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夕焼空焦げきはまれる下にして氷らんとする湖(うみ)の静けさ 島木赤彦 石田淳『教える技術』読了。「行動」に焦点をあてた、非常に納得できる本でした。西瓜丸、この言葉を頭の中に刻んでますから!↓ 人間が変わる方法は3つしかない。 1つは時間配分を変える。 2番目は住む場所を変える。 3番目はつきあう人を変える。 この3つの要素でしか人間は変わらない。 最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。 (大前研一「時間とムダの科学」より) というわけで、具体的な行動が「変える」「変わる」一番のポイントというわけですね。 成果を出している人は、成果の出る行動をしている。成果を出している人の行動を徹底的に分解し、それをチェックリストにして指導に使う。教えるとは、望ましい行動を出すようにすること。すべての結果は日々の「行動」の積み重ねで成り立っている。「行動」そのものに着目する。行動自体を明確に評価する。 実は西瓜丸、また急きょ秘書に異動になったんです(^^;なんと今年秘書に異動してきた新人後輩が4人もいるので……どんな結果が望ましいのか、そのためにはどういう行動をすべきなのか、考えて自分の仕事&後輩の教育に活かしたいと思います。
2011.12.23
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けふは凩のはがき一枚 種田山頭火 タイトルで「うん?」と思い、そして表紙に書かれた冒頭の言葉で撃ち抜かれます。本書は、これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。もう社会に旅立って10年以上経っちゃった西瓜丸ですが、この本が説くマインドは、大変勉強になりました。要するに、「世界はどんどん変わっていっているのだから、その中で自分を変えて生き延びなくちゃだめだよ」という理解です。勉強ブームのカゲには「不安解消マーケティング」がある。安易に勉強すれば大丈夫と思うな!とは、その通りなんだろうな……。(安易に勉強するだけでも、しないよりはいいんだろうけど) 実は西瓜丸、また来週から秘書に戻るんですよ(^^; 人事やれと言われて人事に行ったのに、また戻れと言われて戻ることに……。そういう、変化だらけの世界に生きているということを実感しますね……人事で生き延びて、また今度秘書に戻って生き延びるには、「差異」を作り出すには、どうすればいいのか? それを考えつつ、初心に戻って業務に取り組みたいと思います<(_ _)> 【送料無料】僕は君たちに武器を配りたい
2011.12.18
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柿食ふや遠くかなしき母の顔 石田波郷 少し前に読み終えてた、瀧本哲史『武器としての決断思考』。すごく面白かったです。瀧本哲史さんの本は、いま『僕は君たちに武器を配りたい』も読んでますが、他にも出たらぜひ読みたい。西瓜丸的に何が響いたかというと、それこそ「武器」という考え方です。本を読んだりして得た知識などは、なんらかの「判断」や「行動」に繋げられなければ意味がない。それはこの不透明な時代を生き抜いていくための武器である、と。変化に対応できないことは最大のリスクである。物事に正解はない、だから自分で考えて「いまの最善解」を導き出し、行動することが必要だ…… これを読んで思い出したのがふたつ。IFIビジネススクールの名誉学長である尾原先生のスピーチの一節、「自分の運命は自分でコントロールしないと他の誰かがコントロールする」。それから、何度読んでも面白い、桜庭一樹の『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』の言う「実弾」……たとえばお金とか、そういう、世の中にコミットする直接的な力、実体のある力。これらふたつのことと、『武器としての決断思考』は、私の中ではとてもスムーズに結びつきました。ここ最近で「読んでよかった本」のひとつです。
2011.11.13
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葉けいとう燃ゆるかぎりはひとを恋ふ 柴田白葉女 芸能人が書く本をどうも敬遠してきた西瓜丸なんですが、コレだけは即買いました。雑誌CREAで竹内結子さんが連載してきたものをまとめた『たけうちマルシェ』。竹内結子さんご自身、芯の強さを感じさせる、媚びない綺麗さがある人ではないですか。しかも、選ぶ品々が、とてもセンスが良いうえ幅広い。アホか!というような値段の高さのものはあまりなく、我々庶民でも試してみられそうなものが多いし。何より、最初に紹介されてるのが、西瓜丸が10年以上前から愛し続けているうさぎやのどらやきですからね!!! この前も散歩の途中で買っちゃったよ!そんなこんなで勝手に親近感を覚えて、この本を買ったのでした。コレおいしそう、コレも試してみたい……と、付箋をぺたぺたしながら読んでいます。写真も可愛くて、何度も手に取りたくなる本です(^^)
2011.10.04
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ががんぼの脚狼狽(うろた)へるため長し 後藤比奈夫 「ポトスライムの舟」も面白かったんですが、西瓜丸的には、「十二月の窓辺」のほうが衝撃的でありました。なんなの、このV係長。こんなやつが職場にいたら、その上の上司に間違いなく直訴するけど。私なら絶対に戦ってやるけど。でも、それをしても意味がないと諦めるしかない境地にまで追い込まれているということなんだろうな。帯に、「働いている人なら必ず共感できる」とありましたが……私の場合、共感というよりも、驚きとか怒りとか戸惑いのほうが強かったです。そういう感情が先に来たということは、まあそれなりに問題はあるとはいえ、私が職場に恵まれてるっていうことなんだろうな。 「十二月の窓辺」で印象的だったところ↓ここではないどこかは、当然こことは違い、そこには千差万別の痛みや、そのほかのことがあるとツガワは知ったのだった。そりゃそうだよねえ……
2011.09.04
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割箸を四つ脚となし茄子の馬 山田六甲 またブログのさぼり癖が出た……(^^;そして、物語を楽しむことを目的に本を読むことが減ったなあと思って、ちょっと寂しい気持ちです。「こんな知識を得たい」「これについて知りたい」といった理由があって本を読むことが多くなりました。通勤電車の中では新聞読んで終わっちゃうしなあ。これは、私なりの、「大人のなり方」なんでしょうか。……とか言ってるけど、昨日は耐久カラオケ6時間を満喫……。やっぱ全然子供だ(笑) で、『夏の吐息』。文庫化されたのを機に読みました。年齢を重ねていくだけ、哀しみに出会う回数も増えるし、きらきらしたものに出会う回数も増える。そしてそういう「きらきらしたもの」が人生においてどんなに貴重かを知っているからこそ、大切に慈しむことができる。そんなことを感じました。「パロール」「春爛漫」が、特に好き。
2011.08.12
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はつなつのゆふべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りにくる 塚本邦雄 30代の夫婦向けの本だったんで、部分的にしか参考にならなかったけど、「設定した貯金額をクリアーすれば、あとはつかっても構わない!」という考え方は、気楽でいいなあと思いました。あと、支出を把握するのに、「銀行引き落としのお金と財布に入れたお金を1か月に1回確認」というのも楽でよい。西瓜丸、小銭に細かいくせに、大きいお金はほんとわからない……大雑把すぎて自分でもびっくりするくらい(><)大雑把は大雑把なりに把握して、予算立てて、賢くお金をつかいたいと思います。。
2011.06.24
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廃駅をくさあぢさゐの花占めてただ歳月はまぶしかりけり 小池光 大変にお久しぶりとなってしまいました(^^;この2か月ほどの間、まー仕事が忙しかったり自宅を引っ越したりパソコン買い換えたりといろいろやってまして、またブログのさぼり癖がついてて……。ぼちぼち再開します。 で、『怒らないこと』。短気だと定評がある(?)西瓜丸、これを読んで反省しました(^^;「怒りが生まれると、喜びを失う」。確かにそのとおり。「何があろうとも拒絶せず、状況を受け入れて楽しむ」。……そのとおり。つまり、怒ると、周りも自分も損だってことだね。
2011.06.15
