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2006.10.31
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カテゴリ: 洋画
007製作40周年記念 限定BOX(初回限定生産)※再発売

 ロジャー・ムーア主演の007シリーズ。
 前作ムーンレーカーがSFっぽい、ふざけたものになってしまった、という反省から、本作はやけに地味で、リアルで、シリアスなものに仕上がっている。


粗筋

地中海沖でイギリスのスパイ船が撃沈された。そのスパイ船には核ミサイルを操作する為の装置があった。装置が何者かの手に入ったら、イギリスの核ミサイルはその者によって自由に操作されてしまうことになる。イギリス政府は装置の回収を急ぐ。しかし、イギリス政府に協力していた考古学者は、何者かに暗殺されてしまった。
 007は、暗殺者の捜査をする為に、スペインに向かう。そこで、暗殺者が何者かに殺される。それは考古学者の娘だった。復讐したのだった。これで手がかりはなくなったと思われたが、007は暗殺者の元を訪ねていた眼鏡男を調べる。眼鏡男は殺人を含む様々な犯罪に手を染めていた凶悪犯だった。この凶悪犯はイタリアの組織に属しているらしい。
 007はイタリアへ向かう。在イタリアのイギリス諜報員は、イタリアの裏社会のことなら何でも知っているというクリスタトスという男に会わせる。クリスタトスは、眼鏡男はコロンボという密輸業者の右腕だと断言するが……。


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感想

個人的には最高のボンド映画。ストーリーにも、キャラにも、そして特撮にも無理がない。
 ボンドガールのキャロル・ブーケも最高。最近のボンドガールと違い、作品を盛り立てている(最近のはボンドと主役争いをしたがる)。彼女と比べると近年のいわゆる「美人女優」も不細工に見えてしまう。
 テーマソングもシリーズ中最高の出来(歌ったのはシーナ・イーストン。タイトル部で歌手が出たのは彼女が最初で最後)。とにかく非の付け所がないボンド映画。
 ロジャー・ムーア自身はハードなアクションが多くて嫌だったと言っていたらしいが……。

 派手になり過ぎた前作からの反省からか、あるいは予算が取れなくなってしまったからか、非常に地味なストーリーになっている。
「悪者」のクリスタトスも冷酷で残虐ではあるが、小物で、これまでの中では最も「リアル」である。

 よく分からないのがクリスタトスの行動。イギリスの核ミサイル制御装置をさっさと回収し、ロシアに売ればよかった。制御装置を回収に来たイギリスの諜報員(007)にビジネス上のライバルであるコロンボを始末させよう、なんて欲張ってしまったものだから、制御装置はロシアに売れないは、コロンボがイギリスの諜報員と手を組んでクリスタトスの密輸業を潰すは、でクリスタトスは全く得していない。最終的にはコロンボに始末されてしまうのだから、骨折り損のくたびれ儲けである。
 クリスタトスが欲張りでなかったら、007の出番はまるでなかっただろう。

 本作では、ボンドカーとしてロータス・エスプリ2台が登場。1台は登場してから直ぐ自爆(防犯装置(?)だったらしい)。もう1台はボンドの移動用に使われるだけ。「私を愛したスパイ」のエスプリのような活躍をしてくれなかったのは残念。

 本作は、オリンピックが開催された年に公開されたらしく、冬季オリンピックがテーマになっていて、プロスケーター(らしい)のリン=ホリー・ジョンソンも登場していた。その後の場面が夏っぽいので、「結局いつ頃の話なんだ?」と思ってしまうが。


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Last updated  2006.10.31 20:51:52
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