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あけみ・さん

娘に抱かれたくーたんはまだ頑張っていて、
細かい痙攣が少し減っていた
ビクビクビクビクからビクン…ビクンになっていた。
痙攣が減るってどう言う事だろうか?と驚いた。
でも声は出せないままだった。
身体は思い通りに動かせなくなっていた。
だけど生きていた!
目を少し細める事が出来るようになっていた。
すると一人で寝ずの番をした娘が
くーたんの要望に気付くようになっていた。
・口を開けていたら寝ている。
・痙攣は動きたいと何かを訴えている。
・口から舌が出ていたら、水かご飯。
・何かを要求していたら、とりあえず
オシッコか水かご飯か抱っこの位置修正をすれば
何かには引っ掛かる。
娘は観察力と共感力が優れているため
くーたんの状況を推測・察知したらしい。
一晩で超介護人になっていた。
25日(水)に動けなくなってから
オシッコは4回ほどしていた。
身体はとても温かかった。
26日(木)の朝、娘が寝て私が一人で見守る間に
台所や洗濯物を頑張っていた。
それで少しの間、
居間を離れていた10時ごろだったか
(くーたんの介護はエアコンのある居間で行われていた)
居間に戻るとくーたんはソファの上の箱の中から
出窓の下の床に移動していた。
(くーたんはとにかく箱が好きなので、
猛暑だった夏は居間のソファの上の箱で過ごしていた。
寒くなってからは、その箱に電気アンカを置いて
ぬくぬくと過ごしていた。
くーたんは身が軽いのでソファの上が定位置だった)
どうにかして移動したくーたん。
動けるらしい!
目は開いたまま。
自力で動いた!!
そしてカーペットの上にオシッコをしていた。
それで、もぞもぞしたら
とにかくオシッコから確認する事にした。
とても時間がかかるので、
くったりしているくーたんの態勢を何度か変えては
シートの上のくーたんを待つ事にした。
横になったままオシッコをした。
身体をほとんど動かせないので
横になったくーたんの身体を片手で支え、
水とチュールの皿を口元に持って行った。
頭が勝手に右に動くので皿の位置も変えて行く。
この頃には、もしかしてくーたんは又しても
起死回生を果たしているのかな?
乗り越えたのかな?と思い始めた。
思えば動けなくなり始めた時と深夜の
くーたんのものすごい食欲は、
『カリオストロの城』の大怪我したルパン三世が
生き抜く力を得るために大飯食いをしたシーンみたいだった。
うちの夫もあのタイプで、
「具合が悪くなったら飯を食え」と言う。
一度言うなりになってご飯を食べたら
胸やけと腹痛に苦しんだ。
私のように生命力が弱い人間には
ルパン三世みたいなエネルギッシュな生き方は出来ないっす。
その点、夫が大好きなくーたんは
体質まで似ているようでちょっと笑ってしまった。
くーたんは生きるために闘っているのだと思った。
動けずとも死なないで生き続けるくーたんに
私達は小さな希望を見出した木曜日の深夜、
息子が休みを取って千葉から車で駆け付けた。
くーたんは息子を呼びつけたのだった。
――くーたん人事不省に陥る3に続く――
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