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さくらばな花体を解きて人のふむこまかき砂利に交りけるかも 岡本かの子 『フライ、ダディ、フライ』などで有名な金城一紀さんのシリーズの、「最初の冒険譚」。面白かったですよ。面白かったんだけど、なんというか、書き急いでいる印象を受けたなあ。とにかく話を進めていって書きあげてしまおう、というか。『フライ、ダディ、フライ』とかは、もっと細部まで書きこんであった気がする。いま手元に本がないので、比べられないんだけど……最後の部分が好きです。 (前略)退屈なのは、世界の責任じゃない。怠惰な僕たちの創り出している世界が、退屈なだけなのだ。だから、眼を見張れ。耳をすませ。感覚を研ぎ澄ませろ。そして、準備を怠るな。驚異的なダッシュを見せつけるために、身軽になれ。(以下略)
2011.04.17
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黒白(こくびゃく)の君の記憶に美しき禍としてわれは在りたし 日下淳 面白すぎて、美容院への行き帰りの電車の中でこの本を読んでいて、行きも帰りも目的駅で降り損ねました_| ̄|●帰りに至っては間違って反対方向の電車に乗ったからね! 夢中になりすぎです。『巷説百物語』から続くキャラクターたちが出てくるのは、昔から読んでるファンにとって嬉しいですね。ただ、たしか『巷説百物語』は、基本的に山岡百介の視点(だます側でもだまされる側でもない第三者としての)で話が進んでいった気がするのだけど、これはそうではなかったので……途中でなんとなくオチに勘付いてしまって、それが自分としてはちょっと悔しいというか。
2011.02.26
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風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける 笹井宏之 おもしろすぎてびっくりした!殺人事件があるわけでも、世紀の脱出劇があるわけでもない。子供の頃に行われていた「キャンプ」をめぐる、かつて子供だった大人たちの話……登場人物像があまりにもリアルだし、設定も「なさそうでありそう」だし、いやはやさすがです。電車で座れたときは眼を閉じてPCの疲れ眼を休めたいこの西瓜丸が、電車に乗ってる間中ずーっと読み続けてしかも家でも読んでたくらい! メモしておきたいな、と思った箇所、ふたつ。「それでね、弾の両親が、ここに集まろうと思わなければ、私たち、知り合いでもなんでもなかった。すべて、だれかが何か思ったり、決めたりして、そこから現実が変わっていく。なんかすごいよね」「でもはじまるのは、いいことばかりじゃないよね。悪いことしようと思う人だっているし、復讐するって決める場合もある。ぼくらだって、会ったことがいいことに分類できるかどうか、人によってさまざまだと思うな」(中略)「でもさ、弾、何かをはじめることでできるのは、結果じゃなくて世界なの。いいことだけでできた世界も、悪いことだけでできた世界もないと思わない?」 「私たちが今日、こわがらずに家を出ていけるのは、迷子にならない保証や困った事態にならない確信があるからじゃない。何かすてきなことや人にきっと会える、困ったときにきっとだれかが助けてくれる、そう思うことができるから、なんとか今日も明日も、出かけていけるんじゃないか。大げさにいえば、生きていかれるんじゃないか」 いやー、ほんとねえ、面白かった。映画は当日だと1800円で、この本は1500円だけど、面白い小説は面白い映画のように印象に残る。風景も見える。
2011.02.24
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あかねさす生の側にて光り立つ黄の水仙とこのわたくしは 道浦母都子 掲出歌は、阪神大震災を詠んだ歌だそうです。 で、藤原帰一『「正しい戦争」は本当にあるのか』。以前も書きましたが、櫻井くんが読んだ本としてインタビューで挙げられていたので、気になって読みました。ぶっちゃけ難しい……。いや、ひとつひとつ丁寧に追っていくとすごく明快でわかりやすくて納得できるんだけど、それを追っていくこと自体が私にとって難しいっていう(--; 縄文時代弥生時代古墳時代には多少詳しくても、新しくなるほど知識がない西瓜丸です。ただね、この本、高校の時に読んでおきたかった(2003年発行なんで、出たときには西瓜丸はとっくに社会人になってたけど!)。丸暗記しようとするとわけがわからなくなる近代史ですが、ひとつひとつの事件が実はこんな風にものすごく人間臭く繋がってるんだな、ということは新鮮な驚きと面白さでした。あと、インタビュアーの渋谷陽一さんは、私が小沢健二に青春を捧げていた時代にロッキンオンジャパンにしばしば寄稿されてたので、ますます親近感!以下、印象的だったところ、いくつか。<藤原さんの話を、インタビュアーの渋谷さんがまとめて>いままでの話を整理しますと、平和か戦争かっていう論理の立て方が、まず違うんだ、と。まず平和が大事、それは当たり前だろうと。誰もが平和を選ぶ。しかし戦争が起こらざるを得ない状況というのが世の中にはいっぱいある、と。だからそれをひとつひとつ潰していくっていう現実的なオペレーションが、いわゆる反戦的なことであって。(P.59)平和っていうのはある日陽が昇って平和が訪れました、おしまい、じゃなくて、現実の積み重ねなんだっていう。(P.64)武力を必要としない状況を作っていくことが平和のためのプロセスなんだ、っていうのが、藤原さんのお話の肝のところですよね。(P.97)<藤原さんの言葉>平和って、理想とかなんとかじゃないんです。平和は青年の若々しい理想だとぼくは思わない。暴力でガツンとやればなんとかなるっていうのが若者の理想なんですよ。そして、そんな思いあがった過信じゃなく、汚い取引や談合を繰り返すことで保たれるのが平和。この方がみんなにとって結局いい結論になるんだよ、年若い君にとっては納得できないだろうけどもっていう、打算に満ちた老人の知恵みたいなもんです。(P.66)戦争なしに国際関係の仕組みを変えるっていうのは本当に難しいことなんです。ことに、小規模で短期の戦争を伴うと、戦争と言う行動は合理的なんだっていうふうに考えられちゃうから、最悪です。もっとざっくり言っちゃうと、戦争やって痛い目にあうような、戦争なんて目的効率性がないんだと思えるときには国際関係の仕組みって大きく変わるんだけど、戦争ってけっこううまくいくじゃん、合理性高い!って思っちゃえるときには変わらないんですよね。(P.203)戦争を避けるためになにができるかなんか考えなくても平和って言葉は言えるんですよ。(P.254)必要なのは祈る平和じゃなくて、作る平和です(P.311)冷戦が終わって、核戦争で世界が壊滅する危険は遠のいたはずだ。ところが、まさに世界戦争の心配が薄れた時代を迎えてから、正義の戦争とか、民主主義の拡大とか、それまでになく強気の議論が出現したのである。日本でも、海外派兵こそが国際協力であり、国際平和への貢献だ、という主張が広がってきた。(中略)なぜこのような混乱が起こるのだろうか。それは、平和を作る手段が戦争を作る手段とほとんど同じであり、平和を保つのも軍隊なら戦争を作るのも軍隊だ、という、国際政治のもっとも基本的な逆説から生まれている。(P.313) 以前の私だったら、きっと、こういうテーマの本を手に取らなかっただろう。それが、何度も何度も前のページに戻って確かめながら、自分の中で噛み砕きながら読み切ったというのは、ひとつの変化だなと思う。平和は祈るものでなく作るもの……私はどうやって平和を作れるかな、と考えたときに、「戦争なんて不幸になるだけだよ、全然合理的じゃないしそんな手段選ばない方がいいよ!」ということを皆が知る手助けならできるんじゃないかと思った。なので、つらすぎて中断していた、『DAYS JAPAN』の定期購読を再開した。この雑誌には、続いて欲しい。ムンバイのテロに巻き込まれて死んでしまった、私の知人のためにも、私は平和を作る努力をし続けなくちゃ……
2011.02.19
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暴力のかくうつくしき世に住みてひねもすうたふわが子守うた 斎藤史 イスラムの世界について何も知らなかったんだな、ということを知れた一冊。非常にわかりやすくて面白かったです。ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は、兄弟みたいなもんなのね。だったら仲よくやればいいのに……と思ってしまうのは、寛容な日本の宗教観がゆえ?イスラム教というと、ISSにマレーシアから来ていたNと、インドネシアから来ていたGのことを思い出します。二人とも優しくて頭がよくて紳士的で、真面目なイスラム教徒で、宿舎の部屋で真摯にお祈りしてたっけなあ。特に、二十歳の夏にGのところへ3週間遊びに行ったのは、「行ってよかった旅行ベスト3」に間違いなく入る!!あの頃よりはずっと上達した英語で、今ならもっといろいろな話をできるのにと思う。また会えるかなあ……
2011.02.13
