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July 27, 2026
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みなさんこんばんは。酷暑が続きますね。今日も桐生操さんの作品を紹介します。

新釈・皇妃エリザベートとふたりの男たち​
桐生操
講談社

美貌を保つために極端なダイエットに走り、ミルク風呂に入っていたなど逸話に事欠かない、絶世の美女、オーストリア=ハンガリー帝国皇后エリザベート。彼女と関係が深い二人の男というと、夫の皇帝フランツ・ヨーゼフ二世と息子ルドルフ?と想いきや、従弟でエリザベートに気があったと言われるバイエルン王ルートヴィヒ2世と皇帝のことだった。しかし前者は後世に知られている通り同性愛者であり、エリザベートには憧憬こそあれ愛情を抱いていたわけではない。ワーグナーに入れあげるも決別し、経済状態を無視して打ち込み、国民からは総スカンを食らった城が、未来において、世界各国で作られるディズニーランドの城のモデルとなって広く知られるとは、造った本人も想像していなかったに違いない。ルートヴィヒも散々映画になったが、若い頃は美貌で知られていたのに、死ぬ直前は顔面からして肥満しており、見る影もない。

 宝塚歌劇にもなったので、そもそも嫁候補ではなかったこと、皇太后との確執、エリザベートの旅行好き、美容好き、最初の娘を旅行先に伴ったために病死させてしまったこと、マイヤーリンクでの息子の心中、自身の暗殺など既知の情報として知られている内容も多く含まれている。自由奔放さを気に入って結婚したのに、皇帝が与えた環境は、彼女の良さを消しにかかるものだった。どこかの誰かみたいに全力でお守りすればよかったのに。

 事実かどうかは定かではないが、エリザベートが夫の愛情に応えられないために、別の女性を用意していた点、マイヤーリンクの心中を隠すために、相手のマリー・ヴェッツェラが、いたく人間の尊厳を踏みにじられた状態で埋葬された点が目新しい情報で、正直印象としては、新釈と銘打つほどではなかった。一国の皇太子が心中事件を起こしたことは絶対隠さなければならなかったとはいえ、隠せば隠すほど噂は飛びかう。かわりに皇太子となったフェルディナント夫妻の暗殺が第一次大戦に繋がることも含めて、ハプスブルグ家の黄昏は、とことん不幸であった。


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最終更新日  July 27, 2026 06:51:10 AM
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