。うれしかったですね」

 九回。敗色漂うムードも鳥谷が逆転2ラン。さらに一死一塁で代打の林が続いた。マウンドには越智。カウント2-2からの5球目。「データは真っすぐとフォークが多い」。外角の沈む球に手を伸ばした。ダメ押しの3号2ラン。5月23日のオリックス戦(スカイM)以来、出場26試合42打席ぶりの一発だった。「調子はずっと悪くはないし、バットも振れている」。右腕を打ったことがアピールだった。

 常にレギュラーの座を争ってきた桜井が右のゴンザレスながら「3番・右翼」に入った。自身は今季、ここまで「6、7番」でスタメンはわずか10試合。レギュラー獲りに関して「もちろん、そういう気持ちでやっている。まずは与えられたところで仕事をする」と出番の少ない悔しさをひと振りに込めた。

 打撃の相棒は試行錯誤の繰り返しだ。昨季は、芯が太い葛城のバットを借りたこともあった。昨オフにはグリップエンドを細くした村田(横浜)タイプの新型を発注した。しかし、今年の春季キャンプで試用し、従来のもの(芯がやや細め、グリップエンドは太め)に戻した。「やっぱり安心感がありますからね」。形状は変えずとも「気分によって」33.5インチ(約85.1センチ)と34インチ(86.4センチ)とを使い分ける。レギュラー奪取のため、左腕対策として長めのバットを振り、外角に手が届くようにした。先発出場は約1カ月ないが、代打要員に甘んじる気はない。




阪神・葛城、ダメ押し弾!併殺汚名そそいだ

鳥谷、そして、林の一発を追うように、白球が右中間最前列へと吸い込まれていった。3点差とした九回一死。葛城のダメ押し2号ソロが、首位・巨人にトドメを刺す。奇跡の3発目は、イクローの意地がいっぱい詰まっていた。


「複雑です。その前(七回一死)の一、三塁のところが(一ゴロ併殺)…。悔しかったです…」

 ベンチに戻ってようやく笑顔が戻った。4月25日の広島戦(マツダ)以来、42試合103打席ぶりのアーチ。だが、真っ先に振り返ったのは、負けていれば戦犯扱いされかねない場面だった。

 1点を追う七回、鳥谷の四球と狩野の死球で無死一、二塁。代打・桧山が中飛で一死一、三塁とチャンスを広げたところで、出番が回ってきた。しかし、先発・ゴンザレスのチェンジアップを打たされて、結果は最悪の一ゴロ併殺。あっという間に流れを断ち切った。

 打撃不振の新井に代わって、8日の広島戦(新潟)から右投手限定で3番に座った。だが、以降5試合で16打数3安打、打率.188で2打点。相手先発が右腕にもかかわらず、スタメンの座を桜井に譲り渡した。さらにこの日、一気に4人が昇格&2軍落ち。長らく1、2軍の当落線上にいた男は、後がないことを感じ取っていた。



 真弓監督の目を、再びこちらに向かせた。変わったばかりの5番手・マイケル中村からファウルで2球粘り、最後は低めの直球をとらえた。

 「鳥谷が打ってくれたので、(自分に打席が)回ってくれば何とかしようと思っていた。でも、あの一、三塁が…」

 最後まで反省しきりのイクロー。汚名返上にかける思いが、奇跡を締めくくった。

パーム冴えた!阪神・金村暁が6回1失点
久しぶりに味わうハイタッチの感触。自身に白星がつかなくても、チームの勝利がうれしかった。今季初登板初先発の晴れ舞台で6回3安打1失点の投球。金村暁が男の意地をみせた。

「チームが勝ったことが一番。それ以外にない。ベンチの雰囲気もよかったし、何かきっかけになってくれたらいい」

 二回、亀井にソロアーチを浴びたが、失点はそれだけ。変化球主体に組み立てて丁寧にホームベースの四隅に投じた。代名詞ともいえるパームボールでG打線を翻弄。110キロ前後の遅球で的を絞らせなかった。

 「意地をみせたな。感動したよ」-。試合後はすぐさま中西2軍投手コーチからの電話が入った。「うれしかったですね」。胸が熱くなった。昨年日本ハムからトレード加入し、プロ15年目を迎えたベテランも今季はずっと2軍暮らし。だが、腐ることなく照りつける太陽の下、若手に交じって肌を焦がした。野球の神様はそんな右腕を見放さなかった。

 自力優勝の可能性が消えたことで、チームは球宴明けから若手に切り替えていく方針。この登板で結果を出せなければ、次のチャンスが与えられる可能性は極めて低い。選手生命が懸かった一戦で、生き残る快投だった。球宴があり、登板機会がなくなるため、18日にいったん石川と入れ替わり登録を抹消されるが、久保投手コーチは「使わなかったコーチが悪いね。これからどんどん相性をみて使っていきます」と今後も先発機会を与えることを約束した。

 「こういうゲームをしていけば(自身の)勝ちにつながると思う」

 トラ初勝利はお預け。それでも、充実感に満ちあふれていた。通算88勝右腕の新たな“一歩”はそう遠くないはずだ。






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Last updated  Jul 18, 2009 10:37:05 AM
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