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敵機五十五機墜落せしと伝えるも生物(いきもの)の事聞こえぬ不思議 町田良子 先月くらいから、私の中の「社会派」(というのかな)が、むくむく湧き上がっている。多分根っこにあるのは、櫻井くんがイチメンで紹介してくれるいろいろなことで……その中で戦争の話や、貧困の話が時々取り上げられていたので。そういう話を自然に意識するようになった。で、先月くらいに、昔々の櫻井くんの記事を読む機会があって、その記事で取り上げられていた本が、『「正しい戦争」は本当にあるのか』という本だった。(これはまだ読んでいる真っ最中!) でもって『正しい戦争~』についてネットで調べていたら、芋づる式に、この石井光太さんの『地を這う祈り』に出会って、読んでみたというわけです。そして衝撃を受けた、と。 現代日本に生きていると、自分を取り巻くこの環境はものすごく恵まれたものなんだということをなかなか意識しないけれど……この本に収められた、一枚一枚の写真が、突きつけてくる。同じ人間なのに、彼らと私は、どうしてこんなに生きる環境が違うんだろう? 毎日の食べ物にすら困り、生存ぎりぎりのところにいる彼らの命と、おいしいものを食べ歩いている(!)私の命に、重みの違いなんてあるはずがないのに? かといって、じゃあ私がいま目の前にあるハンバーガーを食べなければ彼らの口に届くのかというと、そういうわけでもなく。だからといって、「どうせ何にもできないよね」と諦めるのでもなく。ただ、今も世界のどこかで起こっているこれらのことを意識し、「じゃあ私に何ができるんだろう?」と絶えず問いかけ、そしてできることが見つかったら必ず行動に移す……そういうことを積み重ねていくしかないのかなと思う。 たとえば、ペットボトルの蓋を集めてワクチンに換える。(企業や役所などで集めているようです)たとえば、古切手を集めて寄付してお金に換えてもらう。(郵便局や生協で、やっているのを見た)たとえば、着なくなった服をリサイクルする。(ユニクロとか) 戦争撲滅や貧困撲滅をどんなに願っても、願うだけじゃ何も変わらない。Just thinking about it won't get anything done. そういうことです。 <追記>三鷹光器代表取締役会長 中村義一さんのインタビューの一節(以前このブログで取り上げたもの)を思い出した。中村と話しているとき、筆者は唐突に「戦争は好きかい?」と問われた。嫌いだと答えると、言葉がどっと返ってきた。 「嫌いなら、戦争にならないためのものを何でつくらないの? それが必要なものでしょう? 口で『嫌いだ』と言っているだけなのは、戦争をやると言っているのと同じですよ」
2011.02.09
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毎日の勤務(つとめ)のなかのをりふしに呆然とをるをわが秘密とす 宮柊二 同僚が貸してくれた本。劇団ひとりさんのエッセイです。内容も面白いんですが、私はむしろ感心したことがあって……それは、仕事の話に一切触れていないこと。プライベートのことで、ここまでいろんな経験を(もちろん自費で)して、それを面白く書けるというのはすごいと思う! 特に「悪口」の章が好き。そしてあらためて、寄生虫博物館に行ってみたくなった。
2011.01.30
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決して勝たない一生を選びし君の決意美しとして泥酔しおり 佐々木幸綱 ずっと前に読み終えたのに、書き忘れてた。毎日新聞で連載していた小説の単行本です。やっぱ林真理子さんはすごいな、現代日本をばっちり切り取ってるな。面白くてあっという間に読み終えました。で、一番思ったのは……やっぱ自分の足で立って歩かなきゃだめだね、ってこと。以前、IFIビジネススクールの尾原名誉学長が、アメリカ?での講演でこんなことをおっしゃってたんです。「自分の人生は自分でコントロールしないと、誰かがコントロールする」。私はそれを新聞の記事で読んだだけだったけれど、ほんとにそうだなあって思って。他の人にコントロールされても面白くないな、って。私は私の価値観で、自分の人生をコントロールしていきたいです。
2011.01.28
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有る程の菊抛(な)げ入れよ棺の中 夏目漱石 いやはやいやはや、やっぱりこの人の本は怖い。そして面白い。『黒い家』があまりにも衝撃だったんですけど……あの、息をするのすらはばかられるような暴力的な恐怖と息苦しさが再び帰ってきました。ただ、私はもう学生ではないから、学校は縁のない場所になったので……高校のときにこれを読んでたら、トラウマになったかもしれない!?文春の特設サイトはこちら! クラス名簿までダウンロードできてしまうという(゚Д゚)
2010.10.12
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君を殺して詩を作ろうかぐらぐらと蟹は朱色に茹であげて待つ 中山郁子 この歌を読むと、小さいころに読んだ『ひとめあなたに…』をいつも思い出す(^^;ぐらぐらと煮だったお湯の中で朱色に染まる蟹……台所の何気ない風景のはずなのに、上句が効いていて、なんだか背筋がぞくりとします。 で、『ロスト・シンボル』。期待通りの面白さ!!! この小難しさ、史実や遺物を巧みに組み合わせた構成がほんとにたまりません。大好き。この本を片手にワシントンへ行ってみたい……!!
2010.10.04
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不定形の牡蠣が厨房ににほひつつ少し風ありいま誰の死後 滝沢 亘 ネットをさまよっていて、たまたまこの本に出会った。「なんだこりゃ??」と、最初は思ったのです。骨が、生きているときの形のままできれいに留められていて。調べてみたら、特殊な薬品に漬けることで「筋肉を透明化し、軟骨を青く、硬骨を赤く染色する」という骨格研究の手法なのだと知りました。でもね、綺麗なんですよ。特に魚とか、蛇とか。繊細な脊椎がずらりと並ぶさまは、思わず見入ってしまうほど。こんな世界もあるんだなあ。感心しました。サイトからは写真も見られるので、ぜひご覧ください!
2010.09.27
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なにとなうわたくしはただねむたくてねむたくて聞く軒の雨だれ 永井陽子 最近、ほんとだるくて眠くて仕方ない。夏の疲れが今頃出てきたのかなあ……温度差もすごいですしね。明日の東京はかなり寒いらしい。で、『フリー』。以前しまうまさんがこの本について書かれてて(たしか)、よし読んでみようと思って図書館で予約したら(←フリーだ!)その時点で130人待ちとかで……やっと自分の番が回ってきたのでした。でも2週間で返さなきゃならないから、超飛ばし読みした(--; 私が印象的だったのは、ここ。フリーは魔法の弾丸ではない。無料で差し出すだけでは金持ちにはなれない。フリーによって得た評判や注目を、どのように金銭に変えるかを創造的に考えなければならない。 私は、フリーフレンドリーだと思う。大学に入った年にWindows95が発売されて、PCに初めて触ったのとWindows95に触れたのがほぼイコールで、PC普及前のことも普及後のことも両方知っている。Yahoo!やFC2のフリーのサービスをずいぶん使っていたし、この楽天ブログもフリーだし、gmailやyoutubeやWikipediaにも毎日のようにお世話になってるし。だから、お金を払うなら納得した理由がないと払いたくないって思うの、よくわかるなあ。当たり前にいろんなフリーがあるから。フリーの普及によって、「自分がなぜこのモノ/サービスにお金を払うのか?」について、人はもっと自覚的になるんじゃないかな。でもって、お金をかけるところとかけないところにその人の価値観が今以上に顕著に反映されるようになるのではないかしら…… FREE (フリー)
2010.09.23
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くだもの屋九月の空となりにけり 友岡子郷 森博嗣さんの小説はすごく面白くて、以前好んで読んでいたんですが、彼はなんと1冊を2~3週間で書き上げてしまうそうです。しかも、いきなり書き出して(つまり前もってプロットなどを考えないで)それであんな話を完成させてしまうのだから、いやはや……私がこれを読んで目からウロコだったのは、「小説も商品である」という彼の持論。小説も、お金を払っていただいて読んでもらっているのだから、読み手のニーズを考えて書くのは当たり前だろう、と。まあ、確かに、言われてみりゃそれも一理あるね……ファッション業界でも「プロダクトアウトからマーケットインへ」的なことを前々から言われてますが、小説界でもその発想を持てということですね。期待せずに読んだんですが、面白かったです。
2010.09.18
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ひぐらしが鳴くまで きみに初めてのながい唇づけをしてしまふまで 中山 明 やっとやっと読みました、1Q84の3!!面白かった。いくつも謎は残ったままだったけれど、謎は謎のままで、それはそれでいいのかもね。と考古学好きとしては思う。ちょうど森博嗣の『小説家という職業』を読んでいることもあり……(これについては、またおいおい)。ラストの、青豆の覚悟がとても好きです。本を読む楽しさを堪能できた1Q84シリーズでした(´▽`)
2010.09.08
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一本の木となりてあれゆさぶりて過ぎにしものを風と呼ぶべく 大西民子 「ゆさぶりて過ぎにしもの」と聞いて思い出すのは何でしょう。自分が一本の木だと考えてみると、大変だったことやつらかったこと、叶わなかった想いの相手も「風」と呼べる……。それは素敵な考え方だと思いませんか(^^) で、いしいしんじ『プラネタリウムのふたご』。幻想的で、切ないお話でした。手品とプラネタリウム。闇にひっそりと息づくその感じがたまりません。この本のことを初めて知ったのは、のえと水花火を見に行ったときで……あれからもう1ヶ月以上経って、夏休みが終わって夏そのものも終わろうとしていて……それで余計にセンチメンタルなきもち? ねえ君! 夏休みよもう一度戻って来ないかな忘れものを取りにさ 秋は秋で楽しいことがいろいろあります。
2010.09.03
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男とは蛋白質の気まぐれの夕焼色したひとつの祭具 佐久間章孔 いやはや、面白い。なんだろう、この人の、暴くところと隠すところのバランスが天才的なんだろうか。現在から過去に向かって話が繰り広げられるのも面白い。私たちは最初に結末を見せられ、その結末に至った過去を次々と紐解いていくわけだから。やるなあ、すごいなあ、と素直に思った一冊。個人的には、美郎のあの伏線にぞわっとした!!桜庭一樹さんは、以前読んだ『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』で感服したんですが、今回はまた違うアプローチでした。どちらもスゴイ。 私の男
2010.08.16
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大空の斬首ののちの静もりか没(お)ちし日輪がのこすむらさき 春日井 建 『死ねばいいのに』……不穏なタイトルであります。サイトを先に見ていたこともあり、非常に楽しみにしていたのですが!……ですが? いや、うーん、すぐにネタバレになりそうで感想を書きにくい。ただ、妙な居心地の悪さがあって、京極堂シリーズみたいなある種の爽快感(物語の展開ではなく、脳がだまされる心地よさ)は、少なくとも私は感じなかったなあ。
2010.08.06
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美しやさくらんぼうも夜の雨も 波多野爽波 この本のレビューって、もう載せましたっけ??去年の春に読み終えてレビューを書いて、メールの「下書き」に保存してあったのが見つかったんですが(^^;ひょっとするとかぶるかもしれないですが、念のため載せておきます。↓ ↓ ↓この本、まずはタイトルに刺されました(笑)それから、会社の事業計画と個人のキャリアデザインを重ねて考えるという考え方が面白いと思い、買ってみました。以下、読書メモ。なおこの本は、前半で事業計画の立て方を説明し、後半でそのやり方に沿った個人のキャリアデザインの考え方を説明しております。・少しむずかしい言い方をすれば、「会社が持続的に、競争優位性をもって成長するための指針」、それが事業計画。事業計画が一本の木だとしたら、その木を立てる土壌にあたるのが環境。したがって、木を育てるために環境分析が必要。・事業計画=会社の幹づくりのためのツール 会社の幹づくり=会社のコンセプトづくり=事業ドメインの設定・環境には「外部環境」と「内部環境」の二種類がある。SWOT分析を行なう。(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats)・環境分析が終わったら、その結果をもとに、以下の三つの要素を明らかにする必要がある。 1.対象とする市場はどこか(顧客は誰か) 2.その市場(顧客)のニーズはなにか 3.自社の強みは何か経営者の「思い」と環境分析をした後に、事業ドメインが設定される。・ビジネスがうまくいかないときは、まず枝葉のオペレーションに不具合がないかを確かめる。次に事業ドメイン(「幹」にさかのぼる)。枝葉から幹、という順番。・事業計画という幹を立てた後にやることは、「成長戦略」と「競争戦略」。成長戦略には「成長マトリックス」、競争戦略には「ポジショニングマップ」を使うとよい・個人のキャリアデザインも、この事業計画書の書き方と同じように、自分の「思い」の上に、しっかりとした「幹」を立てることからはじめなければならないのです。(中略)自分ドメインを設定するには、自分が存在すべき「市場はどこか?」「その市場のニーズはなにか?」「自分の強みはなにか?」の三点を、試行錯誤を繰り返しながら、考えなければなりません。そのためには、第一に、自分はどの市場で戦っていくのか、戦っていきたいのかという自分のなかの石を、自分自身で見極めなければなりません。そして第二に、自分の「強み」を自分自身で探し出すことが必要です。・自分のキャリアデザインは事業計画そのもの。デザインをするにあたり、「思い」は必ず見つめること。・転職する暇があったら、「自分ドメイン」を一から考えなさい この考え方、非常に納得しましたし、すっと自分に入ってきました。「i-Company」はリンクの提唱した考えでしたっけ? それと同様に、個人を会社として考えるのが面白い。私も自分のキャリアデザインを考えるといっつも途方に暮れるんですけど、「事業計画」として考えるというヒントをこの本から得て、少しばかり見えたような気がしました。エッセンスだけを抜き出すのがちょっと難しいので、この本は、キャリアデザインに悩む方にぜひ読んでいただきたいです。わかりやすいし、おすすめ!
2010.06.27
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日毎使ふフライパンより魂のごときものひたと伝はつてくる 安立スハル はい、今さらです。今さらですが……今頃ですが、読みました(^^;読書めもー・ノートに蓄積し、検索できるのは、あなた自身の知識と経験です。・会議では、自分が決めるつもりで、決定事項を予想し、ノートにその予想と結果を記録する。・会議ノートは、1.議事録、2.わからないこと・キーワード・アイデア、3.会議の要点 の3つに分割して記入する・自己投資はリターンにこだわる。どういう成果を得るために、時間とお金をかけているか?最初に、いつまでにどれだけの成果を期待するか、予想をノートに書き出す。そして途中経過(結果)を記録する。・本を読み終えたら、本の内容から「実行すること」をノートに書いておく。読書ノートはアクションプラン。学びは実行しないと身につかない。会議では決定事項の予想を書く、というのはすぐにできそう。(ほとんど会議はないけど)アクションプランも、そうですね。これも書くようにしてみよう。私の場合、仕事ノートは、完全にタスクしか書いてません。とにかく、ヌケモレをなくすには書き出すのが一番なので!(それでもヌケモレが発生したりするんだよね)会議なんてほとんどなく、日々受ける依頼&受けた依頼の裏にあるTO DOを確実にこなすとか、いま現在のスケジュールが滞りなく進んでいるかどうか等のほうが重要な、秘書の仕事……この本で学んだことを、自分の仕事ノートにどう活かすか?見開きを1週間で使うようにして、失敗とか気付きを書くスペースを設けて、記録を残してみようかな。このところ、自分の担当役員&メンバーが一緒に行く出張が多くて、全員分のホテル&フライト手配やら(しかも変更に次ぐ変更!)、現地スケジュール表の作成やらをやっていたらわけがわからなくなってしまって……NYとかパリとか上海とか北京とか、何処に行くのが誰だとか……それで、NEX取り忘れるという失敗をしてしまったのです(--;ざっくり手書きでいいから、一覧表を作るようにしようかしら。失敗は成功の母!
2010.06.23
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梅雨晴れのふとまばゆさを増す空にモーツァルトの靴音がする 永井陽子なんといいますか、世の中にはまだまだすごいところがありすごい人がいるんだなあと、実感したというか鳥肌が立ったというか……。深海魚とかは全然平気です。むしろ好きです。わざわざ千葉市立博物館(だったかな)まで、深海魚展を見に行ったくらいです。巨大ワラジムシ、すごかったなあ。ブログの記事を探してみたけど見つかりませんでした(--;そのときに撮った写真、何枚か。そんな私が一番「ムリ!!!!!」と思ったのは、昆虫を食べることorzいやいやいやいやいや、それはないでしょう、それは!!写真が白黒でよかったと心から思いました。なのにサイトを探してしまうのが、人間の悲しいサガというものでしょうか。そしてうっかりブログ(料理のカラー写真入り)もクリックしてしまうのも、切ない好奇心のなせるワザでしょうか。前世を体験できるというヒプノセラピーは、ちょっと楽しそう!!
2010.06.17
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扉(と)を鎖(さ)せる海辺の部屋の朝七時しんしんとグレゴール・ザムザの気配 佐佐木幸綱 怖い話は、嫌いだけど好きだ。小さいころ、夏といえば「あなたの知らない世界」だった。(あれってまだやってんのかなあ?)弟と二人でテレビの前に座って、動くと霊に気づかれるから(?)ぴくりとも動かないで、怖さで口を半開きにして見入ったテレビ……。いま思えばのどかでしたなあ。 で、この『冥談』です。よく使われる比喩だけれど、「ジェイソンがチェーンソー持ってワー!」みたいな怖さではなくて、細く開いたふすまの向こうの暗がりに何かの気配を感じるような怖さでした。こういうのを書くと、やはり京極夏彦さんは上手だなあと思う。特にぞっとしたのが、「庭のある家」「冬」「風の橋」。特に「冬」は、最後のあの一言がもうもうもう!!! そうそう、この本を読んで鳥肌を立てながら、いろいろ思ったんです。「わからない」ことは「怖い」ことだな、とか。記憶なんてものすごく不確かなもので脳が捏造していることだってあるのに、どうしてそれが「自分の証明」だと言えるのだろう?とか。「冬」や「風の橋」は、自分の記憶が「わからない」のです。曖昧で、思い出せない。それが少しずつ少しずつ紐解かれていく。そうしてやっとたどり着いた記憶が「怖い」。だから二重に怖い。 あと、本という媒体にしかできないことについて。京極夏彦さんは、確か装丁やフォントやページレイアウトにも強いこだわりを持っていると聞いたことがあります。で、この本にも遺憾なくそれが発揮されています。おりしもiPadで世間が盛り上がっているときだからね。余計に注意してこの本に向き合ったのだけど。たとえばフォントが「冥談」にふさわしい古めかしい活字だったり、ページやヘッダーが話によって逆向きだったり横向きだったり、薄紫のような薄墨のような色の章扉は、行燈の光(これもまた「冥談」にふさわしい!)で照らしたかのように四隅の色が微妙に濃かったり、内表紙の和紙の手触りが、この世界の微妙な綻び――きっとそれは指で触れたらざらりとしている――を想起させたり。ああ、この本の中の8編の話は、決してただの情報ではなくこの本と強く結び付いているんだなあ、と感心したのです。「冬」や「風の橋」をMSPゴシックで読んでも、たぶんこんなにぞっとしないだろうなって。そういう意味でも面白かった本でした。
2010.06.07
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思ひつつ寝(ぬ)ればや人のみえつらむ夢と知りせばさめざらましを 小野小町 あの林真理子さんが、あの六条御息所の視点で源氏物語を書いた!ということで、気になって読みました。私、中学だか高校の頃に『あさきゆめみし』で源氏物語を読んだことがあるくらいなのですが……六条御息所の視点で語られる源氏は、「どうしようもない男だけど憎みきれない」感じでした(^^;昔は、光源氏カッコイイ!という印象しかなかったのになあ。この本を読んだら、むしろある種の「だめんず」なのでは……と思ってしまった。それにしても、源氏物語は、千年経つ今でも面白いですね。 あさきゆめみし(1)
2010.06.06
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しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒(ビール)のこの一つ星 荻原裕幸 先日の『ことばになりたい』に続き、コピーライターの方の著書をもう1冊読みました。非常に納得したのは、このあとがき。「コピーはつくるものではない。見つけるものだ。」(中略)この空中のそこここに、人知れずひっそりと浮遊している「ほんとうのことたち」を、ひょいとつかまえ、誰の心にも入りやすいカタチにして人々の前に呈示する。それが、僕の考えるコピーライターの仕事である。なるほどね。だから、いいコピーに出会うと、ほんとそうだよなあって頷けるのね。あと、序文も納得しました。(前略)企業は何のために存在するのか、商品は何のために生まれてくるのかを考えれば、自明である。すなわち、人の役に立つためである。人を助け、人を育て、人を守り、人を愉快にし、人によろこびを提供するためだ。すべての広告は、ここを「基地」とし、発信される表現物だ。それが、「幸福」という北極星をめざさないわけはないのである。 というわけで、岩崎氏が作ったコピーで特に私が響いたものを、幾つか転記します。この本で見る前に広告で見ていたものもたくさんあって、なんか妙に感心してしまったのでした。こんなに会っていないのに、つながっている。年賀状ってすごい。 (日本郵便 2009)会う、贅沢。 (お中元 西武百貨店 1982)幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。 (ほっともっと 2008)人生には、チョコレートをかじる時間がいる。 (明治ミルクチョコレート 1995)読んでいる人は戦えない。 (「本を読む兵士」 集英社 1991)本は、飛行機よりも遠くに運んでくれる。 (「本の価値を考える」 聖教新聞社 1996)たった一度の、いのちと歩く。 (協和発酵キリン 2009)朝、めざめたら、疲れていた。何の為の睡眠だったのだろう。 (新アリナミンA 2005)大人から幸せになろう。 (POWER FORUM事務局 2001) あと、ここもナルホドと思ったのです。(前略)仕事だけではない。日常生活は、ありとあらゆる「ムダ」に満ちている。人に待たされる。約束をすっぽかされる。車が渋滞する。(中略)僕らはその時、「待たされる時間」を味わっているのではないか。体験しているのではないか。あるいは生きているのではないか。生きるとは、そういうことも含めて言うのではないか。待たされている間に見る風景。考えるあれこれ。出会う人々。それも、まちがいなく人生の味わいの一部なのだ。前も確か書きましたが、スピッツの名曲「運命の人」で、「余計なことはしすぎるほどいいよ」と草野さんが歌ってらしたのもそういうことなんだろうなと!いま私がぱっと思い出す、最近味わった「待たされる時間」で一番インパクト大だったのは、やっぱ桂花楼さんに行ったときですかねえ……(´▽`;すごく寒くて大変だったけど、でも楽しかったな。 そしてこの掲出歌も、「ほんとうのこと」を切り取っていると思いませんか。
2010.06.02
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目を病みてひどく儚き日の暮を君はましろき花のごとしよ 福島泰樹 どこかで「おすすめミステリー」に挙げられていて、読んでみた。とても面白かったです!!分厚いのに、夢中になって読んでしまいました。いろんなものが盛り込まれているので……ところどころ、「この部分をもっと書き込んでほしかったなあ」と思うところはあったけど、欲張りな望みかも(^^;冒頭とかほんと怖くて、ぞわぞわしながら読み進めました!
2010.06.01
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会ひすぎるほど会ひしかどしだいしだいに会はずなりいまはまつたく会はず 安立スハル 今の私は言葉に興味がある、という自覚がある。前々から言葉とか文章表現には興味はあったけど、なんというか……鑑賞だけじゃなくて、自分がどう生み出すか?にも興味があるというか。なんでこうなったかというと……まあいろいろあるんだけど、そのうちのひとつが、割と最近手に入れて読んだ、嵐の櫻井くんの(また嵐か!と思ったでしょ (笑))発言@ARASHICコンサートパンフ。5人がそれぞれ好きなもの/興味があることをひとつずつ挙げてそれについて語ってるんですけどね、櫻井くんは「表現。言葉で表現すること」を挙げてるんです。彼は嵐のラップの作詞担当でもあるから、もちろん納得なんだけど……ただ、私の中でそのことがとても印象的で。なんというかね、櫻井くんにはね、勝手に妙な親近感を抱いてるの(´▽`;誕生日近いし(生まれ年は5年違うけどな!)、同じ水瓶座のA型だし長子だし。 まあ、それはさておき。著者はコピーライターである、という知識しか持たずに読みました。「会いにいけばいいのに」という詩の、ここが印象的だった。そうして私たちは いっしょに暮らしはじめたけれどいまさら わがままなことをいうようだけれどもやっぱり 結婚はもう会いにいくということがない ということだったのだ会いにいけたらいいのに それがたとえじぶんの家でも できたらいいのに 本文を全て読み終えて、最後に著者の略歴を見たら、なんと!「なんてうまいコピーだろう」と感激して、ずっとずっと覚えていたJR東日本のコピー、「愛に雪、恋を白」を作った方だった!!このコピーを初めて見たとき、ヤラレタと思ったんですよね。そうかあ、この方が作ったのかあ……。面白い偶然だな、と思いました。あと、大好きな「ウェディング・ソング」(斉藤和義)の作詞もこの方なんだって! へー。ウォークマンのコピー、「どこまでいったら、未来だろう。」もかっこいいな。
2010.05.21
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砂山の砂に腹這い/初恋の/いたみを遠くおもひ出づる日 石川啄木 5月13日読了。憧れのヨロンに行ってきたのです!「めがね」を観て以来、夢だったんだよね~(´▽`)『アイランド』はヨロンを舞台にした話ということで、ヨロンに行くにあたりぜひ読みたいと思って読んだ一冊。壮大なスケールのラブストーリーでした。森瑤子さんご本人と思われる登場人物が出てくるあたりが面白い。確かに、ヨロンなら、こういう神秘的なことが起こっても不思議じゃないかも……惜しむらくは、あまりにもいろんなものが詰め込まれているがゆえに、若干中途半端感があることかなあ。魅力的な脇役たちが何人も出てくるのだから、もっと伏線を張って絡めていけたらよかったのにな、とか。森さんがお亡くなりになってから、もう17年になるだなんて信じられない。ヨロンでお墓をお参りできてよかったです。どうぞ安らかに。 【中古】【古本】アイランド/森瑶子
2010.05.15
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藤棚の下で死んでもいいと言う 大西泰世 ずっと前に買ったのに読むのがもったいなくて延ばし延ばしにしてたら、なんともう文庫化されちゃってました……この本に収録されている5編の中では、表題作である「サイゴン・タンゴ・カフェ」が一番好きかな。ハノイで語られる老作家の恋の話が、暑い国に降る激しいスコールの印象とあいまってむせ返るほどに息苦しい。相変わらず切なくて哀しい話を書く作家さんだなあ。中学だか高校の頃に山田詠美大先生の『熱帯安楽椅子』を読んで以来、グアムとかハワイよりも、アジアの湿気の多い暑さに惹かれるのです。
2010.05.06
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がんばるわなんて言うなよ草の花 坪内稔典 3月に読み終えて、メモしてそのままブログにUPするのを忘れてたのが見つかりました(^^;なので、そのまま転載します。 藤原和博『35歳の教科書』前読みました。杉並区立和田中学校校長の、藤原さんの著書です。鵜呑みにするのは危険だとどこかの書評で書いてあって……まあ、そのとおりだとは思うんだけど(笑)私が「!」と思ったのは、「組織の中で出世しなくても、それ以外のところで自己へ投資&家族と地域社会に投資したほうが、自分にとって豊かな人生なのではないか」という考え方でした。これが新鮮に感じたということは、知らず知らずのうちに、組織の中での出世を自分が望んでいたということなのかなあー。出世したって別にいいんだけどね(超上から目線!)、でもやっぱり、仕事(というか会社?)だけに没頭するのは私にとっては豊かなことじゃない……かな。たぶん。 読書めも。・20世紀「成長社会:みんな一緒」→21世紀「成熟社会:それぞれ一人一人……多様化、複雑化、変化」・必要なもの:正解を導き出す力から、納得解を導き出す力へ・情報処理力→情報編集力、おぼえる力→つなげる力、自動的で素直な吸収→クリティカル・シンキング・正解主義から修正主義へ。ジグソーパズルからレゴへ。・「ダダダの無限サイクル」で実行と修正を繰り返す。DO(実行)、ACT(改善)、DO、ACT、DO、ACT……… 「納得解」というのは、確かに納得。21世紀に必要な力というよりは、社会人に必要な力という気がするけど。この3月から新しく担当することになった役員がめちゃくちゃ忙しい人で、毎日リスケに次ぐリスケで、それこそ「納得解を導き出す力」を日々鍛えられてる感じです。Aさんは、一日の予定で唯一空いてる30分間でBさんと話したいけど、Bさんはその時間はCさんと予定があって、Cさんもそこしか空いていない。Aさんに待ってもらうのかCさんにずれてもらうのか、それぞれ15分ずつ話してもらうのか? ずらすなら定時後にねじこむのか、翌朝早くにするのか、はたまた今夜自宅から電話で話してもらうのがいいのか? 毎日予定表とにらめっこです。おやつを食べてる暇もなくなって、10日で体重1キロ、体脂肪率が1%減りました(^^; ……と、ここまで書いたときから、はや1ヶ月以上経過!今でも、緩やかではありますが体重と体脂肪は落ち続けています。つっても、まだまだ体脂肪率が高いんだ(号泣)相変わらず相変わらずばたばたな日々です。
2010.05.03
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雪降れば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし 紀 友則 藤原新也『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』読了。息を呑むほど、「読ませる」短編集だったのです!面白い長編というのは文章力より物語性のほうが(どちらかといえば)大事な気がするのだけど、短編はその両方がバランスよく必要だと私は思っていて。で、私がこれまでに読んできた短編集は、「So what?」というか難解さや不可解さだけが残るというか、まあとにかくしみじみ余韻をかみしめられるものの方が少なかったのです。でもこの本は、すいすい読めるのに余韻が残るという、まさしく話中に出てくる「甘露」のような本でした。特に私が気に入ったのは、「尾瀬に死す」「カハタレハナ」「六十二本と二十一本のバラ」「夏のかたみ」。この少ない枚数で、抑制した文章で物語を語れるというのはほんとにすばらしいと思う!なんだろうな、生きていくうえで必ずある哀しみを丁寧にすくいとってあるからなんだろうか。特に、30代以上の方におすすめしたい本。いや、ほんとよかった!
2010.03.09
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昨日まで人のことかと思ひしがおれが死ぬのかこれはたまらん 蜀山人 電車の中で読み始めたら、最初の数ページで泣けてきてそのまま本を閉じました(^^;内容紹介↓(楽天ブックスのページより)"◎人生があと1時間だとしたら……「もし人生があと1時間だとしたら、誰に、なにを伝えるか?」人生半ばに達し、こう自問した夫は、最愛の妻へ最後に伝えたい思いを手紙に綴り、18回目の結婚記念日にプレゼントした。手紙には、死を意識してこみ上げる最良のパートナーへの感謝や自分の愚かな行いへの悔い、もういちど人生を送れるならきっとこうする、という願いが切々と綴られる。3年後、夫はとつぜん45歳の若さでこの世を去った。1本の電話もかける間もなく……。急性肺塞栓だった。しかし、手紙のおかげで最後の瞬間に伝えたかった思いは家族に届いていた。世界中が涙した感動の実話。今日が最後だとしたら、あなたは誰になにを伝えますか?そして、なぜ今、それをしないのですか?" ↓こちらは、読書メモ・幸せとは、なにかを求めるところに生まれるのではなく、なにかを楽しむところから生まれるものだ。この単純な答えはいつだってぼくたちの目の前にはっきりとある。・いい人生を送る鍵はこれだ――人生の最後に語らないようなことは生きている間も優先しないこと。・今日が訪れるのは当たり前などではなく、感謝しながら受け取るべきすばらしい恩寵なのだ。 そしてこの本に収録されていた「最後だとわかっていたなら」という詩が泣けるのです……ここから飛べます。いつ何があってもおかしくない、んだよね。 君に贈る最後の手紙
2010.03.06
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かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭 寺山修司 今年はお金コンシャス(?)になる!!ということで、またもや内藤さんの本を。『内藤忍式 10万円から始める「お金の育て方」講座』です。内藤さんの本を読むのはもう3冊目だか4冊目なんで、だいたい覚えました(笑)長期投資、分散投資、ノーロードのインデックスの投資信託、年に4回の見直し、ですね。この本は具体的なのがよかった。よく見るETFというのは、株式と投資信託の「いいとこどり」商品なんですって。メリットは信託報酬が安いこと、デメリットは定額積立ができないことと、売買手数料がかかること。なので、投資信託を毎月1万円ずつ積み立てていって、積立金額がまとまったら売却してその資金でETFを買うというのをすすめられています。なるほどー。「10万円のポートフォリオ例」では、日本株式:STAM TOPIXインデックス・オープン 2万日本債券:STAM 国内債券インデックス・オープン 2万外国株式:STAM グローバル株式インデックス・オープン 2万 :STAM 新興国株式インデックス・オープン 1万外国債券:STAM グローバル債券インデックス・オープン 1万その他:STAM グローバルREITインデックス・オープン 1万 MRF 1万「50万円のポートフォリオ例」では、日本株式:STAM TOPIXインデックス・オープン 10万日本債券:STAM 国内債券インデックス・オープン 10万外国株式:STAM グローバル株式インデックス・オープン 10万 :STAM 新興国株式インデックス・オープン 5万外国債券:STAM グローバル債券インデックス・オープン 4万 :STAM 新興国債券インデックス・オープン 1万その他:STAM 新興国グローバルREITインデックス・オープン 5万 :ニッセイコモディティファンド 5万円やたらとSTAMが多い。私が口座を持ってるネット銀行でもSTAMのものを扱ってるので調べてみたら、販売手数料が違うのでした……!外貨預金の為替コストも、案外イーバンクが安いのね。金利は、普通預金だとイーバンクが高いけど、定期預金だと期間によってソニーバンクの方が高いなあ。ただ、イーバンクは積立で投資信託を買えないのが難点。めんどくさい。まあ、うまく使い分けて、資産を増やしたいものです。あとは実行しつつ学ぶしかないね。
2010.02.21
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悲しいといえば悲しみへらないし悲しくないといえば淋しい 杉山理紀 益田ミリ『ふつうな私のゆるゆる作家生活』読了。『結婚しなくていいですか』『お母さんという女』等の著者、益田ミリさんのコミックエッセイ。ゆるゆるな感じがイイです(笑)新しい編集者の方と会った時の話が何パターンも出てきて、ああ人っていろんな個性があるんだなあと妙に感心しました。そして益田さんの観察眼にドッキリ。誰にも見られてないと思っても、案外見られているものなのかもしれないな。気をつけなくちゃ。大阪から上京してくるときのくだりは、自分が上京してくるときのことを思い出して、ちょっと切なくなりました(´Д`)
2010.02.08
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何となきただ一ひらの雲に見ぬみちびきさとし聖歌のにほひ 与謝野晶子 坂本光司『日本でいちばん大切にしたい会社』読了。これはねえ、すごくよかった! 感動した!西瓜丸は自社も好きだしいい会社だと思ってますが、この本を読んだら、まだまだできることはいっぱいあるなーと思ってしまいました。著者は、会社には「五人に対する使命と責任」があり、それを果たすための行動を本当の「経営」と定義しています。その五人とは、社員とその家族、外注先・下請企業の社員とその家族、顧客、地域社会、株主。そして株主の満足度は、それ以外の四人の満足度を高めれば、必然的に発生する、と。 本に出てきた会社のページにリンクしときます。・日本理化学工業株式会社・株式会社ファンケルスマイル・伊那食品工業株式会社・ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社・樹研工業株式会社・中村ブレイス株式会社・キシ・エンジニアリング株式会社・株式会社ホリックス・株式会社アールエフ・株式会社柳月・柏屋(福島県郡山のお菓子屋さん)・杉山フルーツ(静岡)・オオゼキ・メリーチョコレートカムパニー
2010.02.07
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ためらひしあとまつすぐに兎跡 齊藤美規 どちらに進むか少しためらって、決めた後はまっすぐに雪原を駆けていった兎の足跡。そんな人生にも憧れるし、迷い続けて生きていくのもそれはそれで人生かな、とも思う。 で、大橋禅太郎『行動力力』。この本は面白かった!最初のページを開いてすぐに、見開きで大きく「毎日わくわくしてる?」という問いかけ。この問いかけにドッキリしてしまったなら、最後まで読むべきでしょう。大橋さんは、「マイ・クレド」を持つことを提唱しています。ちなみに大橋さんの「マイ・クレド」は、 ・わくわくする方を選ぶ。 ・手間を惜しまない。 ・遊び心を忘れない。実にシンプルで、そしてこちらまでわくわくしてくるようなクレドじゃないですか!うーんうーん、じゃあ私の場合は何だろう。 ・楽しいことは自分で作る。 ・フットワークは軽く。 ・わくわくする方を選ぶ(大橋さんのを拝借!)とりあえず、この3つ?それから、「マイ・取締役会」ってのもあった。困ったときなどに、誰に助言してほしいか。 ほか、・どれだけ照れずに『日本一』を語れるか・ぎりぎりの状態に置かれたときに思い出せ。自分はなぜ今、ここでこんなことをしているのか。・努力しろ。自己満足のために。・あなたは自分自身の経営者だし、お客さんでもある。だから自分が好きな感じの音や視覚イメージが定期的に入ってくると、もれなく売上が上がっていくのだ。・「貴重な瞬間」を思い出せ。人生の貴重な瞬間100選を挙げてみる。それは、「自分の人生にとって、本当はなにが重要か?」というヒントをはらんでいる。・優先順位のチャートの分け方について。【従来】重要度が高い←→低い、緊急←→緊急じゃない【大橋式】やりたい←→やりたくない、今←→あとでもいい・目標を達成するとどうなるか?を考えてみる。「なんとも言えぬ最高な気分になる」とか。・文豪ヘミングウェイは言った。「若い頃に旅をしなかったら、年をとったときに、何を語ればいいんだ」マイ・クレドは一つの方法だ。自分にとって大切なことを、常に意識の上で語らせた方がいい。それがわかった上で、仕事や遊びに取り組むと、人生の燃費がよくなる。この場合の燃費とは「走った距離÷入れた燃料の量」ではなく、「自分にとってどれだけすばらしいことを経験したか÷過ごした年月」だ。車の燃費と違って、過ごした年月は家で座っていても流れていく。だがアクセルを思い切り踏み込んでも、決して無駄になることはない。「自己満足のために努力する」だなんて、本来はそうであるはずなのに、なんかとても新鮮。そう、「誰か」とか「何か」のためにって思うから苦しくなるのかもしれない。自分が楽しいから、自分が満足するから、する。それだけでいいよね、と改めて思いました。 というわけで……これまでに私が経験してきたこと、考えてきたこと、ささやかなマイ・クレド。プラスこの本、をきっかけに真っ赤なiPod nanoを買って、そこに文字を入れました。それは、この西瓜丸ブログで「マーボーは~」さんが教えてくれたスティーブ・ジョブズの言葉、「Stay hungry, stay foolish.」!私は私の基準で、hungryでfoolishでありたい。これもクレドに入れようかな?マイ・クレドの見直しは続くのです。 右2冊は、同じく「サンクチュアリ出版」の本です。
2010.02.06
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斧入れて香におどろくや冬こだち 与謝蕪村 先日、仕事がめちゃめちゃ忙しいうえにツイてないことが重なって心が折れていたら、リーダーがこの本を貸してくれました(笑)秘書チーム「美の追求班」としましては、エリカ様のご本は読んでおかないと!!つってもまあ、前回の本とか『"世界一美しい"A型美女になる方法』 と、さほど変わった内容はないわけで(^^;よかったのは、エリカ様が使っている化粧品とかお気に入りのレストランとかの具体的な紹介があったことかな。新宿三丁目にある「農家の台所」なら、うちからまあまあ近いので行ってみたいな。あとは……エクストラバージンオリーブオイルあたりを、摂るようにしてみようかな、とか。 あのエリカアンギャルも絶賛!美容と健康、ダイエットあらゆるサポートをする素晴らしい必須脂肪酸『世界一の美女になるダイエット』掲載で必要性を再認識★必須脂肪酸α-リノレン酸・EPA ・DHA【オメガ3】
2010.02.05
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雪はくらき空よりひたすらおりてきてつひに言へざりし唇に触る 藤井常世 掲出歌……「つひに言へざりし」こととは、一体何だったのでしょう。一行の中に、ドラマがありますなあ。 で、この本。(たぶん全員)女性作家12人によるアンソロジーです。中山可穂さんの短編「光の毛布」が収録されていたので買いました。彼女の短編はもちろんよかったのだけど(不器用な主人公がいとしい!)、三浦しをんさんの「骨片」の面白さと完成度の高さに本気で驚いた!!『月魚』くらいしか読んだことがなかったので、他の本もぜひ読んでみたいと思いました(´▽`)
2010.01.30
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真砂(まさご)なす数なき星の其の中に我に向ひて光る星あり 正岡子規 引っ越そうかなーと思い、今のマンションを紹介してくれた不動産屋に足を運ぶ機会が増えておりまして。そこの女社長と話が合い、なんやかんやとお話させていただいた際に、この本を貸していただきました。著者は当時は関西アーバン銀行頭取で、今は代表取締役会長です。経営者が書いたにしては、随分スピリチュアルなタイトルだなーと思いますよね。伊藤さんは熱心なクリスチャンだそうで、聖書に基づく話もいろいろ出てきます。そのへんはあんまりよくわからなかったのですが(^^;、共感できる部分もいくつもありました。 ・運命の流れに身を任せながらも、つねに人の道にはずれないように心がけ、その中で自分のベストを尽くすことが大切だと思うのです。・私はいつも、ものごとを現実化しようと思ったら、まず自分の行う目的は何かということを考えます。(中略)目的には二種類あります。全ての人を幸せにしようという目的と、自分だけの幸せ、自分だけの繁栄を満たすものです。・植物も、声をかければすくすく育つ。病気も、気の持ちようで変わるという。人間の精神や想念とどこかで関係している。・進化の気流に乗っていても、必ずしもいい循環にならないことがあります。これは、その人の思っていることをすぐに実現すると、必ずしもその人のためにもならず、社会のためにもならないという場合の現象です。・問題は、どういう仕事をしているのかではなく、思想や価値観がどれほどしっかりしているかなのです。(中略)人を喜ばす、社会に貢献するという高貴な目的を持っている人は、間違いなく高貴な人間になります。 女社長も私も、「偶然なんてない」というところで、考えが一致しているのですよ。「起こることにはすべて、何かしらの意味がある」ということで。勝間さん風に言うと「起きていることはすべて正しい」になるのかな……?「正しい」と言い切ってしまうと語弊があると思うので、私は「意味がある」としたい。袖触れ合うも他生の縁、といいますしね。何かしらあるのでせう。
2010.01.20
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たはむれに母を背負ひて/そのあまり軽きに泣きて/三歩あゆまず 石川啄木 「面白かったから」と母が貸してくれた本。帯に「読んだら、お母さんに会いたくなった」というコピーがあったけれど、ほんとそうだなあと思った!「笑えるのに、せつない。」というコピーも、そのとおり。なんか、益田ミリさんのオカンとウチのオカン、似てるところあるなあ。それともオカンという種族は、みんなこんな感じなのかもしれないな。私がいちばん共感したのは、「母の愛情」という章の最後のところ。お手伝いもしなかった。布団は母が敷いて、朝になるとかたづけてくれた。おねだりして買ってもらったモルモットも結局母が世話をしていた。夏休みの宿題の漢字練習帳を埋めるのは母の担当だった……。こんな思い出を書けば書くほど、子供をあまやかしまくっていた母親ということがわかる。叱られることもたくさんあったけど、基本的には子供にあますぎるオカンだった。だけど、あまやかされたその思い出はいつもわたしの心の中にあって、わたしの心の芯の部分を温かくしてくれる。わたし、大丈夫かも。それはなぜか根拠のない自信をわたしに授けてくれるのである。なんとウチの親は、今でも、私にお年玉をくれるのです!別にいらないよー、と一応は断るのだけど、「いくつになっても子供は子供だから」と。ちょっと気恥ずかしく、ちょっとせつなく。
2010.01.16
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松過の又も光陰矢の如く 高浜虚子 春の句なんだろうけど、現代の実感からすると冬なので、冬にカテゴライズ。今年は曜日の配列がイマイチだったから、うちの会社は4日から仕事でした。「あれ? 冬休みなんてあったっけ?」みたいな忙しさ。小さい頃は、「新年」がもっと重みを持ってた気がするんだけどなあ。 で、第10章のタイトル「<勝間和代>を目指さない」ってだけでも十分に話題になったこの本、やっと読みました。サブタイトルは「『ふつうの幸せ』を手にいれる10のルール」で、タイトルの通りに、恋愛や子供やお金にしがみつかないとか生まれた意味を問わないとか、そういうアドバイスです。10章で書いてある「必要なのは、<断る力>より<耐える力>」ってのは、そうだなあと思った。私は、正岡子規のこの言葉を思い出しました。 余は今迄禅宗の所謂(いわゆる)悟りといふものを誤解して居た。悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居ることであった。 これはね、深いよ!ものすごく辛いことや苦しいことがあっても生きることを止めずに、生き続けていくこと。これが悟りなのだ、と。あと、ここも改めて共感した。努力したくても、そもそもそうできない状況の人がいる。あるいは、努力をしても、すべての人が思った通りの結果にたどり着くわけではない。私もそうなんですが、つい自分の立場で物事を考えてしまいがち。もっと想像力を働かせなきゃならないな。それとそれと、自分にとっての「幸せの定義」も考えて……ないものより、あるものの方がずっと多いもんね。
2010.01.15
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女とはいとしがられて憎まれて妬まれてこそかひもあるらし 白蓮はい、先日紹介した本です。勝間和代さんの『結局、女はキレイが勝ち。』 を買って貸してくれた同僚にこの本を紹介したところ、興味津津で。「私は勝間さんの本買ったんだから、今度は西瓜丸さんが買ってよ~」というリクエストで、買いました(´▽`)そして読み終えました。面白かった。オネエ言葉があたしにまでうつりそうよ? というわけで、この勢いで書いちゃうわ?読めば読むほど、「あたしはしくじってるんじゃないかしら?」という疑問が募っていったわ。でもたぶん何よりもしくじってるところは、「しくじってても、ま、いいか」で流してしまうこの性格よね?まあ、あちこちに思い当たるフシだらけだったんだけど、一番ギャフンと思ったのはここよ。「地図が読める女」。西瓜丸は、地図が読める女なのよ。入社してから3年間で、4つの県を転々としたわ。知り合いが誰もいない、土地勘も全くない土地で、一人で生き延びたの。サバイバルよ。あたしの愛車にはカーナビなんてなかったから、どこへでも「全国道路地図」1冊だけを頼りに行ったのよ? それで別段何の不自由もなかったわ?ゴマブッ子さんによると、他にこんな女も同類項だそうよ。○ 一人でパソコンを設置できる女性。○ 一人で家具を組み立てられる女性。○ 車が故障してもJAFを呼べちゃう女性。○ 非通知のイタズラ電話がかかってきても非通知着信拒否設定にして解決できる女性。ちょっと待ってちょうだい?西瓜丸、パソコンの設置なんて余裕よ? テレビだってビデオ(うちは今でもビデオなのよ!)だって配線は得意よ? パソコン操作も得意だから、パソコンの「困った!」のときは、秘書仲間のみならず役員からも声がかかるわ。コピー機の紙詰まりのときも、テレビ会議の接続が悪い時も、プロジェクター設置方法がわからないときも、あたしの出番なの。家具の組み立ては大好き。去年の秋、引っ越した友達が組み立て式の家具を買うというから、自分から志願して組み立てに行ったわ? 車に乗ってた頃はJAFを呼びまくりだったわよ?非通知電話の着信拒否設定なんて当たり前だわ。西瓜丸の携帯には、いっとき同じ番号からの間違い電話があまりにも多かったから(しかも必ず明け方で、外国語の留守電が残ってたり)、その番号も着信拒否にしたわよ?そうそう、こんなエピソードもあるわ。去年の夏くらいにウチの網戸に子カマキリが大量発生したの。網戸の溝に卵が産み付けられてたわけ。ルームメイトは悲鳴を上げて、部屋の奥の方に逃げたわ。網戸のあちこちに散らばってうごめく子カマキリたち……。ルームメイトは怖がってるし、あたしがなんとかするしかないじゃない?あたしはベランダに出て、網戸を外してバシバシ叩いて、子カマキリたちを網戸から振り落としたわ?ベランダに残った子たちはチリトリで追い詰めて、隣の空き地に向かって放り投げたの。怖かったわあ。ゴマブッ子さんのアドバイス:「一人でなんでもやっちゃだめ! もっと男性に頼ってください!」ちょ……このままだとあたし、確実に、ゴマブッ子さんの懸念通りに一人で墓石買えそうよ?
2010.01.13
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雪は地を覆ひつくせり答は白 津田清子 著者のサイトはこちら。Amazonの書評でもどなたかが書かれていましたが、非常に「正攻法」な自己啓発書だなと感じました。これまでいろいろ読んだ自己啓発本の「まとめ」で「復習」。読みやすくて、もちろん「ここは私も心掛けないと!」というのも、いくつもありました。で、この本を読んで、今までに読んできた多くの自己啓発本をひっくるめて、「結局こういうことなんだよな」と腹に落ちた感じです。脳のどこかにあるコップに、これまでに得た知識や気づきが、ひたひたと溜まってきていて。この本で、そのコップの容量が限界に達してこぼれたというか。そんなわけで2010年の私の抱負のひとつに、「今年はこのテの自己啓発本を読まない」というのを掲げてみよう。「やることよりも、やらないことを決める」ってのも、よく言われてることですもんね。以下、読書メモ。冒頭の数字は、各章のタイトルです。 1、稼ぐ人の「頭の使い方」 をマスターする・日々のビジネスで重要なのは、その制約条件の中でいかに目的を達成するかという「打開策」を考えること・雇われ人根性を捨て、自分の仕事が社外の専門企業より付加価値が高いかどうかを常に意識する・「得意分野の掛け合わせ」でオンリーワンを目指す2、アウトプット「勉強法」で差をつける ・結局、「その数字からどういう示唆が得られるのか?」「その分析が、どういうアクションにつながるのか?」が導き出せなければ、どんな分析や指標も単なる数字遊びに過ぎない3、自分の「マシン性能」を徹底的に鍛える 4、「問題解決力」を劇的に高める ・問題解決能力=論理的思考力ではない。「想像力」が非常に大切。具体的には、問題の本質や解決策を考えだせる「仮説立案力」や、相手の目線で考えることができる「共感力」5、どこでも通用する「自分ブランド」を確立する ・「一緒に働きたい」とレベルの高い人間から思われる人材になる・自分の「ウリ」に「独自性・希少性」はあるか6、リターンを意識して「時間」を使う 7、人を動かす「コミュニケーション・スキル」を磨く ・人の行動を最終的に決定づけるのは、経済合理性ではなく感情。ロジックだけでは人は動かせない。結論がスムーズに受け入れられるストーリーを工夫すること。例:「現在こういう状況である。考えられる対応策はこれこれである。それぞれのメリット・デメリットはこういうものがある。しかし我々の本当の目的はこの点である。だから、こういう施策を打っていく必要がある。そうするとこちらが犠牲になるが、この方法で多少は補える。よって、こういう対策を取るのが望ましい」・あなたが上司の弱点を補強し、上司の持っている資源をうまく引き出し、上司をコントロールしなければならない。・上司が高い評価を得られるようなサポートをする。・自分の意見を持ったうえで相談に行く、上司の質問を想定して落とし所をイメージしてから報告する 秘書西瓜丸、かなり耳が痛い……(´Д`)たとえば、「日々のビジネスで重要なのは、その制約条件の中でいかに目的を達成するかという「打開策」を考えること」という一節。秘書の仕事のひとつは会議設定ですが、結構みんな無茶言ってくるわけですよ! あっちを立てればこっちが立たず、なんてしょっちゅうです。だってみんな忙しいんだもん。みんな会議室使いたいんだもん。ちょっと前、西瓜丸は「無理なもんは無理だ! うがー!」とイライラしながら設定してたんですが、この一節に出会って反省しました。制約条件なんて、あって当たり前なんだ。と。なので、「制約条件があって当たり前」というスタンスのもと、いろんな人に交渉して予定を変えてもらったり、会議室を譲ってもらったり等々をしていったらアラ不思議。同じことをしているのに、イライラがものすごく減りました。 そんなわけで。「総まとめ」的この本から得たことを、2010年は実践していきたいと思います!各章末にワークシートがあるのもイイ!
2010.01.11
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二人ともすこしずつ老い時に会い 時実新子 以前、日経WOMANのオススメ本特集でこの本が載っていたので。小学校のクラス会の三次会のバーで、40歳の男女5人が田村を待っている間の連作なのですが、それだけの設定なのに面白いからすごい。この前書いた「物語と小説の違い」でいえば、これは間違いなく「小説」です!40歳のそれぞれ。32歳の私はこの本を読んで面白いと思ったけど、たとえば15のときとかにこれを読んだとしても、面白さがわからなかったかもしれないなと思った。なんとなく。
2010.01.09
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